一ノ倉沢衝立岩中央稜(谷川岳)

★山域:一ノ倉沢衝立岩中央稜(谷川岳)

★日付:2021.06.18(金)

★天気:曇り

★山行形態:個人山行、アルパインクライミング

★参加者:山宮(L)、進藤み

★ルート:谷川ベースプラザ→(自転車で移動)→一ノ倉沢出合→(一ノ倉沢の雪渓を登る)→テールリッジ基部→(テールリッジを登る)→中央稜取付→(中央稜9Pを登攀)→衝立の頭→北稜下降路の懸垂下降支点へ移動→(ピナクルまで6回の懸垂下降)→ピナクル→衝立前沢に合流→(衝立前沢を下る)→一ノ倉沢に合流→( 一ノ倉沢の雪渓を下る)→一ノ倉沢出合→(自転車で移動)→谷川ベースプラザ

★ルート状況:(ルートグレードは参考にしたトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。一ノ倉沢の雪渓の状態は2021年6/18現在のものです。)

 ◆一ノ倉沢出合~テールリッジ基部

 ・一ノ倉沢出合からテールリッジ基部まで雪渓通しで歩けます。

 ・雪渓歩きに慣れてない人はチェーンスパイクがあると安心だと思います。

 ◆テールリッジ基部~中央稜取付

 ・岩が乾いている状態なら問題なく歩けますが濡れているときはスリップ注意!(雨や朝露で靴が濡れるのを嫌がってアプローチシューズ以外の靴を履いてきたり軽さを求めトレランシューズを履いてきたりすると濡れている岩では滑って怖いらしいです。靴が濡れることは諦めクライミング時用の替えの靴下を携行してくることをお勧めします。)

 ◆一ノ倉沢衝立岩中央稜(3級、Ⅴ-)

 1P フェイス~凹角~リッジ Ⅳ 40m(進藤みリード)

 ・徐々に傾斜が増す。快適に登れます。
 
 2P 左に回りこみルンゼを直上 Ⅱ 25m(山宮リード)

 ・登攀は問題なし。

 ・ルンゼ内の浮石に注意!!(落石を起こすと烏帽子スラブを横断している人に当る可能性あり!)
 
 3P  右へトラバースし直上 Ⅳ 30m(進藤みリード)

 ・出だしのトラバースは緊張するが、そのあとの登攀は問題なし。

 4P フェイス~チムニー Ⅴ- 25m(山宮リード)

 ・残置支点は豊富にあります。2人の手持ちのクイックドローをが全部は必要ないと思い何本か進藤みさんから受け取らず登りましたが、下でこまめに取りすぎていたら核心のチムニーでが足りなくなる感じがしたので所々1個飛ばし等をして登りました。

 ・チムニー内の登攀が核心ですが、今回はじっくりと余裕を持って周りを見渡せしっかりしたホールドを見つけることができたのでフリーで登れました。(チムニー内、特に抜け口は見た目ですが荷重すると取れそうなホールドばかりな感じがして気持ち悪いです。)

 5P ルンゼ~右側の凹角を直上 Ⅲ 25m(進藤みリード)

 ・最初に出てくるルンゼ内の終了点をスルーして次の凹角右上のところでピッチを切ります。終了点は狭いので先行パーティーがいるときは終了点が空くまで下で待った方が良いです。

 6P 凹角~フェイス Ⅲ+ 40m(山宮リード)

 ・ルート内では比較的に岩も硬く快適に登れます。

 7P ブッシュ混じりのフェイス Ⅲ 30m(進藤みリード)

 ・出だしは右上のブッシュ混じりのフェイスを登り、そこを抜けると傾斜が緩みます。

 8P ブッシュ混じりの階段状の岩場 Ⅱ(山宮リード)

 ・正面の岩を左から巻き、階段状の岩場を上へ抜けると終了点があります。

 ・ロープはいらないぐらいな感じでしたが階段状の岩場は濡れていてスリッピーだったのでアンザイレンしていて正解でした。

 9P 右にある凹角を上へ Ⅲ(進藤みリード)

 ・正面の岩を右に巻くと凹角の岩場があり、そこを上へ登りると終了点があります。

 ・凹角内は浮き石が多いので注意!

 ◆衝立の頭からピナクル

 ・衝立の頭から北稜の下降路を懸垂下降しました。(衝立の頭から踏み跡を辿って下っていくと懸垂下降支点があります。)

 ・懸垂下降の回数は6回。

 ・トポでは3回目の懸垂下降以後は懸垂下降したあとに右下にある次の懸垂下降支点まで移動してまたそこから懸垂下降をするという感じの図になっていましたが、次の懸垂下降支点までめいいっぱい懸垂下降し、フリーで下る状況を作りませんでした。(3回目の懸垂下降だけは状況が分からず、山宮は40m懸垂下降した後に10mフリーで右下へ下降。2番手で懸垂下降してきた進藤みへは次の支点までめいいっぱい懸垂下降するように指示。)

 ・懸垂支点、ロープスケル、ワンポイントアドバイスは以下のとおりです。(カッコ内の数字ははトポの懸垂下降ロープスケル+右下へのフリーでの移動分です。)

  ①ハンガーボルト、40m、問題なし。

  ②木の残置スリング&カラビナ、40m、問題なし。

  ③リングボルトとハーケン、50m(40m+10m)でぎり、笹薮がひどくなる。スタックに注意!!

