一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜、一ノ倉沢衝立岩中央稜1P目のみ(谷川岳)

★山域:一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜、一ノ倉沢衝立岩中央稜(谷川岳)

★日付:2024.05.25(土)

★天気:曇り(風が強く寒かった)

★山行形態:山岳会山行、アルパインクライミング

★参加メンバー:石附(L)、山宮(SL)、渡辺、坂井、宮崎、土田貴、佐藤

★班編成:①山宮、土田貴、佐藤(南稜)

     ②渡辺、坂井(南稜)

     ③石附、宮崎(中央稜1P目のみ)

★ルート:谷川岳インフォメーションセンター駐車場→一ノ倉沢出合→(一ノ倉沢の夏道~雪渓を登る)→テールリッジ基部→(テールリッジを登る)→中央稜取付→(石附班は中央稜1P目を登攀し同ルート懸垂下降、その後同ルート下降で一ノ倉沢出合で南稜組を待つ)→南稜テラス→(南稜を登攀)→南稜登攀終了→(6ルンゼ右俣~南稜を懸垂下降)→南稜テラス→中央稜取付 →(テールリッジを下る)→テールリッジ基部→(一ノ倉沢の雪渓~夏道を下る) →一ノ倉沢出合→谷川岳インフォメーションセンター駐車場

★感想:

(石附)今回は宮崎さんの担当というかたちで主にテールリッジを目的に登ってきました。宮崎さんは私が心配していた箇所を難なくこなしてました。さらに他パーティーがいないうちに中央稜も1ピッチだけ登ってきました。一ノ倉沢とアルパインの雰囲気を味わえたかと思います。今後も練習を積んでもらい、次は南稜に行けることでしょう!

(山宮)今年も山岳会山行で一ノ倉沢へアルパインクライミングに行ってきました。今回は当初予定ではリーダーの石附さんしか一ノ倉沢の経験者がいなかったので下降も含めてルーファイミスをしないよう私も参加しました。前日の夜、谷川岳インフォメーションセンター駐車場は雨が降っていたそうですがテールリッジから南稜テラスまでのアプローチも南稜ルートも岩が乾いていてベストコンディションで登攀できました(6P目の垂壁の最後の方は少し濡れてましたが登攀に問題はなかったです。)が、ほぼ終日風が強く寒かったです。一の倉沢には何度も来てますがこんなに寒かったのは初めてな気がします。この日の南稜は大盛況でしたが渋滞時間切れ敗退するパーティーはいなかったのでどのパーティーもそれなりのスピードで登れてたのかなー?(個人的な主観ですがそこまで早く登っている感じではなかったです。)

(渡辺)昨年の秋に遊歩道から見ていた所に行くことになるとは自分でも驚きでした!最終ピッチで終了点手前でフォールしてしまい、ホールドは慎重に選ばないと!と反省しました。事前に杉滝で、はるかさんと手順や繰出し懸垂の練習をしていたのでスムーズに行けたと思います。下山後の、お風呂~食事+おみやげ!と大満足の1日でした。ありがとうございました。

(坂井)取り付きまでで既にだいぶ楽しかったです。岩以外の歩きは辛かったです。さちこさんとペアだったのですが、最終ピッチで10メートルほど落下させてしまいました。幸い怪我はなかったそうですが、重大事故になりかねないビレイでした。反省点①指先部分の無いビレイグローブを使用していたため、熱くてロープを一度離してしまった。指あり買います。②登る人の姿が見えていたのにロープを出し過ぎていました。核心なので特に気を張るべきでした。その他終了点の長さや懸垂後の手順など指摘していただいた部分は次回以降に生かしたいです(希望)。振り返れば常に絶景で感動しました。達成感と楽しさがすごかったです。帰りのご飯もおいしかったので、谷川とともにまた行きたいです。

