★山域:白峰三山(南アルプス)
★日付:2025.12.28(日)~30(火)
★天気:
12/28、晴れ
12/29、晴れ(森林限界上の稜線上は強風・平均10m?瞬間15m?)
12/30、ガス(森林限界上の稜線上は強風・平均15m?瞬間20m?)
★山行形態:山岳会山行、雪山登山
★メンバー:山宮(L)、木村(SL)、佐藤ゆ
★ルート:奈良田→池山御池小屋(小屋泊)→北岳→北岳山荘(小屋泊)→間ノ岳→農鳥小屋→西農鳥岳→農鳥岳→大門沢小屋→奈良田
★ルート状況(2025.12.30現在のものです。)
・池山吊尾根ではP2063.8m(池山付近)から雪が出てきました。
・大門沢下降ではP1600mぐらい(大門沢小屋から左岸沢沿いを下って橋で右岸へ渡ったあたりぐらい)で雪が無くなりました。
・雪区間は吹き溜るところ以外はトレースがあり楽に歩けました。吹き溜ってトレースが無くなっているところではコンパス&紙地図で進行方向を確認したり携帯のGPSで現在位置を確認したりして間違ったところへ行かないよう気をつけました。
★感想:
(山宮)12/28(日)~12/30(火)は山岳会山行で白峰三山を歩いてきました。当初計画していた北アルプスは天気が荒れそうなのでパス。天気が良さそうな南アルプスへ転進しました。軽量化に努めましたが、荷物は初日で20kgあってドン亀状態、食料が減っても最終日で18kgぐらい?・・・疲れました。人気の山域で人がちらほらいたのでトレースがあり助かりました。(オールラッセルなら3日間で下山できてませんでした。)代わりにスノーシューはただの重りになりましたが・・・ハーネス、ギア、ロープも念の為持って行きましたが使うところはなく、これまたただの重りでした。稜線上は常に強風でした。(風速10〜15mぐらい?)時々体勢を崩すような風(風速20m越え?)も吹いてましたが問題なく歩けました。最終日は大門沢下降地点までずっとガスっていて、吹き溜まり等でトレースが無くなっているところでは方向を間違えないよう確認しながらの下山でした。寒さについての装備を試せたこと(今回行動中も小屋泊中もほとんど寒さは感じませんでした。)やガスってる状況でのルーファイの実践、他にも再認識したことがあり為になった雪山山行でした。反省点としては、①大門沢小屋のすぐ上辺りの登山道で片手にストック、片手に脱いだ手袋とサングラスを持ち、歩きにくいからやっぱりサングラス付けようかと考えながら歩いていて、そこに正面に木があり左からも右からも回り込める状況で、どうしよう?右から回り込む?と考えた瞬間左足のアイゼンの紐に右足アイゼンの爪をひっかけて転んで斜面を少し落ちました。木に当たって止まりましたが余計なことたくさん考えながら(今回は2~3個の事を考えていた)の行動は危ないなと認識しました。怪我はすり傷程度で済んで良かったです。②メンバー間の確認不足で会の4人用テントを誰も持ってこなかったのですが、幸い白峰三山終了後に山に行く予定だった木村さん佐藤さんたちの個人2人用テントがあったのでそれを携行して山に入りました。(冬季小屋泊予定だったが満員だったら荷物は外で2人用テントで寝るつもりでした。)
(木村)
【転身の経緯と厳冬期白峰三山の厳しさ】
年末山行は当初、西穂〜奥穂を予定していましたが、北アルプスの荒天予報を受け、南アルプス・白峰三山縦走へと転身となりました。「転身」とはいえ、決して妥協の選択ではありません。厳冬期の白峰三山は、3,000m級の稜線における猛烈な風雪、凍傷のリスク、そして限られたエスケープルートなど、非常に高い難易度を誇ります。体力・精神力・技術・判断力のすべてが試される、真の本格冬山縦走となります。
【戦略的な軽量化と仲間への感謝】
