★山域:黒伏山南壁中央ルンゼルート(山形県)
★日付:2024.07.13(土)
★天気:薄曇り
★山行形態:山岳会山行、アルパインクライミング
★参加者:山宮(L)、木村、佐藤
★ルート状況(2024年7/13現在のものです。)
◆駐車場~黒伏山南壁中央ルンゼ取付
・駐車場P3とP4の中間にある林道を下っていくと登山口があります。
・最初に渡渉が2回あり。(最初の渡渉箇所に7/14の登山道草刈りのために梯子と板で簡易的な橋が設置されてましたが7/14の下山時には撤去されてました。)
・一般登山道を南壁方面へ向かって歩いていくと途中に木に取り付けられた『南ぺキ』と書かれた木札があるのでそこから一般登山道を離脱して南壁へ向かう。(木札は2つあり最初の『南壁』はスルーして次の『南ぺキ』を右に曲がり南壁側へ。)
・中央ルンゼの取付は草が刈ってあって快適でした。(草刈された方、ありがとうございます。)
◆黒伏山中央ルンゼルート(4級 V+、A1(5.10b))(ルートグレードは参考にした昔のトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)
【全体を通して】
・全体的に岩が濡れていました。
・岩が脆い部分がありました。浮石や落石には注意してください。(トポ9P目で落石ありました。)
・各ピッチの終了点はしっかりしてました。(ヤマレコの写真参照。)
・A1区間は残置支点がたくさんあります。Ⅲ程度の区間は中間支点はほとんどありません。カムは使えるところもあるので#0.4~2.0まで1セットあるとあると安心です。
・最新のトポではピッチグレードにA1と書いてなく5.8や5.10a、510bと書いてありますが岩の脆いところではフリーに拘るより昔のトポの通りA1で登ったほうが無難だと思いました。(アブミ各自2本持っていきました。)
・フリーに拘って登るならクライミングシューズはアルパイン用のフラットゆるゆるじゃなくて細かいところもしっかり立てるようなフリー用で使っているシューズで登ったほうが良いと思います!(私はアルパイン用に使っているのフラットというか逆に反っているゆるゆるシューズで登りました。)
【1P ハング間の凹角 30m Ⅴ+】(佐藤リード)
・出だしの岩は濡れていましたが登攀にはほとんど影響なし。
・1箇所だけムーブが分からずA0で突破、それ以外は快適に登れました。
・残置支点は豊富にありました。
【2P スラブ 30m Ⅲ】(佐藤リード)
・左に出てから右上。
・特に問題なく登れました。
・簡単なピッチなので残置支点はほぼ無し。
【3P フェースを右上~直上~左へ抜ける 40m A1(5.8)】(木村リード)
・トポではA1(5.8)ですが、右上はフリー、直上~左へ抜けるところでフェースがつるつるでステンスのないところはA0で登りました。(後日木村さんが知人に聞いたところ、スタンスの岩が落ちて難しくなっているとの事です。)
・残置支点は豊富にありました。
【4P スラブを右上 50m Ⅲ】(木村リード)
・特に問題なく登れました。
・簡単なピッチなので残置支点はほぼ無し。
【5P トポ5P目 逆層スラブ 18~20m Ⅲ+、トポ6P目 右側の壁に登ってから右壁沿いの階段状を登る 35m Ⅳ+】(山宮リード)
・トポ5Pと6P目は繋げて登りました。6P目終了点まであと2~3mのところでロープがいっぱいとなりビレイヤーに少し登ってもらい終了点へ(トポで20+35=55mなら50mロープで足りないですよね・・・5P終了点でしっかり切るべきだった。)
・トポ6P目は岩が濡れていましたが1箇所ヌメっていたところをA0で突破した以外はフリーで登れました。
【6P トポ7P目 垂壁を直上~階段状のフェースを直上 25~30m A1(5.8)】(山宮リード)
・最新のトポでは5.10b。
・垂壁はフリーで登るなら剥がれそうなフレークを使って登るのが弱点ラインに見えますが、残置支点は剝がれそうなフレークから遠ざかった右端よりにあるのでつるつるでスタンスのない右端よりの垂壁をA1で登りました。
・階段状のフェースは残置支点がほとんどありませんが難しくないのでフリーで登れます。
【7P トポ8P目 垂壁~階段状のフェース~垂壁 25~40m A1(5.8)】(佐藤リード)
・最新のトポでは5.10a。
・出だしと後半の垂壁をA1で登りました。中間の階段状のフェースは難しくないのでフリーで登れます。最後の終了点へ上がるところはA0で登りました。
【8P トポ9P スラブ 15~20m A1(5.10b)】(佐藤リード)
・最新のトポでは5.10b。
・終了点から右に出て直上。A1で登りました。(出だしのつるつるでスタンスのないところと中間の1箇所次のホールドが遠いところ以外はフリーで登れそうでしたが無難にA1でw)
・残置支点は豊富にありました。
・このピッチは岩が脆い印象がなかったのですが、2番手の木村さんが登攀中に小型冷蔵庫ぐらいの落石を起こしました(石に触っただけで剥がれたらしいです。)が幸いにもこのピッチは右に移動してから直上するラインで3番手の私はまだ木村さんの直下にいなかったので被害はありませんでした。(この日は貸し切りで後続パーティーもいなかったので被害はなかったですが、仮に後続パーティーがいたら危なかったと思います。)
・ここから稜線への草付100mは登らず、ここで登攀終了としました。
◆中央ルンゼ終了点(8P目終了点)~中央ルンゼ取付
・同ルートを50mロープ2本で6回の懸垂下降で下りました。
①8P目終了点から7P目終了点まで
②7P目終了点から6P目終了点まで
③6P目終了点から5P目終了点まで
④5P目終了点から4P目終了点まで
⑤4P目終了点から3P目終了点まで
⑤3P目終了点から1P目終了点まで
⑥1P目終了点から取付まで
★感想:
(山宮)中央ルンゼは今回で2回目でした。A1やA0で登る箇所が多く全体的に岩が濡れていて快適に登るというより作業をこなす感じのクライミングでした。
(木村)梅雨のリスケで南東北へ転身。思わぬ機会に恵まれ地元のビッグウォールへのチャレンジとなりました。読みが当たり両日とも薄曇りで登攀中、雨に当たることは有りませんでした。梅雨時期とあって風の踊り場以降、ルンゼ地形のため染み出しで岩が濡れているコンディションでした。3、4ピッチをリードさせてもらいました。3ピッチ目、直上より真左にしっかりとした終了点がありましたが、あまりにもロープの流れが不自然なため違うルートのものかと勘違いして通り越してしまい、RCCが3本打たれた怪しい終了点でピッチを切ってしまいました。8ピッチ目、ルート上の岩に手を掛けたところ、落石を起こしてしまいました。ルートから外れた岩には触らないように心がけていたのですが、ルート上であっても慎重に探ってから荷重をかけるべきでした。後続パーティーもなく大事に至らなくて何よりでした。
(佐藤)全体的に濡れていてフォローでもかなり緊張しました。
★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7030210.html




















