一ノ倉沢本谷~4ルンゼ(谷川岳)

★山域:一ノ倉沢本谷~4ルンゼ(谷川岳)

★日付:2024.10/20(日)

★天気:雨が降ったり止んだり(国境稜線はずっとガスっていたが西黒尾根を下山する夕方には晴れた)

★山行形態:個人山行・沢登り

★メンバー:山宮(L)、佐藤

★ルート状況(山宮の個人的な感想で2024年10/20現在のものです。)

【全体的に】
・前日の雨で水量が多く難易度アップ?
・岩のヌメリはそれほど感じませんでした。
・岩は指先の感覚が無い状態で登る感じでした。
・シャワーはとてつもなく寒かったです。
・ロープは幻の大滝と4ルンゼF4の2箇所で出しました。それ以外はフリーで登りましたが水流が多く厳しめ滝が4ルンゼには何回かありました。フリーで落ちたら最悪アウトなので注意が必要です!(佐藤さんに最初の4m2条の滝でお助けを出してもらいましたが、ここをノーテンで登ったらこれ以降お助けは出なくなりました・・・)

【一ノ倉沢出合~テールリッジ基部横の沢床】
・一ノ倉沢出合に着くとまだ暗く外は風と小雨で寒いので一ノ倉沢避難小屋で準備しました。2021年の2月に使ったときは小屋内は荒れた感じでした快適空間に変わっていました。
・出合からヒョングリ滝までは水に浸かる事もなく問題なく歩けました。
・ヒョングリ滝は水量激しく水線は登れそうにないので右岸から大高巻き(夏道)。一度大高巻きに入ると沢に下りれないのでそのまま登り懸垂下降支点からテールリッジ基部横の沢床へ懸垂下降で下りました。

【テールリッジ基部横の沢床~幻の大滝】
・テールリッジ基部横の沢床の次の滝は右岸を巻いて通過しますが、ここの巻きは少し悪いので注意が必要です。(スリップ滑落したら場合によってはアウト!)
・V字の深い淵は突っ張りで突破。
・スラブを適当に登っていき二ノ沢出合を過ぎると幻の大滝が現れます。

【幻の大滝】
・水流激しくとても直登する気にはなれない状況でした。(佐藤さんは水少なければ直登を考えてたようです。)
・セオリー通り左壁から登りました。(壁は濡れてましたが沢登りだから気にしない。)
・リード佐藤さん曰く『冷たさで手の感覚が無くなり思いっきりいけず時間かかりました。』とのこと。リード30~40分ぐらいかかる。
・終了点は残置ハーケンにハーケン1枚、カム1つを足して構築。

【幻の大滝~中央バンド】
・幻の大滝の上の滝を左から登ろうとスラブをどんどん登りましたが上は詰まるし右へのトラバースが悪そう・・・佐藤さんのトポでは右からとなっていたのでだいぶ下(中段の水流弱いときは横切れそうなバンドより下)まで下りてから水流を横切り右へ移動して階段状を登りました
・その後のスラブを適当に登って滝沢スラブと滝沢本谷から落ちる滝を越えると中央バンドに着きます。

【中央バンド~ドーム状どん詰まり(4ルンゼ)】
・F滝は左のルンゼから右上して右へトラバースして沢床へ
・F1は直登。4m2条のシャワーあり。
・3ルンゼ出合を越えるとF2。ここもシャワーで直登。
・F3はどれか分かりませでしたがF4まで水線を登りました。
・F4は山宮リード。F4は右壁を登り階段状クラックを登ってから左にトラバースし落ち口へ。落ち口から上への突破は水流激しく難儀しました。指先の感覚がない状態で岩を持ち足を上げようとしましたが左足のスタンスが滑りズリ落ちました。同じムーブで再チャレンジするもやはり滑るので諦めて残置スリングに左足A1、右足を良いスタンスに置けて突破しました。リード30~40分ぐらいかかる。(落ち口は残置は豊富でした。)終了点はカム2つで構築して残置リングボルト1つをバックアップとして使用。
・F4後の小滝群は寒いので水線シャワーを避けて右岸を登りました。
・F5は水線直登せず左岸から登りました。
・F5後にしばらく登るとドーム状どん詰まりに着きます。

【ドーム状どん詰まり~一般登山道合流地点】
・しばらく細い水線沿いに登っていき藪に突入。熊笹や灌木は霧氷で凍っていて冷たかったです。藪で出だしは傾斜もあるので手を離すとズリ落ちるので冷えた手でしっかり握ってました。

【一ノ倉岳~西黒尾根登山口】
・一般登山道に合流した時は風があり寒かったですが快適な一ノ倉岳避難小屋で片付け着替えが終わる頃には風も弱まり少しはマシになりました。
・今回は上だけは着替え(ファイントラックのアンダーレイヤーにノースのインサレーションジャケット、少し湿ったモンベルのダウンも着てその上にマーモットのレイン上。)を持ってきたので避難小屋で着替えると少しは落ちつきました。
・替えの手袋は無く(ビレイグローブを持ってきてましたが濡れてて使えませんでした。)指先は冷えました。
・先日の縦走で左足首を捻っているのと(今回も西黒尾根で1回捻った。)安物のアプローチシューズのソールでは滑りまくるので下山には時間が掛りました。体力の有り余っている佐藤さんを待たせる羽目になりました。
・一ノ倉岳から西黒尾根登山口までは一般登山道なので特に問題なく歩けます。

