錫杖岳_2/22前衛フェースP4のチムニールート1P~チムニールート右1P、2/23注文の多い料理店2P目まで、2/24左方カンテルート6P目まで(北アルプス)

★山域:錫杖岳_2/22前衛フェースP4のチムニールート1P~チムニールート右1P、2/23注文の多い料理店2P目まで、2/24左方カンテルート6P目まで(北アルプス)

★日付:2025.02.22(土)~24(月)

★山行形態:個人山行・アルパインクライミング

★参加メンバー:山宮、佐藤ゆ、木村

★ルート状況(2024.02.24現在のものです。)

【1日目、2/22 前衛フェースP4チムニールート~チムニールート右】

◆笠ヶ岳クリヤ谷ルート登山口~クリヤ岩舎
・薄いトレースありました。トレースラインの雪は締まっていてツボ足でほとんど踏み抜きなく歩けました。
・渡渉箇所が1個所あります。
・クリヤ岩舎でテント泊。

◆クリヤ岩舎~前衛フェース
・3連休初日はノートレース。スノーシューで登っていきました。(多数入山していて初日下山時はトレースができました。)

◆チムニールート(3級)・チムニールート右(?級)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)

1P チムニールートの1P目(山宮リード)
・スタート地点からラッセルしてチョックストーンのあるチムニーへ。チムニー内は凍っていてアイスクライミングでした。
・中間支点はチムニー基部のアイス出だしで10cmアイススクリュー1本、中間にカム1つ、上部で13cmアイススクリュー1本を使用。(アイスパートじゃないと思い佐藤ゆさんのアイススクリュー2本をもらってこなかったので仕方なく手持ち2本で登りました。)
・終了点はチョックストーン抜けた後の二股の右上に見えた灌木にスリングで構築。(岩壁にカムで終了点構築できる?雪掘りしてる余裕なく灌木を目指しました。ロープスケルは55m)

2P チムニールート右の?P左の凹角ライン(佐藤ゆリード)
・チムニールート右の?Pのラインは薄い氷の溝ラインでアイススクリューがあれば快適なのか?リードの佐藤ゆさんは支点の取りやすそうなその左の凹角ラインを登ってました。
・バック&フット等を駆使しながら登れる面白いラインでした。中間支点はカムで豊富に取ってました。
・終了点は灌木にスリングで構築。

◆下降
・2P目終了点からチムニールート右を懸垂下降2回で下りました。

【2日目、2/23 注文の多い料理店】

◆クリヤ岩舎~前衛フェース
・3連休初日はノートレース。スノーシューで登っていきました。(多数入山していて初日下山時はトレースができました。)

◆注文の多い料理店(4級)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)

1P トポ1P目の階段状(30m Ⅳ)~トポ2P目のフレーク状クラック~フェイスを右上(20m 5.8)(山宮リード→佐藤ゆリード)
・トポ1P目めの階段状は雪で半分以上?埋まっていました。
・スラブっぽい岩はフッキングしづらく凍った草付を頼りに登りましたがまともな支点が取れない中でそのまま登っていくことにリスクを感じ佐藤ゆさんとリード交代しました。(後で見たらもう1段上がってトラバースしたら1P目終了点のある草付テラスだったみたいです。雪に埋まってて終了点も見えてなかったのでわからなかったですが・・・)
・トポ2P目のフレーク状クラックは出だしがワイドで悪かったです。(カムA0で上がりました。)後半のクラックはニージャムが使えたしフォローなので快適でした。フェイスはドラツーでしたがフォローなので楽しめました。

◆下降
・2P目終了点から懸垂下降1回で取付まで下りました。

【3日目、2/24 左方カンテルート】

◆クリヤ岩舎~前衛フェース
・3連休初日はノートレース。スノーシューで登っていきました。(多数入山していて初日下山時はトレースができました。)

◆左方カンテルート(4級)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)

1P ルンゼ(40m Ⅲ)(佐藤ゆリード)
・ほぼラッセル。
・終了点は灌木にスリングで構築。(少し上にハンガー2つの終了点がありました。)

2P ルンゼ(40m Ⅳ)(佐藤ゆリード)
・中間の少し立った岩が核心かな?
・ルンゼ抜け口手前の右上の雪にアックスを刺して登ろうとしたら雪が切れてフォールしました。フォローだからと気を抜きすぎでした。
・終了点はハンガー2つ

