★山域:大同心大滝~大同心ルンゼ、摩利支天大滝~阿弥陀岳北西稜(八ヶ岳)
★日付:2024.03.09(土)~10(日)
★天気:3/9 曇り時々雪(大同心ルンゼから大同心南稜の取付まで上がると風が強くなり寒かった。山の中腹から上はガスっていた。)、3/10 晴れ(稜線上は風があり日陰は寒かった。)
★山行形態:個人山行・アルパインクライミング
★メンバー:山宮、木村
★ルート状況(2024年2/10現在のものです。)
▶登山ポスト、トイレ、水場、山小屋などの情報はネットにあふれているので省略します。
▶大同心大滝
・大同心沢分岐からアプローチ。大同心大滝まではしっかりしたトレースがありさくさく歩けました。(ラッセルされた方々ありがとうございます。)
・大同心大滝は下部1段をフリーで登り、そこから木村さんがリードで登りました。木村さんは左側面から登りましたが、そのラインは氷が割れやすく落氷多数で下部にいた方々にはご迷惑をおかけしました。当たらなくて良かったといえるような大きな落氷もありました・・・(フォローの私は落氷させたのは2箇所ぐらい。できるだけ落氷させないような登りで登りました。)
・大同心大滝はまだまだ登れる状態で左、中、右と3ラインぐらいトップロープを張れると思います。
・終了点は左奥の灌木にスリングで構築(上に抜けるので左と右にある残置支点は使いませんでした。)
▶大同心ルンゼ
・ルンゼ内はトレースが無くふくらはぎラッセル。雪崩れるような雪質ではなかったです。
・ロープを片付けるのが面倒だったのでコンテで登りました。
・大同心のバンドから小同心クラック取付への横断するラインの辺りまでルンゼを登り、そこから大同心南稜取付まで登りました。
・ルンゼから出ると強風で継続登攀を予定していた大同心南稜は風が当たりまくっていて寒そうだったので、継続登攀は中止して大同心稜を下山しました。
▶摩利支天大滝
・摩利支天沢分岐からアプローチ。摩利支天大滝まではしっかりしたトレースがありさくさく歩けました。(ラッセルされた方々ありがとうございます。)トレースは途中で沢内から外れて左側の尾根を登って行きますがちゃんと摩利支天大滝に着くので心配せずに登り詰めた方が良いと思います。(途中で沢内に下りてるトレースもありました。)
・摩利支天大滝のリードはいろいろあって木村さんから山宮に交代。真ん中の簡単なラインを登りました。
・摩利支天大滝はまだまだ登れる状態で、がんばれば4ラインぐらいトップロープを張れるかな?
・滝上のルンゼは左と右に分かれていてどっちに行くのか分からず、とりあえず右のルンゼに見えている短い小滝の氷にスクリューで終了点を構築しようと右へ行きました。(氷にスクリュー3本で終了点を構築。)
・そのまま右のルンゼを登ってみると右奥に下まで繋がっていない氷瀑が見え、そこを詰めるとたしか阿弥陀岳北西稜の取付に直に行くはずだと思ったので、左のルンゼへ横断して左のルンゼ~尾根上を登っていきました。登っていくと阿弥陀岳北西稜のトレースに合流。(先行パーティーの方々、ラッセルありがとうございました。)
▶阿弥陀岳北西稜
・2人組パーティーが2組いて先行していたので先行パーティーがビレイ点からいなくなるタイミングで移動。待機時間は合計で3時間38分でした。
・第1岩壁下までのリッジ歩きはフリーで登りました。また第1岩壁下~草付フェース基部のバンドもフリーでトラバースしました。
・草付フェース基部の角岩にスリングで支点を構築。ここでロープを出してアンザイレン開始しました。
・1P目の草付フェースは中途半端な雪が乗って少し悪かったです。(中間支点で0.5と1.0のカムが使えてました。)
・第2岩壁のクラックはなかなか厳しくA0多用で登りました。クラックを抜けた先のスラブはベルグラで凍っていて支点も無くそこが一番の悪く感じました。
