剱岳 チンネ左稜線&八ツ峰Ⅵ峰Ⅽフェース剣稜会ルート(北アルプス) 

★山域:チンネ左稜線、八ツ峰Ⅵ峰Ⅽフェース剣稜会ルート(剱岳)

★日付:2026.07.24(金)~26(日)

★天気:8/11 曇り→夕方から雨、8/12 曇り→八ツ峰Ⅵ峰Cフェース取付から雨→下山中の熊の岩付近から晴れ、8/13 晴れ時々ガス、8/14 晴れ時々ガス

★山行形態:個人山行・アルパインクライミング

★参加メンバー:山宮(L)、加藤

★ルート:室堂→剣御前小屋→長次郎谷出合→熊の岩(テン泊)→池ノ谷乗越→三ノ窓→チンネ左稜線取付→(チンネ左稜線登攀)→チンネの頭→池ノ谷ガリーに合流→池ノ谷乗越→熊の岩(テント泊)→剣稜会ルート取付→(剣稜会ルート登攀)→Cフェースの頭→八ツ峰Ⅴ・Ⅵのコル→熊の岩→長次郎谷出合→剱御前小舎→室堂

★ルート状況(2024年7/26現在のものです。)

◆室堂~剱沢雪渓
・一般登山道。特に問題なし。

◆剱沢雪渓~熊の岩
・剱沢雪渓を下っていき、長次郎雪渓出合から長次郎谷を登る。(12本爪アイゼンとピッケルで歩きました。)
・ほぼ雪渓通し歩けます。(長次郎谷中間部の一部で右側の雪渓は水が流れているのが見えていて歩けないので左側の岩場を通過しました。)
・落石にも注意!!(7/24の夜ですが長次郎谷で落石群がありました。音が凄かったです。)

◆熊の岩~池ノ谷乗越
・右俣はクラックで雪渓が割れているところもありますが繋がっているところを歩けます。また1箇所、雪渓に乗るのが厄介なところもありますが右側の岩を詰めて登っていくと楽に雪渓に乗れます。(登りの時は暗くて楽なラインが分からず、ピッケル1本で垂直のところから乗りました。)

◆池ノ谷乗越~池ノ谷ガリー~三ノ窓
・池ノ谷ガリーはガレているので慎重に!(間隔を取って歩きました。)
・アイゼンとピッケルは片付けて歩きました。

◆三ノ窓~チンネ左稜線取付
・アイゼンとピッケルを再装備して雪渓をトラバースします。
・ロープとカム、クライミングシューズ以外の装備はここで換装しました。
・逆4次が目印のチンネ左稜線取付までは20分ぐらいかかりました。(ガスっていて最初はだいぶ手前のところをウロウロしましたが、加藤さんのネットから落としてきたログがあったので先に進めました。)

◆チンネ左稜線(3級上、Ⅴ、12P)

【全体を通して】
・基本ガバホールドが豊富でスタンスも豊富にありますが動く岩も多いので慎重に!
・終了点は古いです。

【1P クラック~凹角 20m Ⅳ】(山宮リード)
・クラック出だしはクラック右側のフェースにホールドが豊富。途中から左の凹角へ入って登る。
・このピッチはカムが使えるが残置も豊富。(カム#1を1つ使用した。)

【2P クラック~フェース 50m Ⅳ】(加藤リード)
・終了点から左へ横移動し、クラック&左側のフェースを使って登る。途中でクラックが無くなりフェースを登る。

【3P 階段フェース~草付バンド~ルンゼ 30m Ⅱ】(山宮リード)
・階段フェースは脆いので注意!
・草付バンドを奥まで進んでその先のルンゼを登るのは間違いです。草付バンドに出てすぐの左にあるルンゼを登るのが正解。(私は正解ルンゼを通り過ぎて先へ進んでしまい草付バンドが終わったところからルンゼに入ったのですが、残置中間支点は無いし終了点っぽいところはボロいし、次のピッチの残置中間支点も見えないし・・・『ここあってる??次のピッチのフェースは灌木とか使えば支点取れるし登れないことはないと思うけど・・・』と思ってましたが、フォローの加藤さんにネットで見た終了点の写真と違うと指摘され間違いを核心する。ここのルンゼをそのまま詰めると6P目フェースの基部に出るところでした。またフェースを登れば残置がほぼ無いラインを2Pで6P目の終了点まで登るところでした。ボロい終了点のボロいスリングを取り除き、自分の捨て縄を付けそこから懸垂下降で草付バンドまで下りました。)