3P ピナクルの頭から左上フレーク(30m Ⅴ)(佐藤ゆリード)
・左上フレークまではプロテクションが取りづらそうでした。左上フレーク後もプロテクションが取りづらそうで悪いピッチでした。
・A0、テンションとフォローでもボロボロでした。
・終了点はハンガー2つ

4P 雪のバンド~チムニー(30m Ⅳ+)(山宮リード)
・出だしのチムニーは除雪が大変でした。
・出だしのチムニーは狭くて身体が入らずザックをハーネスから吊るして登りましたが除雪するとザックに雪が乗り重く感じました。
・出だしのチムニーの側壁には薄い氷が張っていてアイスクライミングでした。左足を岩にステミングして登りましたが左足が外れフォールしました。(#4のカムがしっかり効いていて問題なかったです。自分のカムセットで落ちたのはこれが初?)
・中間支点はカム2つとアイススクリュー2本(ここも初日同様ランナウト状態で登りました。)
・終了点は夏に登ったことがなく位置がわからなかったので雪掘りせずに右に見えた大きな灌木にスリングで構築。

5P チムニー左のフェース~カンテ状(40m Ⅳ+)(佐藤ゆリード)
・チムニー側壁の除雪が大変そうでした。除雪すると氷が見えましたが上の方まで登って除雪して氷が無かったら大変だったと思います。
・チムニー側壁は薄い氷が張っていてアイスクライミングでした。4P目出だしのチムニーよりは狭くなく登りやすかったです。
・カンテ状は雪たっぷり。
・終了点はハンガー2つ

6P かぶった凹角~大チムニー~クラックの乗ったフェース(40m Ⅴ+)(佐藤ゆリード)
・クラックの乗ったフェースまでは問題なく登れました。
・クラックの乗ったフェースに乗り上がるのが悪かったです。クラックはトルキングしづらく、クラック内の雪氷にアックスは効かずクラック内下に草付も無く手がかりゼロ。スタンスは左のクラックにフットジャムを決めたりステミングしてみたりしましたがいまいち・・・乗り上がるフェースの後ろを見るとトルキングできるクラックがあったのでそこを頼りに身体を上げましたがあと少しのところでバランスを崩してしまいフォールしました。フェースに乗ってからはフォローなので快適なフッキングで登れました。中間支点の回収はアックスが邪魔だったのでテンションもらって回収しました。
・終了点は灌木にスリングで構築。(6P目終了点を探して佐藤ゆさんは除雪したようですが発見できなかったそうです。)

◆下降
・6P終了点から懸垂下降2回で取付まで下りました。(2回目の懸垂下降支点は注文の多い料理店3P目終了点のある水平テラス。)

★感想:

(山宮)クリヤ岩舎までは荷物が重かったですがトーレースラインを外さなければツボ足でもほとんど踏み抜きなく歩きやすかったです。初日は時間もないし簡単そうなP4のチムニールートへ行きましたが雪多め、ルートミス等で2Pしか登れませんでした。チムニールート1P目はアイスパートでした。手持ちスクリューが2本しかなかったですが落ちるような氷ではないのでランナウトして登りました。1P目終了点を二俣から右へ少し上がった灌木で取ったのでチムニールートを登るには二俣までクライムダウンしなければならないのですが、クライムダウンが悪そうなのでそのままチムニールート右の適当なところを登りました。チムニールート右の冬季正規ラインではなさそうな凹角ラインで面白かったです。注文の多い料理店はトポ1P目~2P目をリードでトライしましたがまともな支点が取れない中でそのまま登っていくことにリスクを感じ早々に佐藤ゆさんとリード交代しました。(後で見たらもう1段上がってトラバースしたら1P目終了点のある草付テラスだったみたいですが、雪に埋まってて終了点も見えてなかったのでわからなかったです・・・分かっていればもう少しリード頑張れたかなー?)今後を踏まえてナチュプロ技術をもっと向上させたいです!!トポ2P目終了点で木村さんギブアップとここまで時間が掛りすぎていたので核心のトポ3P目をどうするか話し合いましたが登らず下山することにしました。(翌日左方カンテルートを登って注文の多い料理店を見ながら懸垂下降しましたが、雪だらけで除雪が大変そうでした。)左方カンテルートは夏に登ったことがなく簡単そうな1P目は暗くてわからなかったので佐藤ゆさんにリードしてもらいました。そのまま2P目も佐藤ゆさんにリードしてもらい3P目からリードするはずでしたが、見るからに悪そうな3P目を見て2P目でフォールしたのもあり引き続き佐藤ゆさんにリードしてもらいました。3P目はフォローでもA0、テンションとボロボロでした。4P目はリードしましたが出だしのチムニーは除雪が大変でした。出だしのチムニーの側壁には薄い氷が張っていてアイスクライミングでしたが、左足は岩にステミングして登っていくと左足が外れフォールしました。(#4のカムがしっかり効いていて問題なかったです。自分のカムセットで落ちたのはこれが初?)5P目は4P目で疲れ果てていたので佐藤ゆさんにリードをお願いしましたが、4P目より登りやすかったです。6P目は難しかったのでフォローで良かったです。全体を通してナチュプロ経験が少なく技術が甘々なのでリードすることに躊躇いがありますが、ガンガン登って技術向上とメンタルを磨いていきたいと思います。

