★山域:一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜(谷川岳)
★日付:2026.05.30(土)
★天気:晴れ
★山行形態:山岳会山行、アルパインクライミング
★参加メンバー:山宮(L)、久保田、大倉、大久保、風間、荒木、中山、羽田、三富
★パーティー編成:
①山宮、久保田、大倉(久保田2P目・4P目リード、その他は山宮リード)
②大久保、風間(つるべ)
③荒木、中山(荒木オールリード)
④羽田、三富(つるべ)
★ルート:谷川岳インフォメーションセンター駐車場→一ノ倉沢出合→(一ノ倉沢の夏道~雪渓を登る)→テールリッジ基部→(テールリッジを登る)→中央稜取付→南稜テラス→(南稜を登攀)→南稜登攀終了→(6ルンゼ右俣~南稜を懸垂下降)→南稜テラス→中央稜取付 →(テールリッジを下る)→テールリッジ基部→(一ノ倉沢の雪渓~夏道を下る) →一ノ倉沢出合→谷川岳インフォメーションセンター駐車場
★ルート状況(2026年5/30現在のものです。)
◆一ノ倉沢出合~テールリッジ基部
・一ノ倉沢出合からテールリッジ基部まで雪渓通しで歩けません。右岸の夏の高巻き道を使いしばらく登ってから沢へ下りて雪渓に乗ってからは雪渓の通しでテールリッジ基部まで歩きました。
・雪渓歩きに慣れてない人はチェーンスパイク等があると安心だと思います。
◆テールリッジ基部~中央稜取付~南稜テラス
・今回は中央稜取付~南稜テラスの区間で岩が濡れてる場所があり滑って転ばないよう注意しながら歩きました。(濡れていた箇所は下山時には乾いていました。)
・残置フィックスを使用する場合は大丈夫そうかどうか確認しましょう。
◆一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜(3級上、Ⅴ)
・ルートは過去に登った時と比べて特に変化はなかったので各ピッチの詳細については割愛します。(詳細を知りたい方は過去レコで確認してください。)
・ピッチの切り方については前回登攀した時と同じに切りました。(以下の通りです。)
①1~2P目と6P目の終了点はいつものところでピッチを切りました。
②3P目(ロープを結んだままフリーで登る)は草付を登り短い垂壁の基部にあるリングボルトの支点でピッチを切りました。
③4P目は短い垂壁を登り終えたところにあるハンガー2つの支点はスルーしてその先の右の足場がテラスになっているところのRCCボルト3つの支点でピッチを切りました。
④5P目はリッジどん詰まり(カンテ~右の凹角の基部)にある残置ハーケンの支点をスルーして最後の垂壁の基部にあるハンガー1つとRCCボルトとリングボルトの支点でピッチを切りました。(50mロープギリです。)
◆6P目終了点~国境稜線
・6P終了点から少し登って岩が出た足場の安定したところでアンザイレン解除してロープを片付けクライミングシューズからアプローチシューズに履き替えました。そこから懸垂岩までの岩場はフリーで登り(今回は岩が乾いていて快適に登れました。)、終盤の草付きは薄い踏み跡のあるところを登っていきました。懸垂岩から5ルンゼの頭までは明瞭な踏み跡を登っていきました。
・5ルンゼの頭は岩が脆いので念のためロープを出して登りました。(前回の感想では『岩は脆い部分もあるがラインを選べばそれほどではないと思った。』とありますが、今回は脆い岩しかなかったという感想です。)基部にリングボルトが2つあります。左よりから直上し、途中から右へトラバースして回り込んで灌木帯のルンゼを直上し、終了点は灌木にスリングで構築しました。
・5ルンゼの頭を越えてしばらく明瞭な踏み跡を登っていくと最後は薄い踏み跡のハイマツ帯の藪漕ぎをして国境稜線へと出ます。
◆下降
・懸垂下降5回(50mロープ2本で6ルンゼ右俣を2回、南稜ルートを3回)で南稜テラスまで下りました。その後、南稜テラスからクライムダウンして南稜フランケ取付支点から50mロープ1本で傾斜の緩むところまで最後に1回懸垂下降してからロープを片付けました。その後テールリッジ基部まで傾斜の急なところはクライムダウン、その他は普通に下りました。
・テールリッジ基部から一ノ倉沢出合は特に問題なく下りました。
★感想:
(山宮)一ノ倉沢アルパインクライミングが初めてのメンバーが6名いましたが杉滝岩でのトレーニング効果で無難に登ってました。(初めての経験で個人的にいろいろ反省点はあったようですが・・・。各自それぞれ課題を克服して自立したクライマーになってください!)