総距離約40km、累積標高約3,700mという長丁場を攻略するため、今回は徹底した軽量化に取り組みました。厳しい気象条件を考慮しつつ、「必ず携行するもの」と「軽量化できるもの」を厳選。SLという立場に甘え、スノーバーやロープ等の重装備は、体力オバケ(!)な山宮さんと佐藤くんに割り振らせてもらいました。また、足元はスノーシュー指定のところを私だけワカンに変更し、テントのパッキング変更にも柔軟に対応してもらうなど、結果としてザック重量17kgでスタートを切ることができました。私の姑息な調整を、嫌な顔ひとつせず力強く支えてくれたお二人には、本当に感謝の言葉しかありません。
【核心部での教訓:ホワイトアウトの恐怖】
山行中、最も危機感を感じたのは西農鳥岳(3,051m)付近でした。平坦な地形ゆえにホワイトアウトで方向を見失い、予測で歩を進めてしまう場面がありました。「スマートフォンの管理(体温で保温しバッテリーを守る)」「現在地の迅速な特定」「紙地図とコンパスによる進行方向の把握」。これら「基本のき」を、風速20m、マイナス17℃という極限状態で完遂するには、さらなる習熟が必要だと痛感しました。
【装備考察:過酷な環境を生き抜くギア】
今回の山行で有効だった装備について考察します(※耐寒については個人差あり)。
・足元: スポルティバの「ネパールエボ」にスマートウールの「マウンテニアリング」を選択。ルートの2/3を占める歩きやすさを優先しました。
・レイヤリング: ベースにはドライナミック上下と厚手ウールを。汗冷えを防ぐため、化繊系はあえて避けました。
・中間着: プリマロフトのベストと、防風生地付きのオクタジャケットを状況に応じて着脱・重ね着し、保温とオーバーヒート対策を両立させました。
・バラクラバ: モンチュラの新モデル(鼻・口が空いているタイプ)を投入。アイウェアの曇り対策として、現時点での「最適解」と感じています。
・電熱線ゴーグル: 3日目に投入。視界の確保は心理的な安心感と冷静な行動に直結します。
・スリーピングシステム: 快適性優先でイスカの「エアプラス810」を選択。マットはサーマレスト(R2.0)とモンベルのエクセロフトエアパッド(R5.0)を併用し、非常に快適でした。
・グローブ: BDの「ソロイスト」と「ソロイストフィンガー」を携行。特に稜線では、フィンガーグローブが最強の暖かさを発揮しました。
【総括】
今回の年末山行は、大変有意義な経験となりました。猛烈な風雪の中でもお互いを鼓舞し合い、確かな足取りで歩みを進めてくれた山宮さんと佐藤くん。二人の並外れた体力と精神力があったからこそ、この過酷な条件下の縦走を完遂することができました。一人では到底成し得なかった山行であり、最高のメンバーと共に白峰三山の頂に立てたことを誇りに思います。雪稜は条件が厳しくなるほど、それに比例して感動もより大きくなります。クライミングも楽しいですが、こうした重厚な縦走もやはり素晴らしいものだと再確認した3日間でした。
(佐藤ゆ)初日の行動開始から1時間ほど経った地点で、手元にストックがないことに気付きました。捨てて先へ進もうかとも思いましたが、木村さんに回収を勧められ、空身で戻ることにしました。往復に約1時間を要し、反省点です。今後はストックに目印のテープを付けておこうと思います。 1日目・2日目は快晴に恵まれ、展望を楽しめました。3日目は終日視界が100mほどで、時折体を持っていかれるような強風も吹いていました。下山後に気圧配置を確認すると、気圧の谷だったようです。学生の時に行っていた「天気図を描く」「ラジオの気象概況を聞く」といった習慣の大切さを今更ながら思い返しています。北岳山荘に泊まった時点で翌日は行動せざるを得ない状況であり、入山時に「3日間は天気がもつ」と判断していたため、天気の変化をあまり気にしていませんでした。振り返ってみると、3日間重荷に苦しめられながらも、久しぶりの山登りを十分に楽しめました。
★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-9140250.html















