★山域:一ノ倉沢烏帽子沢奥壁中央カンテ(谷川岳)
★日付:2024.02.24(土)
★天気:曇り後晴れ(朝は風が冷たかった)
★山行形態:個人山行、アルパインクライミング
★メンバー:山宮、他1名
★ルート:谷川ベースプラザ→一ノ倉沢出合→(一ノ倉沢の雪渓を登る)→テールリッジ末端→(テールリッジを登る)→中央稜取付→中央カンテ取付→(中央カンテを登攀)→4P目終了点→(5P目リードトライするも抜けられず時間切れで4P目終了点から懸垂下降)→中央カンテ取付→(懸垂下降を交えてテールリッジを下降)→テールリッジ末端→一ノ倉沢出合→谷川ベースプラザ
★ルート状況(2024年2/24現在のものです。ルートグレードは参考にしたトポ図からで、あとは個人的な感想です。)
◆アプローチ
【一ノ倉沢出合~テールリッジ末端】
・デブリだらけの一ノ倉沢のアプローチですが前回2/15の偵察時と違ってデブリはしっかり結合しているし雪も締まっていたので問題なく通過できました。
・下りも気温がそこまで上がらなかったので雪は締まったままでした。(雪崩が怖いので足早に下山しましたが・・・)
【テールリッジ末端~中央稜取付】
・テールリッジは末端と中間の岩、上部の岩以外は雪に埋まっていました。雪の区間は雪庇の張り出しもなく雪も締まっていたので問題なく登れました。岩の区間はフィックスロープを利用して登りました。
・下りは岩露出部分を懸垂下降(中間の岩はフィックスロープを使いながらクライムダウンできました。)を交えて下り、雪の区間は傾斜がきついところはクライムダウンで下りました。気温がそこまで上がらなかったので雪は締まったままでした。
・中央稜取付のすぐ下の雪の切れ目(2021.03.07に中央稜を登攀した時もここに雪の切れ間があった。)にデポする荷物を置き準備を整えました。
【中央稜取付~中央カンテ取付】
・急な雪壁をトラバースしてから取付付近まで登りました。フリーなので落ちたら烏帽子スラブどこまでも滑り落ちていくので慎重に行動しました。取付付近で取付支点が見当たらず、雪に埋まっている?支点無しでビレイは危ないよね・・・と、どうしようかとWさんと相談しましたが、たまたま?少し上の雪の切れ目を覗くと中央カンテの取付支点があり事なきを得ました。
・下りは懸垂下降で急な雪壁地帯を中央稜の方に下り、残りの少しの区間をフリーで中央稜取付のすぐ下の荷物デポ地点までトラバースとクライムダウン。
◆一ノ倉沢烏帽子沢奥壁中央カンテ(4級下、Ⅴ)
【ルート全般】
・岩に雪が乗っていて難易度が増していたと思います。トポよりは難しく感じました。(初見なので分かりませんがこれが普通なのかな?)
・草付は中途半端にしか凍ってないところもあり確実に決まりそうなところを探してアックスを打ちました。(アックスが決まっていても、それを信じて荷重するのは少し躊躇しますが・・・要テイスティングです!!)