アプローチも南稜も完全に岩が乾いていた先々週の個人山行の時とは異なり、今回は中央稜取付から南稜テラスへ登っていく烏帽子スラブ横断バンドの一部や、4P終了点からテールリッジへ取付くまでのところ、5P目終了点のところ、6P目と岩が濡れてて滑り度MAX&危険度MAXで一ノ倉沢アルパインぽくとても良かったです!(特に初体験メンバーにとってはw)
自分たちパーティーが南稜テラスまで下りてきてから最終パーティーが南稜テラスまで下りてくるまで3時間南稜テラスにいましたが日影が無く暑かったです。また落石が多く落ちてきてて南稜テラスにとどまるのは危ないと感じました。
(久保田)本格的なアルパインクライミングは今回が初めてでした。先行パーティーがいたことと3人体制だったことで、待ち時間にトポを見る余裕はありましたが、いざ登り始めると目の前の岩にしがみつくのが精一杯で、途端に余裕がなくなってしまいました。その中でも、2ピッチ目と4ピッチ目をリードさせてもらったのは非常に良い経験になりました。ただ、ロープの流れを意識してアルパインヌンチャクのスリングを選んだり、長さを調整したりする応用までは頭が回りませんでした。
5ピッチ目ではルートを左に外れてしまい、苔と濡れた岩でスリップ、滑落してしまいました。ルートファインディングが全くできておらず、もしここがリードだったら大怪我をしていたかもしれません。また、最後の垂壁でも落ちてしまったことがショックでした。もっとクライミング力をつけないと本当に危ないと痛感しています。今後は、古いハーケンやリングボルトにテンションをかけずに登り切れる実力を身につけたいです。(A0はしませんでした) 流れを見て次の動作に移るのも遅かった気がします。
クライミング技術だけでなく、アプローチの濡れてツルツルした岩場も恐怖心を感じ、全体を通して練習不足と経験不足を実感する山行となりました。
反省点は尽きませんが、この日の天候は雲一つない谷川ブルーで、最高の景色を特等席から味わうことができ、忘れられない一日になりました。
(大倉)憧れのひとつであった谷川岳アルパインに参加させていただきました。一週間前から不安でドキドキしていましたが、無事完登できてよかったです。反省点は、懸垂下降についてです。今まで、スラブ、フェイス等、安定した足場での経験しかなく今回のような、チムニー、ルーフ状での経験がありませんでした。実際に空中で、回転しそうになり肝を冷やしました。山宮さんに懸垂下降での危険を教わり、改めて下降先の状況をよく確認することの大切さを覚えました。自己研鑽を重ね、次回は、リードできればと思います。ありがとうございました。
(大久保)晴天の中で気持ちの良いクライミングが出来ました。一晩明けても南稜に行けて良かったと噛み締めるように思います。いろいろやりたいクライミングはありますが、アルパインもやって行こうと思います。以下、今回山行での出来事、悪かった点などです。
①指を少し切る。人差し指第2関節内側なので何かと不便に感じた。レスキューセットの中に太めのテーピングを持ってきていたので、半分に裂いて使用。持ってきておいてよかった。
②4p終了点からの懸垂下降でロープ投げ出しでやってみたが、結局絡まり解くのに時間がかかった。やっぱり繰り出し式?
