黒伏山南壁三十路ルート(山形県)

★山域:黒伏山南壁三十路ルート(山形県)

★日付:2024.07.14(日)

★天気:薄曇り

★山行形態:山岳会山行、アルパインクライミング

★参加者:山宮(L)、木村、佐藤

★ルート状況(2024年7/14現在のものです。)

◆駐車場~黒伏山南壁中央ルンゼ取付

・駐車場P3とP4の中間にある林道を下っていくと登山口があります。

・最初に渡渉が2回あり。(最初の渡渉箇所に7/14の登山道草刈りのために梯子と板で簡易的な橋が設置されてましたが7/14の下山時には撤去されてました。)

・一般登山道を南壁方面へ向かって歩いていくと途中に木に取り付けられた『南ぺキ』と書かれた木札があるのでそこから一般登山道を離脱して南壁へ向かう。(木札は2つあり最初の『南壁』はスルーして次の『南ぺキ』を右に曲がり南壁側へ。)

・中央ルンゼの取付は草が刈ってあって快適でした。(草刈された方、ありがとうございます。)

◆黒伏山三十路ルート(4級上 V、A1(5.10b))(ルートグレードは参考にした昔のトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)

【全体を通して】

・岩は乾いていて快適でした。

・岩が脆い部分がありました。浮石や落石には注意してください。(トポ10P目で岩がもげました。もげた岩は落ちないところに置いておきました。)

・各ピッチの終了点はしっかりしてました。(写真参照。)

・残置中間支点にはハンガーも多くあり思い切ってフリーで行けます・・・佐藤さんのようなツワモノはですがw

・A1区間は残置支点がたくさんあります。Ⅲ程度の区間は中間支点はほとんどありません。カムは使えるところもあるので#0.4~2.0まで1セットあるとあると安心です。

・最新のトポではピッチグレードにA1と書いてなく5.8や5.10a、510bと書いてあります。フリーを楽しめるピッチもありますが、辛めグレードのピッチもあるのでA1も駆使して登ったほうが無難だと思います。(アブミ各自2本持っていきました。)

・フリーに拘って登るならクライミングシューズはアルパイン用のフラットゆるゆるじゃなくて細かいところもしっかり立てるようなフリー用で使っているシューズで登ったほうが良いと思います!(私はアルパイン用に使っているのフラットというか逆に反っているゆるゆるシューズで登りました。)

【1P ハング間の凹角 30m Ⅴ+】(木村リード)

・1箇所だけムーブが分からずA0で突破、それ以外は快適に登れました。

・残置支点は豊富にありました。

【2P スラブ 30m Ⅲ】(木村リード)

・左に出てから右上。

・特に問題なく登れました。

・簡単なピッチなので残置支点はほぼ無し。

【3P フェースを右上~直上~左へ抜ける 40m A1(5.8)】(木村リード)

・最新のトポでは5.8

・トポではA1(5.8)ですが、右上はフリー、直上~左へ抜けるところでフェースがつるつるでステンスのないところはA0で登りました。(後日木村さんが知人に聞いたところ、スタンスの岩が落ちて難しくなっているとの事です。)

・残置支点は豊富にありました。

【4P スラブを左上~フェース~カンテ 40m Ⅳ-】(木村リード)

・トポ4P目の前半、スラブを左上したところに良い終了点(ここの終了点は青い残置スリングがあり見つけやすいです。)があるのでそこでピッチを切りました。後半のフェース~カンテを繋げて登ったも良かったかも・・・ロープスケルは覚えてませんが50mロープで5P目と繋げて登れると思います。グレードはⅢ程度かな。

・特に問題なく登れました。

・簡単なピッチなので残置支点はほぼ無し。

【5P スラブを左上~フェース~カンテ 40m Ⅳ-】(佐藤リード)

・トポ4P目の後半、フェース~カンテを登る。ロープスケルは覚えてませんが50mロープで4P目と繋げて登れると思います。グレードはⅣ-かな?Ⅲ+程度?

・特に問題なく登れました。

【6P トポ5P目 垂壁を直上 30m Ⅳ、+A1】(佐藤リード)

・最新のトポでは5.9

・露出感のある壁でA1のピッチなのですがホールドもスタンスもあり意外とフリーで登れて楽しいピッチです。A1は急にスタンスが無くなった1箇所のみ。A0はホールドが遠いところがあった1箇所で。

・残置中間支点にはハンガーが多いのでフリーに拘って登っても良いかも!

【7P トポ6P目 短い垂壁~カンテを左に越えて草付ルンゼ~小ハング 45m Ⅴ-、A0】(佐藤リード)

・最新のトポでは5.9

・出だしの短い垂壁はつるつるでステンスがなく悪かったのでA0で突破。中間は問題なく登れますが、最後の小ハングはアルパインの泥臭いムーブではなくフリーのボルダーちっくなムーブで突破!(小ハング下の登るラインの正面に蜂の巣がありました!!蜂もブンブン飛んでましたが刺されずに登れて良かったです。)

【8P トポ7P目 垂壁~左にトラバース~垂壁を直上 40m Ⅳ、A1】(山宮リード)