【4P フェース 20m Ⅳ】(加藤リード)
・特に問題なく楽しく登れる。

【5P 草付リッジ 40m Ⅰ】(コンテ)
・草が濡れててズボンが濡れて気分ダウン

【6P フェース 40m Ⅲ】(加藤リード)
・特に問題なく楽しく登れる。
・終了点がショボい。

【7P フェース 40m Ⅲ】(山宮リード)
・特に問題なく楽しく登れる。

【8P ピナクルフェース 50m Ⅲ】(前半は加藤リード、後半は山宮リード)
・特に問題なく楽しく登れる。
・ピナクルを2つ越えたところでロープが屈曲して引けず登れなくなったっと加藤さんがピッチを切ったので、フォローの私はそこまでフリーで登るためロープを束ねて歩いていくと出だしのピナクル基部でロープが引けるようになる。ピナクル基部にも終了点があるので、そこでビレイするからそのままリードできるか?との問いにロープを引けないので無理ですと返答があったので(ロープが両手で引けるなら先にロープ引いておいて弛みを作ってから登れるけど・・・)加藤さんがピッチを切ったところまでフォローで登り、そこから先はリードする。

【9P カンテ~ハング上へ左上~右凹角へ 40m Ⅴ】(加藤リード)
・ハング右下のカンテはカンテ右側のホールドを上手く使って登る。
・ハング上への左上はスタンスに気を付ける。正面のコーナーにガバがある。
・ハング上の良いスタンスに足を置き、正面のコーナーのガバで足を上げていき凹角出だしのガバを取って乗っ越す。
・凹角をしばらく登る(このあたりにマイクロカムが使えるクラックがある。)とハーケン連打の終了点がある(古いのでフォローがフォールしたら・・・と緊張感がある終了点。この近辺にはカムが使えるクラックはない。)が加藤さんはそこまで登らず残置ハーケンが2つあるところでピッチを切る。(うち1つは穴が小さくカラビナが入らない。結論から言ってここは終了点ではなかった。)1つで終了点は作れないので少し上にある残置ハーケンとそこの残置ハーケン1つで終了点を構築していたが・・・経験不足が否めない終了点を構築してました。(フォローがフォールしないからいいけど危険だと教えておきました。)

【10P 凹角~リッジ 30m Ⅳ】(山宮リード)
・特に問題なく登れる。
・少し岩がボロいか?

【11P フェース~リッジ 30~40m? Ⅲ】(加藤リード)
・50mいっぱいロープを伸ばさず適当なところでピッチを切る。

【12P リッジ 40m Ⅲ】(山宮リード)
・チンネの頭の先の終了点まで50mで届かないので適当なところでピッチを切る。

【13P リッジ 40m Ⅲ】(山宮リード)
・ほぼ歩き。
・チンネの頭の先の終了点でピッチを切って登攀終了
 
◆チンネの頭~池ノ谷ガリー
・チンネの頭と八ツ峰の頭の間のコルへはハイマツ帯&岩場をクライムダウンで下りました。
・コルには懸垂下降支点がありますが、そこではまだ懸垂下降せずにクライムダウンでもう少し下りて次の懸垂下降支点へ。
・2つある懸垂下降支点のうち奥の懸垂下降支点から50mロープ1本で池ノ谷ガリーへ懸垂下降で下りました。

◆八ツ峰Ⅵ峰Cフェース剣稜会ルート(2級、Ⅲ、5P)

【全体を通して】
・岩は比較的しっかりしています。

【1P スラブ 40m Ⅲ】(加藤リード)
・しっかりしたスタンスがあります。スラブというより階段。

【2P フェース 40m Ⅲ】(山宮リード)
・残置中間支点が少なかった?見落とした?中間支点は出だしの1つしか取りませんでした。

【3P フェースを右上~左上 40m Ⅲ】(加藤リード)
・残置中間支点は豊富にあります。
・ラインを間違うと難易度が上がります。弱点を突いて登れば問題ないです。

【4P 水平リッジ 45m Ⅱ】(山宮リード)
・4~5Pを繋げて登るつもりでしたが、ロープがあと2~3mということで途中の岩にスリングを巻いて終了点を構築。

【5P 階段 5m Ⅱ】(加藤リード)
・結局4P目終了点としてピッチを切ったところから5mぐらい進んだ上の棚に5P目終了点がありました。(そこからさらに5mぐらい登ったところがCフェースの頭でそこにも終了点がありました。)

◆Cフェースの頭~Ⅴ・Ⅵのコル~長次郎谷雪渓
・最初は歩きで下りていく。
・途中から50mダブルロープ2本で懸垂下降2回で下りました。(残置の懸垂下降支点は50mロープ1本で3回で下りれるよう3箇所ありました。)
・Ⅴ・Ⅵのコルからはザレた岩場を下りて長次郎谷雪渓に出る。

★感想:

