★山域:滝谷クラック尾根(北アルプス)
★日付:2025.03.14(金)~15(土)
★天気:3/14 晴れ、3/15 晴れ→高曇り→クラック尾根登攀中は雪→高曇り→滝谷避難小屋から下山中は水っぽい雪
★山行形態:個人山行・アルパインクライミング
★メンバー:山宮、佐藤ゆ
★ルート状況(2025.03.15現在のものです。)
◆アプローチ
・新穂高温泉~滝谷避難小屋までのアプローチは雪道でトレースありました。トレース上の雪は締まっていてツボ足で歩けました。(携行したワカンは使用しませんでした。)
・滝谷避難小屋~クラック尾根取付はノートレースでしたが足首ラッセルぐらいで歩けました。(雪が腐らなければワカン必要なしと判断しワカンは携行しませんでした。)
・雄滝の一部分は雪が解けて水流が出てますが雪と氷の右側から登れました。
・雄滝上の右のルンゼを間違って登りました。クラック尾根末端までのアプローチと比較してここのルンゼの雪壁が一番傾斜がありました。(登り1時間、下り1時間、合計2時間のロス)
・B沢上部にの方は柔らかい雪の下の雪は硬く締まっていてアイゼンでしっかり蹴り込んでスタンスを決めて登りました。
・下山時も雪は腐ってなかったです。
◆滝谷クラック尾根(4級)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)
全体的に
・岩は氷で覆われていてトポグレードより難しく感じました。(2グレードぐらい?アップ)
・草付は凍ってないところが多く(なんでだろう?)、雪はスカスカなところが多くアックスが決まりづらく大変でした。
・ベルグラはとても硬くアックスがはじかれました。(アックスがはじかれてアックスでベルグラの下の氷をたたいたと思って氷を見たら氷は割れていませんでした。)
1P クラック尾根末端~クラック尾根と第1尾根の間のルンゼを登る~クラック尾根側壁の広い凹角?を直上してリッジ上へ(58m)(佐藤ゆリード)
・体感Ⅴ以上に感じた。
・尾根末端のあるB沢からの出だしからクラック尾根側壁の広い凹角?まではベルグラアイス。広い凹角?も凍っていて急傾斜となり凹角左側のクラック等に支点を取って登っていく。フォローの私は途中のハングしたフェースを登れず、右の傾斜の緩いベルグラアイスを登った。リッジ上へ出るところも草付が凍ってなく雪もスカスカでフッキングもしっかり決まらず悪かった。
・終了点はリッジ上の岩にカムとトライカムで構築。
2P 1P目終了点~トポ1P目取付~凹角(50m Ⅲ)(佐藤ゆリード)
・岩はベルグラで覆われているのでリードは支点に使えそうなクラックを探すのに手間取る。
・相変わらず草付は凍ってなくアックスはしっかり決まらない。
・終了点は残置ハーケン3つにカム1つで補強。
3P 垂壁を直上して右へいき次の垂壁を右上に抜けてリッジ(40m Ⅴ)(佐藤ゆリード)
・トポ2P目。
・出だしの垂壁は見た目よりは優しかった。
・次の垂壁は乗っ越すためのスタンスが右の方になく右上の雪に刺したアックスを頼りにして足ブラで這い上がろうとしたら雪が切れてフォール。2回目はアックスが決まる雪のところを探して何とか登った。
・トポにやさしいリッジと書いてあるが雪の付いたリッジはスタンスが微妙で悪かった。
・終了点はカム1つにトライカム2つ
4P ピナクル左のフェースを登ってピナクルを左から回り込みクライムダウン~細リッジ(40m Ⅲ)(佐藤ゆリード)
・トポ3P目。
・出だしは問題なし。
・ピナクルを左から回り込むとリッジへクライムダウンとなる。悪るかった。
・リッジは細く雪が崩れないか冷や冷やしながら歩く。悪かった。
・終了点は残置ハーケン3つ
◆クラック尾根からB沢までの下降
・4P終了点に捨て縄と捨てビナをセットして第1尾根側のルンゼ雪面上へ懸垂下降で下りました。懸垂下降後も雪のルンゼは傾斜があり場所によって雪の状態が悪かったのでラインを選びながらクライムダウン、途中凍ったナメ滝部分もフリーでクライムダウン。B沢へ下りる最後のところは凍っていて悪く見えたので1P目で登った凹角の少し下の岩にハーケン2枚を打ち残置して懸垂下降でB沢へ下りました。
★感想:
(山宮)佐藤ゆさんとアルパインクライミング!候補に挙げたルート3つの中から佐藤ゆさんがクラック尾根をチョイス。金曜に仕事休んで2泊3日予定でチャレンジしてきました。滝谷避難小屋までのアプローチはトレース上の雪が締まっていて歩きやすかったです。滝谷避難小屋~クラック尾根取付もノートレースでしたが足首ラッセルぐらいで歩けました。雪崩の心配はありませんでした。滝谷避難小屋からクラック尾根末端までの登りが長くて体力消耗、最近山に入る回数が少なくトレーニング不足の自分にはつらかったです。クラック尾根1P目をフォローで登ってみて『これはリードしたらヤバい、どこかでフォールする気がする、最悪佐藤ゆさんを巻き添えにしてしまう。』と佐藤ゆさんに伝え、今回は全て佐藤ゆさんにリードをお任せしました。(トポではⅢ級となっていましたが氷に覆われた岩は難しく体感2グレードぐらいアップに感じました。)雄滝上の右のルンゼを間違って登ってしまい2時間ロス、クラック尾根はベルグラで支点に使えそうなクラックを探すのに手間取り登攀に時間がかかる、4P目終了点で右下に見えたクラック尾根と第1尾根の間のルンゼ雪面へは下りやすそう(60mダブルロープ2本の1回の懸垂下降でB沢へは届かなそう)この先に進んで途中敗退できるところがあるのか?雪が降ってきていてルート上でのビバークは厳しいので北穂小屋までは上がりたいけど・・・暗くなるぐらいでトップアウトできる?リード任せている佐藤ゆさんは体調が悪い、と理由を上げればたくさんありますが単に弱かっただけ!今回は4P目終了点で敗退、下山となりました。4P目終了点からB沢のクラック尾根末端までの下山も簡単ではなかったです。2日目は登攀して滝谷避難小屋泊、3日目に滝谷避難小屋から新穂高温泉へ下山予定でしたが3日目は天気が崩れる予報だったので2日目に新穂高温泉まで下山しました。今回のようなコンディションでも登れる技術が身に付けばまたチャレンジしたいと思います。
(佐藤ゆ)登りごたえのあるミックスクライミング!1p目から難しく、支点崩壊でパーティ全滅にならないように何回もテストしました。4pしか登れませんでしたが面白く良いルートと思います。
※山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7907026.html