・残置支点は見つけにくい(ほとんどないピッチもある)ので登った先に灌木があるラインを登りました。
・残置支点が少ない、というかほぼ無いのでA0はほとんどできません。
・外傾しているスタンスが多く、アイゼンでの立ち込みはなかなか信用できず気を使いました・・・。
【1P バンド状を右にトラバース~フェース Ⅲ+ 40m(Wリード)】
・雪の乗ったバンド状は残置が少なく支点も取りづらくリードのWさんは苦労してました。フォローで登ってみてもやはり悪かったです。フッキングするところもなくグローブ登攀(おかげで手が冷たくなり痛くなりました。)になり、1~2箇所A0で登りました。
・フェースも草付に打ったアックスがなかなか決まらずスタンスも外傾していて悪かったです。(トラバースよりはまだましでしたが・・・。)
【2P 緩いフェース Ⅲ 50m(山宮リード)】
・無雪期のラインどりの出だしから左に出て傾斜のきついフェースを少し登るところは雪が付いて難しそうに見えました。残置も無く支点も取れないのに厳しいところへは突っ込めないので傾斜も少し緩く灌木もある右のラインを登りました。傾斜のきついところを登り終え左へ移るとかなり傾斜は緩みましたがその先も悪そうに見えました。残置支点が無くボロ氷と雪しかないど真ん中を避けて灌木が少しある左寄りのラインから登りました。
・氷はボロ氷(薄いベルグラ含む)が多かったです。草付の方がまだ信用できました。
【3P バンド~カンテ Ⅳ 40m(Wリード)】
・3P目も普通に悪かったです。
・バンドはベルグラで非常に悪かったです。(残置や灌木で支点は多めに取れてましたが。)
・バンドを登りカンテを左から回り込むとカンテは傾斜がきつく残置無し灌木ほぼ無しなのにスタンスは外傾・・・細かいカチをグローブで持ったり微妙に凍った草付にアックスをフッキングしながら登りました。
【4P カンテ Ⅲ 40m(山宮リード)】
・出だしの傾斜が緩く見えましたが登ってみると傾斜はあり、傾斜が緩んでからも悪かったです。
・草付にアックスを決め(テイスティングはしましたが、確実に決まっているかどうか分からない・・・。)アックスに全荷重で外傾しているスタンスに立ちこんでいくムーブは痺れたというかあまりやりたくないです(笑)
【5P ルンゼ~チムニー Ⅴ 30m(Wリード)】
・Wさんがリードで登りましたが、チムニーがなかなか突破できずにいろいろムーブを試して粘りましたが・・・最後は時間切れ。ここで敗退となりました。
【下降】
・同ルートを4回の懸垂下降で下降しました。(懸垂下降支点は各ピッチ終了点を使用。)
★感想:2/23~24でWさんと狙っていた雪稜ルートは前回偵察時に雪の少なさからほぼ諦め状態・・・帰宅後に去年の写真と見比べると何とかなりそう?に見えたので敗退覚悟で行きましょう!となりました。が、偵察後に一ノ倉沢に入った狙っている雪稜ルートを昨年登っている知人が昨年よりコンディションが悪いよー!との情報を得て完全に今季は諦めることしました。転進先は前回登るつもりだった中央カンテ!着雪が有り難しかったです。1P目はフォローでしたがリードのWさんが悪そうに登っていたので岩を掴みやすいよう薄いグローブにして登ったら手の指をやられました。悪いトラバースが終わって安定したところで少し休んでいると、手の指に血流が戻ってきてそこから暫く悶絶・・・痛くてしばらくは動けなかったです。(Wさんお待たせしてすみませんでした。)リードした2P目も4P目も見た目は簡単そうに見えて登ってみると悪かったです。(フォローで登った1P目も3P目ももちろん悪かった・・・結果、全部悪かったです!)4P目を登り終えて12時だったので登ってもあと1P、と5P目をWさんがリードしましたがチムニーがなかなか突破できず時間切れ。13時に懸垂下降を開始して16時に一ノ倉沢出合まで下山しました。下山後にSさんのSNSを見て知りましたが、朝早くに滝沢リッジ取付に見えていた2人は知り合いのOさんとKさん(黒々した壁を見て帰って行きました)その後明るくなってから滝沢下部へ偵察で登ってきた2人のうち1人は知り合いのSさん・・・世の中狭い(笑)反省としては1P目は岩を掴み過ぎ&薄手のグローブ(今のところアイスとミックスの1軍グローブ)で手の指をやられたので2P目以降は少し厚手のグローブ(穴あきボロボロ2軍グローブですが・・)に変えてアックスもしっかり使いながら登りました。結果、その後に手の指が痛くなることはありませんでした。最初から少し厚手のグローブを使っておけば・・・自分の持っているグローブのアイスとミックスの使い分けを今一度再考しないといけないと思いました!!
★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6495414.html