(山宮)9年ぶりのチンネ左稜線は覚えているところと覚えてないところがいろいろあって、取付迷いやルートミスがありましたが加藤さんの事前調べのおかげもあり(ちゃんと予習しておけよって話ですが・・)無事にトップアウト出来ました。チンネは貸切でした!(この天気じゃねーw)晴れを期待してましたが、チンネ左稜線も剣稜会ルートもガスっていて景色は楽しめませんでした。最終日、雨が降る前に剣稜会ルートを登って下りてきてテント撤収までで出来て良かったです。長次郎谷出合から雷鳥沢テント場までは雨で気分はだだ下がりでした。天気が良くなかったにもかかわらずそれなりに人が入っていました。22~23kgの歩荷(下山時は20kgぐらい?)がきつかったです。共同装備のテント(行きはポール除く)、カム、ジョットボイル、ガス1(帰りは2)、ロープ2本(帰りは1本)を持ちましたがもう50過ぎて体力もないのでちゃんと振り分けします!大きいザックが無いので入らないと理由で今回は持ちましたが次回は持ちませんよ!!

(加藤)チンネ左稜線(偶数ピッチ+核心9Pリード、全13P)八ッ峰六峰Cフェース(剣稜会ルート)奇数ピッチリード、全5Pの感想。

・マルチは谷川南峰以来の2回目。ガス+濡れている岩もある中で、南稜より全然難しく感じた。cフェースは簡単でした。
・中間支点、終了点もハンガーボルトはなく、南稜とは違うと感じた。
・棚に乗り上げたあと、ロープが90度に屈曲して引けなくなった。そのまま歩いてロープが引けないときは、まずロープを数mたぐってから歩くと教えてもらった。
・核心の9P目は、見るからに難しそうだったが、山宮さんから「A0でもいいから挑戦してみたら」と言われ、挑戦することにした。やらないという選択肢がある中で、「挑戦できた」ことはいいことだった。
・核心9P目で、初めてA0。A0をすると楽に登れ、厳しいルートでもA0への切り替えという切り札がどれほど大きいか分かった。
・高度感のあるリッジや支点間隔の長さから、登る前に恐怖心を感じて萎縮してしまうことが多かった。しかし、実際に取り付いてみると登れることが多く、「怖そう」と感じることと「実際に登れるかどうか」は必ずしも一致しないことを実感した。
・何度か小さなスタンスを信じて立ち込む場面があり、足を信じて体重を乗せることの重要性を強く感じた。今後は、フリークライミングで小さな足に立ち込む練習を積み、足への信頼とメンタルの両方を強化していきたい。
・「ボルトが少ないこと」を嫌だなあと感じてしまい、恐怖感が増したが、「ボルトが少ない=難しい」ではなく、「比較的登りやすいから少ない」とアドバイスを受けた。確かに9P目はたくさん支点があった。自分では、「支点が遠くて怖い」と思っていたが、「この先に悪いムーブがあるか分からない」という恐怖感もあったと思う。これは、フリーでオンサイト力を上げる(初見でホールドを見る。足を見る。ムーブを読む)ことで克服できる。自分で考えることの重要性を改めて感じた。
・ロープの流れやセカンドビレイ時のロープの張り具合など、安全を意識したロープマネジメントの重要性を学んだ。セカンドビレイでは、不要なたるみが生じないよう適度にロープを回収することで、セカンドの落下距離を最小限に抑え、終了点やビレイヤーに加わる衝撃荷重を軽減できることを意識する必要がある。

以上、反省点と感想でした。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-10042154.html

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-10037602.html

7/24、正面に見える熊の岩を目指して長次郎谷を登る
熊の岩に到着して初日終了
7/25、暗いうちに熊の岩を出発し池ノ谷乗越を越え、三ノ窓から取付へ雪渓をトラバース中
チンネ左稜線1P目リードする山宮
2P目を登攀中
3P目をリードする山宮
4P目をリードする加藤
5P目はコンテ
6P目をリードする加藤
7P目をリードする山宮
8P目をリードする加藤
9P目をリードする加藤
9P目をフォローで登る山宮
10P目をフォローで登る加藤
11P目をフォローで登る山宮
12P目をリードする山宮
チンネ左稜線最終ピッチの13P目終了地点付近にあるチンネの頭に座る加藤
13P目終了点からはクライムダウンでコルまで下りていき、池ノ谷ガリー側へもう少しクライムダウンで下りていく
池ノ谷ガリーへ懸垂下降する準備中
池ノ谷乗越から長次郎谷右俣を下って熊の岩へ
7/26、剣稜会ルート1P目をリードする加藤
2P目をリードする山宮
3P目をリードする加藤
4P目をリードする山宮
4P目をフォローで登ってくる加藤
Cフェースの頭から途中まで歩きで下りていき、ここから懸垂下降
2回目の懸垂下降
Ⅴ・Ⅵのコルの少し上に下りて岩をトラバースして長次郎谷側へ

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。フリークライミング、クラッククライミング、アルパインクライミング、アイスクライミング、沢登り、山スキーなど幅広く活動しています。

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