(佐藤ゆ)3日目の左方カンテ6p目で何年かぶりにアルパインでフォール。バックアンドフットで登っていたが、体をあげすぎて足のつっぱりが効かなくなり滑った。直前で決めていた5番もセットが甘かったのか、抜けた。プロテクション技術、落ちない登り等大いに反省します。リードはフッキングが連続するとついつい躊躇って遅くなる面が多々あり。毎週このようなクライミングをして感覚を養うしかないと思われます。軽量化のためにタイツしか履いてなかったら結構冷えたので、次回以降は何かしら追加で履きたい。プロテクションはルンゼやフェースに至る所に氷が張ってたので、短めのスクリューがもう少し必要。

(木村)計画していた、P4チムニールート~チムニールート右、左方カンテ、注文の多い料理点の3ルートを登攀し、冬期クライミングの厳しさと奥深さを改めて実感しました。積雪量や氷結状況など、不確定要素が多い冬期クライミングでは、総合的なスキルが求められます。今回は、経験豊富な先輩方にサポートしていただき、何とか登り切ることができました。しかし、先輩方の技術と経験に頼るばかりで、自身の力不足を痛感しました。今後は、より一層技術を磨き、頼れるクライミングパートナーとして、再びこの地に挑戦したいです。寒気の影響で、待機中はビレイパーカを着込んでいても震えるほどの寒さでした。レイヤリングをはじめとする寒さ対策も、今後の重要な課題です。3連休ということもあり、錫杖岳には多くのクライマーが訪れていました。特にアイスルートは人気が高く、そのバリエーションの豊富さに感銘を受けました。来シーズンは、ぜひアイスルートにも挑戦したいと思います。今回の経験を通して、冬期クライミングの魅力と課題を深く認識することができました。今後も、安全に留意しながら、技術向上を目指して精進していきます。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7849378.html

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7849392.html

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7849398.html

2/22、笠ヶ岳クリヤ谷ルートを登ってクリヤ岩舎へ
クリヤ岩舎
テント幕営
クリヤ岩舎から前衛フェースへのアプローチ
チムニールート1P目を登る佐藤ゆ
チムニールート右をリードする佐藤ゆ
チムニールート右の凹角ラインを登った
チムニールート右の凹角ラインを登る山宮
チムニールート右の凹角ラインを登る木村
2/23、前衛フェース3ルンゼと2ルンゼを通り越していく
前衛フェース1ルンゼも通り越していく
注文の多い料理店トポ1P目をリードする山宮
注文の多い料理店トポ1P目~2P目をリードする佐藤ゆ
注文の多い料理店トポ2P目を登る木村と山宮
2/24、左方カンテルート2P目をリードする佐藤ゆ
左方カンテルート3P目をリードする佐藤ゆ
左方カンテルート4P目を登る木村目線
左方カンテルート5P目をリードする佐藤ゆ
左方カンテルート2P目を登る木村
左方カンテルート2P目を登る木村目線
左方カンテルート6P目をリードする佐藤ゆ
左方カンテルート6P目をリードする佐藤ゆ
左方カンテルート6P目を登る木村
左方カンテルート6P目の終了点にした灌木から7P目を見上げる
懸垂下降1回目
懸垂下降2回目で注文の多い料理店の取付まで下山完了

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。フリークライミング、クラッククライミング、アルパインクライミング、アイスクライミング、沢登り、山スキーなど幅広く活動しています。

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