・最新のトポでは5.10a

・最初の垂壁は全てA1。左へトラバースしてからの垂壁も最初から最後まで潔くA1で登りました。

・リングボルトの間隔は短く、まさにアブミピッチでした。

・上部は藪化していて終了点が見えませんでしたがそのまま直上すると終了点を発見できました。

【9P トポ8P 草付を左上 45m Ⅲ】(山宮リード)

・藪化が激しいピッチでした。

・木登りピッチでプロテクションは取らずに登りました。

【10P トポ9P 凹角~右へトラバース 25m Ⅲ】(山宮リード)

・凹角というか左のコーナーを登って薄被りの垂壁を乗っ越さずに右の草付へ突っ込みトラバース。

・残置中間支点はそれなりにありました。

【11P トポ10P目 フェースを右上 35m Ⅴ、A0】(佐藤リード)

・最新のトポでは5.8

・出だしはステンスがなくA0で登りましたが、それ以降は快適なフリークライミング!。楽しく登れました。

・途中で筆箱ぐらいのガバを左手で持って荷重したら岩がもげました・・・アルパインではガバだからと全体重を乗せて登ることはしないので右手と両足に体重が残っていてフォールはしませんでした。もげた岩は落ちないところにそっと置いておきました。

・ロープスケルは35mとなってますがロープ半分の25mでリード佐藤さんは終了点に着きました。

【12P トポ11P目 垂壁~バンドを左にトラバースしてカンテを越えてリッジ 45m Ⅲ、A1】(佐藤リード)

・最新のトポでは5.10b

・出だしの垂壁はA1で登りました。バンドに上がるところもホールドが悪く緊張(フォールしたら振られるので・・)カンテを越えると終了点が見えました。

・出だしの垂壁の中間支点はハンガーが多く、リードの佐藤さんには『ハンガーなんだからフリーで頑張れ!』と檄を飛ばすとフリーで登っていきました。強っ!

・ロープスケルは45mとなってますがロープ半分の25mでリード佐藤さんは終了点に着きました。

◆三十路ルート終了点(12P目終了点)~登山道~駐車場

・終了点から少し登ったところでアンザイレン解除。装備を片付けて藪漕ぎで一般登山道へ。

・一般登山道は良く整備されていて快適に下山できました。 

★感想:

(山宮)三十路ルートは今回が初めてでした。下部3Pは中央ルンゼと同じラインを登り4P目から三十路ルート。6P目(トポ5P目)は露出感のある壁でA1のピッチなのですがA1は1箇所のみ、A0も1箇所ぐらいであとはフリーで登れて面白かったです。7P目(トポ6P目)の小ハング越えの核心ムーブ箇所は目の前にハチの巣があり蜂がブンブン・・・ムーブに集中し辛かったですがボルダーちっくなムーブで面白かったです。11P目(トポ10P目)は出だしのA0以外はフリーで登れて楽しいピッチ(このピッチで左手で持って荷重した筆箱程度のガバがもげて焦りましたが右手と両足でバランスが取れていたのでフォールすることはなかったです。取れた岩はフォールさせず使わないであろうクラックに入れて落ちないようにしておきました。)

(木村)風の踊り場より先は、デシマルグレードとなるため、下部の4ピッチをリードさせてもらいました。先日に引き続き、3Pは設定以上のグレード感でした。後日、知人に聞いたところでは、スタンスの岩が落ちて難しくなったとの事でした。6ピッチ目のフェースは、高度感があり見上げると怖く感じますが、スタンス、ホールドが多くフリーっぽくて一番楽しいピッチでした。(フォローの安心感もあって)12Pのトラバースバンド超えは、A0支点もなくホールドも甘くて一番緊張しました。最後は、南壁のピークに抜けて登山道を下山しました。東北を代表するビッグウォールの看板2ルートを完投することが出来て感無量です。デシマルグレードのアルパインの厳しさを痛感しました。

(佐藤)大半がⅤ級以上で難しかったです。リードではA0A1を駆使しつつ、極力フリーで登りました。高度感露出感のあるピッチとジャングルの木登りピッチの差が激しいですが、面白いルートでした。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-7030211.html

取付で準備中
1P目をリードする木村
1P目終了点
2P目終了点
3P目終了点
3P目を登る山宮
4P目を登ってくる木村
4P目終了点
5P目終了点
6P目をリードする佐藤
6P目をフォローで登る木村
6P目終了点
6P目終了点は場所が狭く山宮はセルフのメインロープを伸ばして1段下へ
6P目終了点から7P目終了点でビレイする佐藤を見上げる
7P目終了点
8P目はこの垂壁を登って途中で左にトラバース(トラバース後に垂壁あり)
8P目後半の垂壁を登って最後は藪を抜けると8P目終了点
8P目終了点から下を見る
8P目終了点から9P目を見上げる
9P目終了点
9P目終了点から下を見る
9P目終了点から10P目を見上げる
10P目終了点
10P目終了点から11P目を見上げる
11P目終了点
12P目をリードする佐藤
12P目の最後のリッジを登ってくる山宮
12P目終了点の2人
12P目終了点
笑顔の佐藤
12P目終了点から少し登ったところでアンザイレン解除
藪漕ぎで登山道へ
登山道に合流
登山道を下山

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。フリークライミング、クラッククライミング、アルパインクライミング、アイスクライミング、沢登り、山スキーなど幅広く活動しています。

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