黒伏山南壁秋風ルート(山形県)

★山域:黒伏山南壁秋風ルート(山形県)

★日付:2025.05.24(土)

★天気:曇り時々雨がぽつぽつ(本降りにはならないので影響なし)黒伏山稜線上はガスっていて上のピッチに行くとガスの中に突入(そのせいか?上のピッチは岩が濡れているところもあった)登攀中は強風で寒かった!

★山行形態:個人山行、アルパインクライミング

★メンバー:佐藤ゆ(L)、山宮、木村ひ

★ルート状況(2025年5/24現在のものです。)

◆駐車場~黒伏山南壁中央ルンゼ取付
・駐車場P3とP4の中間にある林道を下っていくと登山口?(登山ポストがある所)があります。
・最初に渡渉が2回あり。
・渡渉後、一般登山道を歩いていき、途中(以前『南ぺキ』と書かれた木札があった場所。今回木札は見当たらなかった。また、だいぶ手前の沢型にあった『南壁』と書かれた木札も見当たらなかった。)で一般登山道から離脱して沢型を南壁方面へ向かって歩いていく。キビタキの池を過ぎて少し登ると取付に出る。

◆黒伏山秋風ルート(5.11b)(ルートグレードは参考にしたトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)

【全体を通して】
・下部ピッチの岩は乾いていて快適、上部ピッチ(7P目のブッシュ帯~)の岩は少し濡れているところもありました。
・岩は脆い部分も当然ありますが(ガバホルードやカチホールド等。浮石や落石には注意!)全体的に硬くしっかりしている印象です。
・終了点は1~8P目はハンガー2つ、9P目は木にスリングが巻いてあります。
・残置中間支点にはハンガーも多くあり思い切ってフリーで行けます。(特に下部1~2ピッチはハンガーが多かった。)
・カムが使えるところもあります。
・フリーに拘って登るならクライミングシューズはアルパイン用のフラットゆるゆるじゃなくて細かいところもしっかり立てるようなフリー用で使っているシューズで登ったほうが良いと思います!
・今回は佐藤ゆさんがオールリードでした。

【1P フェイスを小ハングを越えて直上 25m 5.10c】
・第一関節ぐらいしかかからないガバホールドが多く、朝一で指先が痛くなりました。(指の細い人はちょうどいいサイズのホールド?)
・スタンスはあるので何とかノーテンで突破。
・残置支点は豊富にありました。

【2P フェイスを直上 20m 5.11b】
・1P目に出てくるホールドより細かいホールドが2~3箇所ありそこのスタンスも細かく外傾スメアで難しかったです。無理せずA0で突破。
・残置支点は豊富にありました。

【3P カンテを左へ回り込み凹角状~小ハングを越え小ピナクルまで 30m 5.8】
・特に難しくはなかったですが、岩が少し脆かったので慎重に登りました。
・残置支点は少なかった。

【4P ブッシュ~クラックを登り、左トラバースしてから直上 40m 5.10a】
・ブッシュを越えクラック(というか灌木帯左隣の積み重なった岩?)を登る。ここは残置支点がほぼ無かった(カムで取りました)からトポでいうクラックは登ったラインよりもう少し左側の右上するクラックラインなのかな?
・上記を登ると棚になっていて、そこからハンドサイズのクラックを登り左へトラバースしてから直上。
・フォローで先行する木村ひさんが声を出していたので難しいのかな?と思いましたが難なくノーテンでクリア。
・残置支点は少なかった。

【5P フェイス直上からブッシュ帯左上 45m 5.9】
・特に問題なく登れました。

【6P フェイス左上して薄被りを直上 35m 5.10b】
・薄被り直上区間は高度感がありホールドもそれなりにありクライミングしているっていう感じ!
・動くガバやもげるカチがあるので注意!
・1箇所悪くてそこはA0で突破。
・残置支点はそこまで多くはなかった。

