剱岳 小窓尾根_下山は早月尾根(北アルプス)

★山域:剱岳、小窓尾根、早月尾根(北アルプス)

★日付:2024.05.03(金)~05(日)

★天気:3日間とも快晴、無風(朝夜明け前は風があった)

★山行形態:山岳会山行・アルパインクライミング

★参加者:山宮(L)、岸畑、土田忍、土田貴

★ルート馬場島→小窓尾根取付→P1614→P2121付近(テン泊)→ニードル→ドーム→マッチ箱→小窓ノ王→三ノ窓→池ノ谷ガリー→池ノ谷乗越→長次郎の頭→長次郎のコル(テン泊)→剱岳→早月小屋→馬場島

★ルート状況(2024年5/5現在のものです。)

【馬場島~雷岩~小窓尾根P2121付近 5/3】

 ・林道終わりから雷岩までは白萩川に雪渓が無く夏の高巻道を歩きましたが、取付きからの序盤が分かりづらかったです。(後半は踏み跡明瞭)

 ・雷岩から小窓尾根に取付くルンゼには雪が無くその左側にある雪の無い夏道を登りました。(踏み跡は明瞭。フィックスロープもあり迷うことは無かったです。)

 ・P1614からP2121は雪が有ったり無かったり・・・雪が無い区間の方が長かったかな?とにかく藪漕ぎは鬱陶しかったです。

 ・P2121付近でテント泊(この日のこの付近でのテント泊は2幕)

【小窓尾根P2121~ニードル~ドーム~ピラミッドピーク~ナイフリッジ~マッチ箱~発射台~三ノ窓 5/4】

 ・ニードル手前の急雪壁は雪が腐る前に登れたので特に問題ありませんでした。

 ・ニードルから右下に下降する少し悪いところはヤマパンはフリーで抜けました。2番手の土田貴さんもフリーで抜けましたがだいぶ危ない感じだったので3番手の土田忍さんからは安全のためロープを渡して確保して通過しました。

 ・ドームへの登りは西仙人沢側の急な雪壁登りですが少しでも安全に登れるよう雪から出ている灌木を掴めるラインどりで登りました。

 ・ピラミッドピークは池ノ谷側の雪壁をトラバース気味に下って藪を登り越えると雪壁があるのでそこを登り、その先の岩&ハイマツ帯を登って尾根上まで登りました。藪を越えるところが少し悪かったです。(池ノ谷側の雪壁を下まで下りて藪を右から回り込むように越えれば容易かもしれませんが少しでも楽をしようと上の方で藪越えをすると少し悪いです。)

 ・ナイフリッジは雪が無く岩歩き。最後に少し悪いスラブがありヤマパンはフリーで抜けましたが安全のため2番手以降はロープを渡して確保して登りました。

 ・ドームは前半部分はほとんど雪が無かったです。後半にようやく雪が出てきて歩きやすくなりました。

 ・ドーム後の発射台のあるところまでの2つのピークの登りはどちらも問題なく歩けました。(GW前半の黒部横断の時は雪が腐っていて最悪だったのに・・)

 ・発射台は50mダブルロープ2本で懸垂下降しました。(発射台の雪壁には落石が多くありました。落石に注意です!)

【三ノ窓~池ノ谷ガリー~池ノ谷乗越~長次郎のコル 5/4】

 ・池ノ谷ガリーの雪は程よく緩んでいて登りやすかったです。

 ・池ノ谷乗越から長次郎の頭の区間のクライムダウンする箇所で雪が不安定になっていたところでは落ちないよう慎重に下りました。

 ・長次郎の頭から長次郎のコルへは50mダブルロープ2本で懸垂下降しました。 

 ・長次郎のコルでテント泊(この日の長次郎のコルでのテント泊は3幕)

【長次郎のコル~剱岳~早月尾根~馬場島 5/5】

 ・長次郎のコルからの登りと剱岳への最後の登りは特に問題なく登れました。

 ・早月尾根に入ってすぐの右に行く夏道にはトレースが無く左下にある懸垂支点から50mダブルロープ2本で懸垂下降しました。(懸垂下降ラインの上部はGW前半の黒部横断の時は雪があったのに今回は雪が無くなっていてザレてました。)

 ・夏道の鎖が出ていないところは雪壁をクライムダウンとトラバースで通過、GW前半の黒部横断の時に雪の状態が悪く岩を登って通過したところも岩の脇の雪面をトラバースできました。(鎖も出てました。)

 ・早月小屋まで下りで急な雪壁はGW前半の黒部横断の時は1箇所で50mダブルロープ2本で懸垂下降しましたが、今回はトレースもあり灌木を掴みながらクライムダウンできました。(ここを越えるとほぼ安全圏。早月小屋を越えると安全圏でした。)

 ・P1700?からはほぼ夏道でした。

 ・GW前半の黒部横断の時は松尾平は雪が残っていて夏道を外しそうになりましたが今回は雪が無くなっていて迷わず夏道を歩けました。

★感想:

(山宮)5/3~5は山岳会山行で小窓尾根からの剱岳に行ってきました。前会長竹内さんが『GWは昨年が八ツ峰だったから今年は小窓がいいんじゃないか?剱全体が把握できるし!』と言って提案してきた。小窓尾根は7年前に山岳会に入会して初めてのGW山行で登ったところでその時は前会長竹内さんと石附さんに連れて行ってもらったルートでした。今回は自分がリーダーで他のメンバーを連れて行ってみようと会山行に組み込みました。小窓尾根は雷岩までのアプローチ、取付きからP2121までの区間と夏道、藪漕ぎで『う~ん』な感じでした。(年々条件が違うのは当然だし雪が少なかったのは仕方ないですね。)P2121~マッチ箱も雪が有ったり無かったり(むしろ無い区間の方が多いかも)で『う~ん』な感じでした。マッチ箱以降は雪があり快適に歩けました。トレースもあり楽に登らせてもらいました。長次郎のコルでは私達の他に2パーティーがテントを張りましたがどちらも縁のあるパーティーでした(笑)(1パーティーは谷川でよくお会いする三十路のKZさんのパーティーで、もう1パーティーはGW前半の黒部横断の時に三ノ窓から馬場島までほぼ行動をご一緒し馬場島から富山駅まで車で送っていただいたNさん所属の魚津岳友会の方たちのパーティーでした!)GW前半の黒部横断の時より荷物が軽くて(20kgぐらい?)快適でした。3日間共天気が良くて良かったでが、風がもう少し欲しかったです・・(暑かったー)特に問題もなく無事に全員登頂、下山できて良かったです。

(岸畑)少し暑かったですが3日間とも天気が良く、快適な山行でした。下部の藪漕ぎが少し大変でしたが特に難所はなかったです。体力不足を感じたので体力トレーニングをもう少ししないとと思いました。

(土田貴)小窓尾根〜剱岳の感想。まずは三日間天気に恵まれ心配してた高所でのテント地も快適に過ごせ一安心しました。1日目はひたすらヤブをかき分け急登を+1500m上げる行程。雪山テン泊装備での重さ、熾烈な藪漕ぎの洗礼を受けました(初日の疲労が2日目に響く)2日目はニードル、ドーム、ピラミッドピーク、小窓ノ王、池ノ谷ガリーと、小窓尾根から剱岳に至るハイライトの連続でまったく気が抜けませんでした。特に行程終盤、疲労と緊張、集中力の低下で池ノ谷ガリーの雪壁は本当に苦しかったです。落ちたら死ぬと思い心拍数も上がり、、そんな中後方からの岸畑さんの声かけに救われました。3日目は早起きして剱岳山頂でご来光を迎えることができました。登頂した瞬間は嬉しさが爆発。ちょっと涙が出たかも。(御三方は至って普通な感じ)今回の山行は反省点、改善点が多々見つかりました。初めて山の中でロープを使い緊張したり、不安定な足場でのビレイ器のセットに手間取ったりと、まだまだ基本ができてないのでどんどん吸収して練習していきたいと思います。リーダーを務めて下さった山宮会長には深く感謝です。

★山行の詳細はヤマレコとヤマップにアップしてあります。

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6770408.html

 https://yamap.com/activities/31537616

5/3、馬場島を出発
白萩川の雪渓が無いので林道終点から高巻きする
雷岩から小窓尾根へ取付く
夏道を登っていく
P1614から雪も出てきて快適に歩けるところもあるが
藪漕ぎもあって鬱陶しい
中央の少し雪が見えているピークが初日テン場予定地のP2121付近
初日のテン場
夕日
5/4、ニードル手前の急雪壁をルーファイ中
朝一から急雪壁を登る
ニードルへ
ニードルどん詰まりから右下へ下降するところ・・・少し悪い
3番手の土田忍さんからロープを出して確保しながら下る
ドームの登り
ドームのてっぺん。次はピラミッドピーク
ピラミッドピークは右から回り込んで雪壁~岩&ハイマツ帯を登る
ピラミッドピークの次はナイフリッジ。最後のスラブが少し悪かったので2番手以降はロープを出して確保しながら登る
ナイフリッジの少し先にあるこの急雪壁も侮れない
マッチ箱前半はほとんど雪が無い
マッチ箱後半は雪があって歩きやすい
発射台は懸垂下降で下る
池ノ谷ガリーを登る
池ノ谷ガリーを登ってくるメンバー
池ノ谷乗越を越えて稜線歩き
笑顔のメンバー
長次郎の頭から長次郎のコルへ懸垂下降
2日目のテン場、長次郎のコル
夕日
5/5、剱岳で朝日
初小窓尾根組の3人で記念撮影
影剱
早月尾根上部は懸垂下降
急雪壁はクライムダウンで慎重に下る
早月小屋まで下れば一安心
馬場島まで下山して登山終了

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。フリークライミング、クラッククライミング、アルパインクライミング、アイスクライミング、沢登り、山スキーなど幅広く活動しています。

コメントを残す