★感想:

(山宮)今年は2~4ルンゼのうちどれか一つを登ろうと思っていた。6月の南稜~国境稜線を登った時に岸畑さんと『上から見ると4ルンゼは寝てるねー。秋は4ルンゼを登りますか!』と約束をした。約束した岸畑さんは寒いのはパスと今回は参加しなかったが会の若手佐藤さんはやる気満々。前日雨で水量多め、当日気温が低く厳しくなりそうだけどとりあえず行くことにした。車を走らすと新潟の湯沢は雨でした。関越トンネルを抜けると晴れいて道路は乾いていましたが風が強かったです。『風は冷えた体には大敵だねー』とSさんと雑談しながら駐車場に着き、一ノ倉沢出合から沢登りになるので一ノ倉沢出合で準備して明るくなる時間に合わせて出発。いつもより遅めのスタートで少し仮眠できてスッキリしました。一ノ倉沢出合で水量はいつもより多く、遠くには滝沢スラブ、滝沢、4ルンゼから落ちる白い水線が見えて明らかに厳しいとは思いましたが、とりあえず行ってみようと遡行開始しました。(ある程度登ったら水量多くて無理→敗退になるかなーと思ってましたが結局最後まで登りました。)ロープを出さないところでも悪いところは何回か出てきて落ちたら最悪アウトなので緊張感はありました。指先がかじかむとネットのこの時期の記録ではよく見ますがかじかむどころではなく感覚がない状態での滝登りでした。幻の大滝でA0を1回、4ルンゼF4でA1とA0で落ち口突破しました。トポは日本の岩場を使用しましたが、図はF滝~F5滝まで1本線が引いてあるだけで文章にF4は左右ルートあるが通常は右。とかぐらいしか書いてないのであまり参考になりませんでした。忙しく下調べもほとんどしてなかったので佐藤さんのトポの指示を頼りに現場で右か左か直かを見極め登っていきました。(シャワーが寒くて嫌でも巻きが悪そうならシャワー選択しました。)ドーム状どん詰まりに着き、後は藪漕ぎだけかと思ったのに熊笹や灌木が凍ってい悪夢でした。最悪の藪漕ぎでした。こんな天気だったので他パーティーは当然いませんでした。こんな日に沢登りはしたくないものですが・・・佐藤さん曰く『こーゆー山行を月一でやらないとダメです!滝谷1dayだって夜出て夜下山するじゃないですかー』だって(笑)年寄りはいたわりましょう!!反省としては2つ。一つ目は夏用沢服(ミレーのあみあみと安物速乾性ある?の上着に15年もののペラペラモンベルレイン上、下はワークマンタイツに海パン。グローブは何枚数百円の作業用手袋を指ぬき仕様にしたもの。靴下はモンベルのネオプレン。)で行ったら寒かった。上レインは袖口をテープで閉めて水侵入を防ぐべきでした。(シャワーの時寒かったです。)下レインは持ってこなかったがSさんが履いてたのを見て『今日、それはありだなー』と思いました。(足の裾口はテープで閉めていました。)2つ目は凍った熊笹や灌木の藪漕ぎは指先が凍傷になりかけました。テムレスがあれば良かったと思いましたが沢登りにテムレス持っていかないよねー(笑)

(佐藤)幻の大滝をリードしましたが、濡れていたので、ガバハイステップ系で快適とは感じませんでした。F4大滝は山宮会長がシャワーの中で粘って抜けてくれました。気温は低めでしたがファイントラックの下着を導入したので行動していれば我慢できるくらいでした。最後の詰めの藪漕ぎでは、笹藪が凍っており指が凍傷になるかと思いました。下山も長く、久しぶりにくたくたになりましたが、充実した山行になりました。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7394211.html

ヒョングリ滝は水線突破するには厳しそうなので右岸から巻きました
高巻き中に見えた滝沢スラブ、滝沢本谷、一ノ倉沢本谷(4ルンゼ)から落ちる白い水線
懸垂下降でテールリッジ基部横の沢床へ下降
落ちたらアウトの悪い右岸の巻き
スラブの岩は濡れてるが沢登りだから気にしない(笑)
幻の大滝へ
水流激しい幻の大滝
セオリー通り左壁から登る
スラブを登っていく
F滝は左のルンゼから右上し右へトラバースして沢床へ
4ルンゼ突入。ここからF1かな
4m2条をシャワークライミング
F2になるのかな?ここもシャワークライミング
F3かな?(この後に核心のF4が出てきますが写真撮り忘れ・・・残念)
F4の後のこの小滝群は寒いので水線シャワーを避けて右岸を登る
F5は水線直登せず左岸から登る
F5以降は適当に登り詰めていく
ドーム状のどん詰まり
ドーム状どん詰まった右へ詰めていく
藪漕ぎを終えて一般登山道に合流
一ノ倉岳避難小屋は快適でした
霧氷
西黒尾根を下る

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。フリークライミング、クラッククライミング、アルパインクライミング、アイスクライミング、沢登り、山スキーなど幅広く活動しています。

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