③アルパインヌンチャクの有効性を認識。スラブ面ではロープが岩に引っかかりやすく、それを外すのにロープを振っても短いヌンチャクでは壁に近い距離にロープがあるので解除しづらく感じた。
④登れることに越したことはない。アプローチ、登攀中、下山中過度に緊張する場面はなく、適度な緊張感で楽しめました。アルパインは、総合力と思いますが、フリークライミングの能力があればゆとりが生まれ、冷静に動けると思います。
(風間)反省点、改善点が浮き彫りになった山行になりました。5ピッチ目のリードでは、うまく中間支点がとれず恐怖を感じ焦ってしまった。最終ピッチの核心ではA0をしてしまった。いずれもクライミングの能力があればスムーズにこなせていたと思う悔しい結果になりました。
1ピッチ目でのリードでは、中間支点の構築場所やアルパインヌンチャクの使い方が悪く、フォローを登りづらくさせてしまった。ダブルロープでの中間支点は両方のロープの流れを考え、最適なスリングの長さのヌンチャクで支点を作る。
テールリッジの下降では恐怖心でスムーズに歩けず醜態を晒してしまう結果となりした。これは、慣れや経験で克服できるのでしょうか?以前から下山が苦手なので、どうにかしないとですね・・・。
クライミング能力、ロープワークと支点の取り方、クライムダウンと下山時の歩き方、これらを上達させて、マルチでのパートナーを不安にさせず安心して組んでもらえるように頑張りたいです。
悔しい山行となりましたが、今後やるべき事が分かったので良かったです。
(荒木)
(中山)アルパインクライミングとはどういうものかを経験するために今回参加しました。天候にも恵まれ、様々な出来事を経験し、とても充実した1日を過ごすことが出来ました。
今回はオールフォローでした。1p〜3pくらいまでは、心に余裕がある状態で登ることが出来ましたが、馬の背から最終ピッチまではフォローでさえも、とても怖かったです。最終ピッチの垂壁では、目の前にお助け紐があったため、思わず掴んでしまいました。次行く機会があれば、リードも出来るようにしたいので、リードの練習も頑張っていきたいです。
下山時のテールリッジやトラバース箇所が滑りやすい岩やスラブで怖かったです。
下山時、雪渓の下部では(融解が進んで川が見えている箇所。一ノ倉沢出合近く。)、自分の足元にあった雪が崩壊して、受け身をとれず、転倒してしまい右大腿外側を強打してしまいました。そのまま川に落ちなくて良かったです。
また、登り終えて南稜テラスに戻ってきて靴の履き替え等していた際に他パーティーが落石させた石の塊が自分の数メートル隣に落ちてきた時は、とても避けれるスピードではなかったし、バウンドして破片が飛び散り、その破片も飛んできたため、当たったら最悪死んでしまうなと思いました。登攀中も下降中も落石は絶対させてはいけないように注意しないといけないと身に染みて感じました。
自立したクライマーになれるように、今後も少しずつ頑張っていきたいです。
最後に、連れて行って下さった会長、指導して下さった皆様、いつも車を出してくれる久保田さん、谷川のために練習に付き合い最終ピッチまで導いてくれた荒木さんに感謝申し上げます。
(羽田)会山行、6人が初 谷川アルパイン。厳しさと達成感、課題と目標を各々が感じられた山行となりました。そろそろ、谷川も卒業でもいいかなぁ~~と思ったら、やっぱり、行ってみると、また行きたい!岩と雪、なんてったって景色が素晴らしい!古いハーケンとピカピカのラッペルリング。これこそ「温故知新」全盛期の話しを聞いてて、継続したり当時の方は強い強い。進化したクライミングシューズを見せてあげたいものです!
(三富)
★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-9810098.html













