剱岳 八ツ峰主稜(北アルプス)

★山域:剱岳 八ツ峰主稜(北アルプス)

★日付:2023.05.03(水)~05(金)

★天気: 5/3 晴れ、5/4 快晴(風もほとんどなく暑かった)、5/5 晴れ

★山行形態:山岳会山行、アルパインクライミング

★メンバー: 山宮(L)、進藤み、高橋、進藤ま

★ルート状況(2023年5/5現在のものです。)

【剱沢の雪渓】
・クラックはほぼ無し。(長次郎谷出合に少しクラックがあるが問題なし。)

【長次郎谷の雪渓】
・クラックは無し。
・最上部は午後だったせいもあると思いますが雪が緩んでいて結構潜りました。傾斜がそこまでありませんが滑り落ちないよう少しの区間はクライムダウンで下りました。

【一・二峰間ルンゼ】
・夜明け前からしばらくの時間帯に登りましたが雪は硬く締まっていました。傾斜がどんどん増していきますが休めるところが少なく途中のクラックやステップ跡で休み休み登りましたがふくらはぎが張りました。

【八ツ峰主稜】
・各峰からは50mダブルロープ1本で懸垂下降で下りました。(五峰からの懸垂下降は2ピッチで50mダブルロープ2本で懸垂下降しましたが1ピッチ目は50m1本で次の懸垂支点まで届きそうでした。)七峰の懸垂下降支点はスノーボラードと残置スノーバー1本でしたがそれ以外は残置支点が雪から出てました。(携行した土のう袋は使いませんでした。)
・雪稜はトレースがありロープを出さずに歩けました。
・一・二峰間のコル~五・六のコルまでは雪が締まっていましたが、六峰へ登る急な雪壁からは雪が緩んでいたので慎重に登りました。
・八峰は雪の付きが悪そうに見え岩登りは2つ前の先行パーティーがロープを出して難儀しているように見えたので無理せずに右から巻いて八峰と八ツ峰の頭間のルンゼを登りました。ルンゼ上部は雪庇がハングしているように見えましたがアンザイレンしている先行パーティーのリードが難なく乗越せていたのを見たので、我々はロープを出さないでフリーで登りました。(結局ロープは懸垂下降のみの使用となりました。)
・八峰の頭からは50mダブルロープ2本で懸垂下降しました。

★感想:

(山宮)天気予報は直前で好転して3日間とも天気にも恵まれ、ほぼ予定通りに行動でき、皆んなが無事に下山できて良かったです。テン場をベースにしてアタックするスタイルだったので久しぶりの登山でアプローチは約25kg歩荷でしたが何とか登れました。一・二峰間ルンゼを一・二峰間のコルを目指して登ったつもりでしたがルンゼ上部で左へ行ったことにより着いたコルは二・三峰間のコルだったようです。残雪期の八ツ峰主稜は初見でしたがトレースがあり迷うことなく歩けました。渋滞時間切れで本峰には登れませんでしたが、まー仕方ないですね。最初の懸垂下降(二峰から懸垂下降)後~三峰の懸垂下降準備までの間にATCと安環ビナ落としました。ビレイループからサイドに付け替えたのですがカラビナが服に挟まって閉まってなかったので落下したのだと思います。この物の落とし方は以前にもやったことがあるので気をつけていたのですが落とすときは落としますね!!(進藤まさんが先に下りることが多い私にATCを貸してくれました。進藤まさんはムンタ―ヒッチで懸垂下降。)長次郎谷出合から剱沢テン場までの登り返しがきつかったです。

(進藤み)八ツ峰は懸垂以外で今回はロープを出す所はありませんでしたが急峻で長く続く雪壁・雪稜をフリーで登るピッケルワークとアイゼンでの歩行技術がとても大事でした。(ピッケルではダガーポジション・アイゼンではしっかり蹴り込みステップを作りながら登るフロントポインティング等)雪面が緩んでからはスノーバーがとても有効だと感じました。スノーボラードでの懸垂の時、前のパーティーが使ってからすぐだったので大丈夫と思いセルフビレイにすぐ体重を掛けたのは確認不足で反省する点です。もう少し慎重にならなくてはと思いました。剱岳山頂は踏めませんでしたが八ツ峰は一峰から八峰の頭まで制覇したので天候にもメンバーにも恵まれ最高の3日間でした。アルパインに興味がある皆さんにはぜひ機会があればチャレンジしてもらいたいルートです。

(進藤ま)初日テン場までのアプローチで高山病の症状がでてとても辛かったです。寝て起きれば何とかなるかなと思いましたが翌日起きてから準備している間も具合が悪く皆について行けるか心配でしたが荷物も軽くなり必死に登っていたら楽しくて具合の悪いのは忘れていました。先行パーティーが安全第一なんでしょうが全ての場所でロープを出していて、しかもロープの扱いも手際が悪く時間が掛かって…場所柄抜くにも抜けず合わせて3時間の待ち時間は辛かったですが暑くも寒くも風も無かったので何とか耐えられました。初めての剱岳は本峰こそ踏めませんでしたが良い天気に恵まれ最高に素晴らしい八ツ峰からの景色を堪能できてとても嬉しかったです。山宮会長をはじめ高橋さん、満さんには3日間色々とお世話になりました。まだまだ登りで皆さんを待たせてしまいましたのでこれからも日々鍛練に勤しみ時間があれば歩荷トレも頑張ります。そして何時なんどき何があるか分かりませんのでロープワークが迷いなくキチンと使えるように今後も練習しようと思いました。

★山行の詳細はヤマレコとヤマップにアップしてあります。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5478164.html

https://yamap.com/activities/24082137

5/3、別山乗越を目指して登る
別山乗越から見えた槍ヶ岳
剱沢テン場でテント幕営
5/4、八ツ峰主稜へアタック
一・二峰間ルンゼを登る
傾斜がきつくて脹脛が張る
落ちないように確実に
一・二峰間ルンゼの最後を左の方へ登ったので二・三峰間のコルに着いた模様
三峰から見たこれから歩く八ツ峰主稜と左奥に剱岳本峰
三峰から見た一峰方面の景色。右奥が一峰、左手前が二峰、中間のピークはなんだろ?
三峰からの懸垂下降を完了して歩き出す進藤夫妻
雪稜に進藤夫妻
四峰へ登ってくる高橋
四峰から見た景色
五・六のコルからは左端の雪を登っていく
ら振り返って五峰を見る
雪壁を登る
雪壁を登る
先行パーティーに続く高橋、進藤夫妻
ここで先行パーティーの七峰からの懸垂下降待ち
七峰の懸垂下降支点へ
七峰から懸垂下降
正面に八峰
八峰は右から巻いてルンゼを登る
八ツ峰の頭へ登る先行パーティー
八峰の頭から八ツ峰主稜を見る
八ツ峰の頭から懸垂下降
あっと言う間に長次郎谷を下ってテン場へ
5/5、テント撤収
雷鳥荘のベンチで別山乗越をバックに記念撮影
雷鳥平テン場を眼下にして喜ぶ進藤ま
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投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。「角田山からヒマラヤまで!!」を合言葉にアルパインクライミングを中心に活動しています。

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