★山域:北岳バットレス第4尾根主稜(南アルプス)
★日付:2018.08.11(土)~13(月)
★天気:8/11 晴れ→曇り→雨、8/12 晴れ→曇り・ガス時々雨、8/13 晴れ
★山行形態:山岳会山行、アルパインクライミング
★参加者:山宮(CL)、酒井、豊岡(SL)、河村、進藤み(SL)、進藤ま、岩出(SL)、荒井、その他1名
★コース:広河原→白根御池小屋(テント泊)→大樺沢二俣→(C沢D沢中間尾根)→(第5尾根支稜)→(Dガリー)→(横断バンド)→(Cガリー)→(ヒドンスラブ)→(第4尾根主稜)→北岳→北岳肩の小屋→白根御池小屋(テント泊)→広河原
★アタック時のパーティー編成 ①隊:岩出、荒井
②隊:山宮、酒井、その他1名
③隊:豊岡、河村
④隊:進藤み、進藤ま
★登攀ルート:大樺沢左俣一般登山道→C沢D沢中間尾根→下部岩壁→第5尾根支稜→Dガリー→横断バンド→Cガリー→ヒドンスラブ→第4尾根主稜→北岳
・①隊は中央稜ノーマルルート継続登攀も視野に入れ先行したが、第4尾根主稜終了点で30分検討した結果、今回中央稜ノーマルルートは断念した。(下部岩壁04:25スタート、第4尾根主稜終了点09:00到着)
・③隊と④隊は横断バンド~Cガリー~ヒドンスラブを登ってくるルートを通らず横断バンドから第4尾根主稜取付の下部2~3ピッチを登ってきた。
・②隊は第4尾根主稜取付で③隊と④隊が後ろを付いて来てなかったので待機、皆が無事に来たのを確認してから先行パーティー(待機中に2パーティーに抜かれる・・)が登るのを待って取付到着から2時間40分後にスタート。第4尾根主稜終了点で③隊と④隊が登ってくるのを1時間20分待ち皆で山頂へ。
・ロープは第5尾根支稜~第4尾根主稜終了点まで使用。
・クライミングシューズは下部岩壁取付~第4尾根主稜終了点まで使用。(山宮は第4尾根主稜取付までアプローチシューズで登る。)
★ルート状況(ルートグレードは参考にしたトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)
◆一般登山道は整備されてて快適
◆一般登山道~下部岩壁取付(C沢D沢中間尾根→Dガリー大滝下)
・二俣から大樺沢左俣の一般登山道を登っていくと北岳側に順に大樺沢右俣(二股のところすぐにある沢)、ヒドンガリー、B沢(バットレス沢)、C沢、D沢とあります。4つの沢で唯一水流があるのはC沢だけです。(降雨後は不明ですが・・・)C沢とD沢の中間にある尾根の明瞭な踏み跡を登ると下部岩壁取付に着きます。
・初見で暗いときに取付く場合は迷いやすいので、余裕があれば前日に偵察して下見しておくといいと思います。
◆下部岩壁(第5尾根支稜→Dガリー)
・Dガリー大滝下からバンドをフリーで左上、尾根の左に回り込むと第5尾根支稜取付のテラス。取付~第5尾根支稜終了点まで50m1ピッチで登りましたが、途中のハイマツ等でピッチも切れます。
・Dガリーはザイルを束ねコンテで登りました。
◆横断バンド
・横断バンド開始地点には支点があり、ロープを出して横断。50mロープいっぱいのところ(ピラミッドフェースへのバンドの下のところ)に支点がありますが、ちょうどその付近は足元は酷くザレていて落石を起こしやすいので特に注意が必要です。(ロープを引きずったら落石を起こす可能性あるので注意です。)
・ブッシュ帯に入ったところでロープ束ねコンテでCガリーへ。
◆Cガリー
・ザレているので落石に注意しながら左の岩壁沿いにコンテで登る。
・登っていくと左上に赤ペンキで『4』と書かれた岩が見えまるのでそこへ向かって上がるとヒドンスラブが現れます。
◆ヒドンスラブ
・ヒドンスラブの出だしは滑りやすいが、その後は特に問題なく登れる。1ピッチ登ってハイマツで支点を取り終了、その後はロープを束ねコンテで第4尾根主稜取付へ。
◆第4尾根主稜(3級、Ⅳ+)
・雨で岩が濡れていたが傾斜は寝てるし細かいスタンスが拾えるので何とか登れる。ただ、スメアを効かしての登るところは流石に滑って登れないのでそこはA0で突破した。
・酒井くんがⅣのピッチをリードしたいと言ったので、その希望通りに登った。
・岩出・荒井組はつるべ、豊岡・河村組は豊岡全リード、進藤み・進藤ま組はつるべ?