【7P 階段状からブッシュ 25m 5.7】
・階段状は簡単なラインを選んで登りました。
・残置支点は少なかった。

【8P 小ハング~ポケットの多いフェイスを直上 40m 5.10d】
・出だしの小ハングはA0で突破。(岩が乾いていても自分の実力じゃA0かなー)
・中間の大きなポケットのところはスタンスを両サイドにスメアでムーブ探っていましたが力尽きて残置中間支点でセルフを取って休憩。その時、真正面下に細かいスタンスを発見。そこに乗ったら大きなポケットのホールドをガバからアンダーガバに持ち変えることができすんなりクリアできました。
・残置支点はそこまで多くはなかった。

【9P 木立の中のフェイスを直上 20m 5.8】
・岩が濡れてました。

【10P 15m 歩き】
・三十路ルート8P目終了点へまでのルート状況が分からなかったので念のため佐藤ゆさんはリードで登りましたが、ロープ必要なしとの判断でフォローの2人は確保してもらわず普通に歩いて登りました。

◆下降
・三十路ルート8P目終了点から50mダブルロープ2本使用して懸垂下降7回で取付まで下降。
・三十路ルート8P目は藪漕ぎなので7P目終了点へ懸垂下降で下るのはルーファイが難しいです。(ここを下りるのか?と躊躇して右往左往したので時間がかかりました。)

★感想:

(佐藤ゆ)去年に引き続き黒伏山に行ってきました。8p目は濡れていたのでA0でしたが他はオンサイトでき、充実したクライミングとなりました。難しい箇所にはボルトがしっかりと打たれているので、クライミングに集中できました。人工時代の支点も残っているので5.11a程度が登れればなんとかなると思います、是非トライしてみてほしいです。この時期は薮も少なめなので、毎年の恒例行事となりそうです。

(山宮)佐藤さんに誘われて黒伏山南壁秋風ルートを登ってきました。佐藤ゆさんオールリードだったので気楽に登れました(笑)今回のクライミングシューズはいつものアルパイン用のフラットゆるゆるじゃなくて細かいところもしっかり立てるよういつもジムで使っているフリー用のインスティンクトVSを持っていったので細かいところも立てて快適でした!でも実力が無いのでA0は2P目(5.11b)で3回、6P目(5.10b)で1回、8P目(5.10d)で1回、テンション(残置中間支点でセルフをしてテンション)は8P目(5.10d)で1回でした。フリーをサボってて全然登れないのでもう少し頑張ってもっと実力を付けていかないと!佐藤さんから『山宮さん、手登り久しぶりですよね?』と言われて、確かに久しぶりの岩場でのクライミングだ!と思いました(笑)

(木村ひ)佐藤君の誘いで、地元の黒伏山秋風ルートへ。例年秋に登るイメージでしたが、5月でも登れると知り、整備に関わった方や過去の記録で情報を収集。特に『ロクスノ』のクロニクルで再整備後のトポを見つけ、11bを含む9ピッチの手強いルートだと判明しました。当日は寒く感じましたが、岩のコンディションは良好。一部染み出しや藪漕ぎパートはありましたが、佐藤君の登攀力のおかげで、A0を必要最小限に止めオールフォローで登り切ることができました。彼の力にはいつも感謝しかありません。下降は、ブッシュ帯から三十路ルートへ入り、懸垂下降で下山。藪で支点が分かりにくい箇所もありましたが、山宮さんのルーファイで無事切り抜けられました。約6時間でのトップアウトは順調なペース。中央ルンゼや三十路ルートより難しいながらも、冷静に対応できた登攀でした。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-8212701.html

秋風ルート取付
1P目をリードする佐藤ゆ
2P目をリードする佐藤ゆ
3P目をフォローで登る木村ひ
4P目をリードする佐藤ゆ
6P目をリードする佐藤ゆ
6P目をフォローで登る木村ひ
8P目出だしの核心の小ハング
8P目をリードする佐藤ゆ
9P目をリードする佐藤ゆ
最終Pの10P目は歩き

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。フリークライミング、クラッククライミング、アルパインクライミング、アイスクライミング、沢登り、山スキーなど幅広く活動しています。

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