  ④木の残置スリング&カラビナ、40m(20m+20m)、だいぶ右方向へ下りロープが屈曲します。先行者は懸垂下降終了したらロープが引けるか確認を忘れずに!!また、スタックにも注意!!(この区間の途中にも懸垂下降支点があるので心配な人はそこで切ったほうがいいかも。)

  ⑤木の残置スリング&カラビナ、50m(40m+10m)、若干の空中懸垂があるが問題なし。

  ⑥ハンガーボルト、50m(20m+30m)、ピナクルまで行けます。

 ・北稜下降路は2人とも初見でしたが迷うことなく下れました。(初見でガスっていて視界が効かない場合は支点を探すのに苦労するかもしれないし迷うかもしれません。)

 ◆ピナクル~衝立前沢~一ノ倉沢

 ・ピナクルでロープは片付けました。

 ・踏み跡を辿って下っていくと右下へ下りれそうな沢が出てきますがそこはスルー。次の沢が衝立前沢なのでそこを下ります。

 ・衝立前沢では終盤に50mロープ1本で懸垂下降を1回しました。(トポではロープスケル20m)

 ・衝立前沢のスノーブリッジ状になっている雪渓へは左端から乗りました。まだまだ崩れそうになさそうでしたが状況判断に注意が必要です。

★感想:

(山宮)今回も天気予報にはぎりぎりまで振り回されましたがなんとかなりそうなので予定通り決行。思っていた以上にコンディションは良くて最高でした。この日は中央稜に2パーティー、中央カンテに1パーティーのみで静かな登攀を楽しめました。中央稜の登攀は先行パーティーの終了点空きを待つので3P目と5P目で合わせて2時間ぐらい待機した時間がありましたが、後続もいないし天気もいいし時間に余裕もあるのでのんびりと待てました。北稜の下降路は初見でしたが支点を探すのには苦労せず迷うことなく懸垂下降できました。衝立前沢も間違えることなく一ノ倉沢まで問題なく下降できました。(中央稜は衝立の頭から同ルート下降してテールリッジを下るより北稜下降路を懸垂下降し衝立前沢から一ノ倉沢へ下ったほうが早く下りれると思いました。)谷川ベースプラザから一ノ倉沢出合までは進藤みさんの折りたたみ自転車で移動しましたが快適でした。進藤みさんは谷川でのアルパインは2回目ですが余裕を持って登ってました。お疲れさまでした。

(進藤み)初めての谷川岳南陵登攀から3年ぶりに中央稜へ行って来ました。やはりホールド・スタンスとも非常に脆く更に支点もハーケン等…さすが谷川と感じました。でもアルパイン始めたばかりの3年前からみれば技術・知識とも少しは成長しているのかなと感じました。(4ピッチ目のチムニーの抜け口はA0でした。)自転車アプローチ最高でした!山宮さん次回は中央カンテご指導お願いします。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3283044.html

一ノ倉沢出合
テールリッジ基部
テールリッジを登ってくる進藤み
中央稜1P目をリードで登る進藤み
中央稜3P目をリードで登る進藤み
中央稜5P目をリードで登る進藤み
ベニサラサドウタン
中央稜6P目を登ってくる進藤み
中央稜7P目をリードで登る進藤み
6P終了点から見た中央カンテを登るパーティー
6P終了点から見た国境稜線
6P終了点から見た一ノ倉沢
9P目終了点
衝立の頭
北稜下降路の懸垂下降支点
1回目の懸垂下降中
1回目の懸垂下降中
2回目の懸垂下降中
2回目の懸垂下降中
3回目の懸垂下降が終わったところ(ここからフリーで次の支点までクライムダウン)
5回目の懸垂下降中の進藤み
6回目の懸垂下降支点から見たコップ状岩壁
6回目の懸垂下降支点から見たピナクルと衝立前沢の合流地点
6回目の懸垂下降中の進藤み
ピナクルから衝立前沢へ
急なスラブの先にテールリッジが見えます
衝立前沢に合流
衝立前沢を下る
衝立前沢の滝を懸垂下降
スノーブリッジ状の雪渓には左端から乗りました
衝立前沢を下る
一ノ倉沢に合流
一ノ倉沢出合

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投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。「角田山からヒマラヤまで!!」を合言葉にアルパインクライミングを中心に活動しています。

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