1P クラック~スラブ(40m、Ⅳ+)(酒井リード)
・前回登った時には無かった残置ハーケンが出だしクラック下の右にあり安心感があった。クラックにフットジャム・・・マエストロミッドは足が痛くなかった♫
・1P目終了点から少し上でピッチを切ったかも・・・(2P目が短かったから。。)
2P 階段状の岩場(40m、Ⅱ)(山宮リード)
・特に問題なく登れました。
3P 緩傾斜のクラック(40m、Ⅲ)(山宮リード)
・特に問題なく登れました。
4P フェース~リッジ(30m、Ⅲ)(酒井リード)
・特に問題なく登れました。
5P 三角形の垂壁~リッジ(30m、Ⅳ+)(酒井リード)
・雨で濡れた出だしの三角形の垂壁、スメアを効かせようと頑張ってはみましたが滑りました→A0で突破。 マッチ箱上からマッチ箱コルへの20ⅿの懸垂下降
・リッジ奥の支点から50mロープ1本で懸垂下降しました。
6P 右のコーナー~カンテ上のクラック(30m、Ⅳ)(酒井リード)
・特に問題なく登れました。
・先行パーティーがいたので、6P本来の終了点より大分手前でピッチを切った。
7P カンテ(30m、Ⅲ+)(山宮リード)
・1箇所だけスメアが効かずいやらしかった(A0で突破)が、他は特に問題なく登れました。
・前回登った時には7P終了点には残置ハーケンが1つしかありませんでしたが、今回登ったらハーケンが1つ付け足され残置されてました。
8P 枯れ木テラスから城塞ハング基部へトラバース(山宮リード)
・特に問題なくトラバースできました。
9P ハングしたチムニー(40m、Ⅳ+)(酒井リード)
・滑ると怖いです。
・ホールドを探しながら登ってみましたが、足元が滑るので腕だよりのクライミングになり腕が疲れてきたので遊んでないでA0で登りました。
◆終了点~山頂
・終了点の少し上でロープを片付けクライミングシューズからアプローチシューズに履き替える。
・岩場を上がると上に向かって左上へ続く踏み跡があり辿っていくと一般登山道に合流、そこから少し歩いて山頂に到着。
★感想:
(山宮)今年の山岳会お盆山行は参加人数・力量・日程を考えて南アルプスの北岳バットレスに行くことにしました。天気予報が微妙でしたが尾根歩きだし何とかなるかなー。。と、休みが3日しかない私の都合で強行しました!しかし天気はほぼ予報通り・・・雨で濡れてた岩では快適なクライミングとはいきませんでした。自分が登ることには何の緊張感もありませんでしたが、メンバー全員が無事に登れるかどうか心配しながら登山でした。反省点は、私のいる②隊と③隊④隊とが横断バンドで離れてしまったことがタイムロスに繋がったことです。③隊が付いてくるまでしっかり待ってから先に進むべきだったと思います。 また、登る前にルート確認を徹底しておくべきでした。大所帯のCLは疲れました。
(酒井)今回は色々不安なこともありましたが無事登頂&下山できました。楽しい三日間でした。
(岩出)中央稜を継続出来ず四尾根のみとなりました。状況は悪かったですが、それでも中央稜に自信を持って取り付けなかった自分の実力不足を感じる手痛い山行でした。物足りねえ。
(荒井)中央稜も行く予定で9時には終了点に着いたのに、Cガリー覗いたらガスってて見えないし小雨だし滑るしビビってやめちゃった・・・情けない。もっと経験つんで余裕な気持ちで行けるようになりたいなぁー
(豊岡)いろいろありましたがなんとか山頂まで行けました。
(河村)貴重な体験の数々、学びも多く充実したお盆山行となりました。まだまだ着いていくので精一杯ですが、少しずつ頑張って、もっと余裕持って登れるようになりたいです。
(進藤ま)お盆山行は北岳バットレス。何て素敵な響き~。でも3000m越えの山行、しかもアルパイン。しかもしかも2泊3日のテン泊。いろいろと初めて尽くしで・・・あぁ~そうだった。私2500mを越えると高度障害の症状が出るんだけど〰大丈夫かな。。もう考え始めると不安だらけでしたが大勢でワイワイ楽しく2泊3日をあっという間に過ごせました。
※山行の詳細は後程ヤマレコにアップします。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1555963.html



























7P目をリードする進藤ま(左上)