・3P目は出だしに岩があったので念のためアンザイレン解除せずスタカットで登りました。岩を通過すると雪面なので安定したところでピッチを切ってアンザイレン解除。ロープを片付けて阿弥陀岳へ登りました。
・阿弥陀岳から行者小屋への下山は中岳沢が雪崩れる状態ではなかったので中岳沢を下山しました。
★感想
(山宮)大同心大滝も摩利支天大滝も3/10の時点ではまだまだ登れそうでした。ただシーズン終盤なので凸凹穴だらけで登りやすいと思います。大同心大滝は木村さんが簡単そうな左脇ラインをリードしましたが、先週あまり登れていなかったらしく割れやすい氷が残っていて落氷を多数発生させてました。(下にいた方々すみませんでした。)大同心ルンゼはふくらはぎラッセルぐらいでしたが雪崩れる感じの雪質では無かったです。(他の人のレコで拝見しましたが大同心大滝で小規模雪崩があったようですが・・・)大同心南稜の継続登攀は大同心南稜の取付まで上がってみると暴風で顔が痛く寒さに耐えながらの登攀はつまらないと木村さんと意見が一致したので南稜は登らず下山しました。摩利支天大滝では木村さんから急遽リードを変わることになりました。よく考えたらまともな氷のリードは今シーズン初(スクリュー1~2本しか打ってない滝リードは何本かありましたが・・)でスクリューを打つのに手間取りました・・・トップロープでもスクリューを打つ練習をして慣れておかないと動きが鈍くなるんだなーと思いました。また1カ月ぐらいジムで登ってなかったので持久力が無かったと思います。(左手を握りすぎて若干パンプしましたが、ノーテンでトップアウト。スクリューは5本。)さすがは八ヶ岳!!人がいないかなーと思っていた阿弥陀岳北西稜に先行パーティーが2組いて計3時間38分待機。ヘッデン使うか使わないかのギリギリで赤岳山荘へ下山となりました。阿弥陀岳北西稜の核心ピッチ、第2岩壁のクラックのリードはなかなか厳しくA0多用で登りました。先日の谷川中央カンテといい、もっと冬壁が楽々登れるようにならないといけないなーと感じました。(仕事も一段落したのでまたジム通い再開です!)今回雪山を登ってみて登る体力がだいぶ落ちているなーと感じました。(木村さんについていくのがやっとでした。木村さん、お待たせしてすみませんでした。)これからどんどん雪山に行って鍛えたいと思います!
(木村)アイスと冬壁の継続登攀、何回か話に上がっていたが予定が合わず。今回、やっと実行することが出来ました。どうせ、行くならば土日で2本と欲張りな計画を立てました。プチ贅沢で赤岳鉱泉泊です。3/9、大同心大滝+大同心南陵の継続登攀。大同心大滝はしっかり氷結していました。まだまだ元気です。今回、アックスのピックを新調しましたが、アルパイン仕様のため使い勝手が違い、登っていても違和感だらけでした。なんとか、大滝はやり過ごし、南陵取り付きへ。稜線上は天気が悪く、とても取り付く気になれず、明日が本命ルートのため撤退とし大同心陵を下山しました。3/10、摩利支天大滝+阿弥陀北西陵の継続登攀。摩利支天大滝もしっかり氷結していました。岩の核心パートは、山宮さんにお願いすることにして、アイスは私がリードをしましたが…。昨日からの違和感を引きずったまま、1ピンを取ろうとアックスを持ち替えたところでスッポ抜けグランドしてしまいました。ここで意気消沈、山宮さんに交代してもらい、終始、お客さん状態のクライミングとなってしまいました。もっとアルパインメンタルを鍛えないと駄目ですね。北西稜では先行2パーティーの渋滞待ちで下山が大幅に遅れてしまいご心配をお掛けしました。色々と課題の多い山行となりましたが、アイスと冬壁を継続登攀して山頂に抜ける!の目的は達成できましたので満足です。お付き合い頂いた山宮会長に感謝デス。
★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6545502.html




