(宮崎)谷川岳を初めてクライマーの視点で見てきた。過去に厳剛新道を歩いたついでなどに、何回か眺めたマチガ沢や一の倉沢の岩壁は単なる景色でしかなかった。NCCのアルパイン・クライミング初心者向けの本隊は、一の倉沢南陵を目指したが、クライミングそのものが初心者の私はリーダーと二人、その手前のアプローチにある中央陵の登り口まで。余裕があったら、中央陵を1ピッチだけ登る。と云うものであった。つまりその手前にある「中央陵テールリッジ」をしっかり登りきることが目標であった。この日はいつになく低温で風もあったので、ヤッケを着てもジッとしていると寒いくらいであったが、幸いテールリッジの岩は乾いていたので問題なく歩けた。但し、滑りやすい蛇紋岩が混ざっているので濡れているときはロープが必要だそうだ。谷川岳インフォメーションセンターを未明3時に出て、中央陵取付に着いたのは6時前だったか。石附さんがリードして1ピッチをセカンドで登ったが特に問題なく、懸垂で降りた。当初の目標は、それであっけなく終わってしまった。ので、「今度は私がリードの練習で・・・」と提案したが、石附さんは「ここは練習所ではない」と他のパーティーに見つかったら目玉を食らう。で、ごわさんになってしまった。石附さんから、周辺の登攀ルートの説明を一通り聞いた後、所在なくしていると後続のパーティーが続いて上がってきた。その中に、JCC(日本クライマースクラブ)とヘルメットに記された若者がいた。NCCのことも知っていて、石附さんの過去の登攀記録を「読んでいました」と言ったので、思わず石附さんがニッコリ!スラッとした若者は「伝統あるクラブだが、最近の活動者は極少数」と嘆いているうちに同行者が二人、かなり遅れてやってきた。二人とも年季の入ったヘルメットにJCCの文字がかすれていた。髭を生やした一人に聞いたら二人とも80歳だと言う。ワタシは?「ン歳」と答えたら「まだまだヒョッコ」と笑われた。歩きは衰えたが、登攀の技量は「若いモンに負けていない」風情に満ち溢れていた。おかげで私まで自信が湧いてくる心地であった(笑)すれ違ったパーティーは一組を除いて、全て南陵に向かっていった。私達の本隊が「渋滞」に巻き込まれるのが案じられた。中央陵に取り付いた一組は、クライミングギアのカムやナッツまでも装着していた。その姿から「かなりのヤリ手」なんだろうと羨望の念を抱いた。下山途中、それぞれの登攀の様子を、石附さんの双眼鏡で何度も振り返りながら下りた。だが、中央陵の組がなかなか進まない。カムやナッツまで持っているのに⁉そうか!中央陵や南陵は、一の倉沢にあっては登攀の入門コース。姿格好ではないのだ⤴(^^ゞとは言え、そのすぐ隣りが「衝立(ついたて)岩」、1960年の宙吊り遺体収容銃撃事件であまりに有名だが、一歩間違えば同様のことになりかねない場所。入門コースと云えども寸分の油断を怠ってはいけない場所に変わりはない。一の倉沢出合いに戻ったのは10時前だったか。車に戻って、仮眠しながら本隊の帰りを待つ選択肢もあったが、二人で出合いで待つことにした。昼に近づくにつれてハイカーの数が増えていく。土曜日である。本隊が帰ってきたのが3時頃。5時間近い待ち時間だったが、さほど長くは感じなかった。それぞれが思いを新たに一の倉沢を後にして、インフォメーションセンターに着いたら、見たことのある二人が満面の笑顔で出迎えてくれた。進藤夫婦であった。満さんが急きょ休みが取れたので、一緒に一の倉沢を考えたが、登山届の期限が過ぎたのでかなわず、白毛門に登って私達の登攀の様子を双眼鏡で確認していたとのこと。「山男・山女」の気概を感じる一幕であった。「次回は南陵を極めたい」m(__)m 感想終わります(^^♪お連れいただきありがとうございました。

(土田貴)今回初めて本格的にロープを連続で使う登攀という事もあり楽しみ半分、不安半分の中週頭から週末を迎えました。当日は惜しくも10分差で先行パーティー(5人組の2人、3人)あり。ですが、振り返ると適度な待ち時間が頭と心の整理にも繋がり良かったかなと思いました。当日土曜日はグッと冷え込み、風もあったので持参したダウンが重宝しました。肝心の登攀は、、、所々考え込みフリーズする場面もありましたが目標としてた【A0しない】【落ちてテンションかけない】をなんとか達成でき良かったです。(核心の最終ピッチの垂壁は怖った。。フォローですが・・)また1ピッチだけリードもさせてもらい良い経験にもなりました。ビレイポイントの長さも60センチスリングを使い引き上げやすい位置に落ち着いて調整できたのも杉滝効果だと実感。
一時は参加するかどうか迷ってましたが、行って本当に良かったです。杉滝でご指導してくださった皆様のおかげです。ありがとうございました。

(佐藤)今回も山宮会長に随所でアドバイスしていただきました。本当にありがとうございました。リードはやはり怖く、多めに中間をとってしまい時間がかかってしまいました。前回よりは慣れた感じがしましたので、引き続き通おうと思います。最後のフェースでは後続パーティの墜落がありました。ビレイグローブの是非について軽く調べたのですが、石田登山塾によるとダブルロープは細いので必須、シングルは太いので、なくても可だそうです。しかし今回、ロープバーンで手を離してしまったことを考えればやはりつけた方がいいと改めて思いました。ただ、普段つけてない人に強制するのは難しいのが現実です。

★山行の詳細はヤマップとヤマレコにアップしてあります。

 https://yamap.com/activities/32044060

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6859020.html

暗いうちからスタート
一ノ倉沢の雪渓を歩く
テールリッジに取付く
右奥から登る
テールリッジを登る
テールリッジを登る
中央稜取付を越えて南稜テラスへ向かう
南稜1P目を登る土田貴と山宮
南稜1P目をリードで登ってくる坂井
南稜4P目をリードする土田貴
南稜4P目を登ってくる坂井
5P目終了点に1班メンバー
6P目をリードする佐藤
6P目をリードする佐藤
5P目終了点の坂井と土田貴
6P目をリードする渡辺
6ルンゼ右俣を懸垂下降する佐藤
6ルンゼ右俣を懸垂下降する渡辺
懸垂下降する土田貴
南稜テラスまで下山
烏帽子スラブ横断バンドで満面の笑みの坂井
テールリッジを下る
一ノ倉沢の雪渓で南稜組記念撮影
中央稜を懸垂下降する宮崎
テールリッジで満面の笑みの中央稜組の宮崎
駐車場で記念撮影
最後に各自感想を言って終了

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。フリークライミング、クラッククライミング、アルパインクライミング、アイスクライミング、沢登り、山スキーなど幅広く活動しています。

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