黄蓮谷右俣(甲斐駒ヶ岳)

★山域:黄蓮谷右俣(甲斐駒ヶ岳)

★日付:2023.12.23(土)~24(日)

★天気:2日間とも晴れ(初日の五合目小屋跡~七丈小屋までの風が抜けるところは強い風が吹いてました。2日目は稜線に抜けて登山道に合流してからは風がありました。山頂は寒かった。)

★山行形態:個人山行・アルパインアイスクライミング

★メンバー:山宮(L)、木村

★ルート:尾白川渓谷駐車場→七丈小屋(小屋泊)→六丈沢を下降→坊主の滝下→二俣を右俣へ→奥千丈ノ滝→インゼル→奥ノ滝3段60m→甲斐駒ヶ岳→七丈小屋→尾白川渓谷駐車場

★ルート状況(2023.12.24現在のものです。)

【アプローチ】
・一般登山道の黒戸尾根を七丈小屋まで登ります。
・七丈小屋まで登山道に雪はありませんでした。
・5合目少し手前の登山道に滑りそうなつるつるした氷がありますが脇を迂回できるので問題ありません。また七丈小屋手前でも登山道が凍ってるところがありますがこちらはそこまで滑るような感じではありませんでした。
・七丈小屋から六丈沢下降地点までは一般登山道を下ります。(六丈沢への下降地点には目印となる石碑があります。)
・六丈沢への下降点から六丈沢へしばらく灌木帯を下りていき六丈沢に合流したら六丈沢を下降し、途中から沢は氷だらけで下降しづらくなるので右岸の灌木帯を黄蓮谷まで下りました。(坊主滝上に下りたい場合は六丈沢出合付近で右岸から左岸へ横断して左岸を下りれば黄蓮谷に下りれます。今回は六丈沢出合付近が全面氷結していて先行パーティーはロープを出して懸垂下降で右岸から左岸へ横断していたので、ここでロープを出すならそのまま右岸を歩いて黄蓮谷まで下って坊主滝を登ろうとそのまま右岸を下りていきました。)
・六丈沢は過去下ったことのある五丈沢に比べれば沢床も右岸灌木帯もほとんど迷うこともなく歩きやすかったです。

【黄蓮谷右俣(3級上、Ⅳ-)】
・ロープは坊主の滝、奥千丈ノ滝200m出だしの滝、奥ノ滝で出しました。
・上3つの滝以外はフリーで登りました。
・ほぼ雪が無く氷が露出していてました。
・氷はしっかり発達していました。
・奥ノ滝から上はツボ足程度のラッセルでした。(私が歩いた時はツボ足のトレースが有りました。)
・風も無く見晴らしは良く氷の状態や雪の状態も良くて全体的に最高のコンディションだったと思います。

【下降】
・下降は山頂まで抜けて一般登山道の黒戸尾根を下山する。

★感想:

(山宮)最近入会した木村さんの希望で12/23~24で黄蓮谷右俣へ行ってきました。軽量化を理由に小屋泊を提案し、ぬくぬく小屋泊でのアタックとなりました(笑)黄蓮谷のコンディションが良いとのネットでの前情報通り雪はほぼ無く氷も発達してアイスクライミングには絶好のコンディションでした。今回以上のコンディションで登れる機会はもうないかも・・・(前回岩出くんと登ったときは奥千丈ノ滝200mは氷の回廊ではなくて雪の回廊で、奥ノ滝2段目はスクリューは半分しか入らないベルグラでシビアな登攀だったし奥ノ滝の下2つの滝も登った記憶が無いので登れる状態になかったか雪に埋まっていたかのどちらかだったと思いますが今回は快適に登れました。)ロープを出した滝は全て木村さんリードで登ってもらいました。楽しそうに登ってました。黄蓮谷後半はルーファイもトレーニング!と木村さんに先行してもらいましたがサクサク登っていく木村さんに対して私は足が出ず(足が痛い、攣るといったことではないのですが何だかやる気が出ない、黙々と歩けずに止まってしまうといった感じ。)離されました。木村さんにはご迷惑をお掛けしました。すみません。前回の山行を参考にして登山計画書を作成しましたが前回と違い後半の滝も全て登れたので余計に時間がかかり計画より遅い下山となりました。木村さんが景色も最高で楽しかったと言っていたので良しとしますが、私にはいつもの風景、しっかり標高差のある登山、ただのトレーニング山行でした。かなり疲れました。反省としては、装備についてですが、アイゼンのモノポイントだけ変えておけば何とかなると簡単に考えてましたがナメ滝アイス歩行では丸まったアイゼン足下の歯はしっかり決まらず滑りそうになり、アックスは変な角度で研いであり決まりにくく、今回初使用のグローブは硬めで握りにくくて苦労しました。(アックスは傾斜が緩い氷よりも立っている氷に決まりやすかったです。グローブな濡れても冷たくならなかったけど軽く握れないと使えないかなー)日常がいろいろ忙しくアックスとアイゼンを研ぐ暇が無かったこともありますが、ケチって2軍装備で行くのは考えものだなーと思いました。体力面ですが8月初めのチンネ敗退時の早月尾根、9月中旬の槍ヶ岳北鎌尾根以来に3ヶ月まともな登山をしてこなかったので今回は疲れました。体力落ちてました。フリーや日帰りアルパインも良いですが日頃から山登りしておかないといざという時に痛い目にあいますね。今後は山もしっかり登るようにします。

(木村)

甲斐駒ヶ岳 黄蓮谷 右俣

12/23 黒戸尾根登山口 9:00発、七丈小屋 14:30着
12/24 七丈小屋 4:30、山頂 13:30 登山口 20:00
12/25 自宅 4:30

・氷、天気、積雪とコンディションが良く快適でした。
 アイスのロングルートを100名山に突き上げる、クラシックルートのガイド本に載って有る様な体験が出来ました。
・今シーズンは右俣、左俣とも当たり年だと思います。 降雪が無い今がチャンスかと思います。
・七丈小屋までまとまった雪はありませんでした。
・右俣はラインを選び放題で待ちは無いです。 見かけただけで5パーティが入ってました。
・六丈沢下降、坊主滝の上に下りる予定だったが、六丈沢が完全に凍結していて雪も付いていないため トラバースが悪く、左岸を灌木伝いに下りて坊主の滝下に着地しました。坊主の滝はバッチリ凍ってました。
・ルート全体は、ナメ滝でバーチカルがちょこっとあるかな程度。仙人沢の糸滝を登れればスキル的には大丈夫です。但し、いちいちロープを出していられないので、小さなナメ滝はフリーで登る必要があり、確実なアイゼンワークが要求されます。
・最上部の奥の滝も全て凍ってました。巻無しで全ての滝を登ることが出来ました。
・ロープは、坊主とインゼルと奥の滝で3回出しました。
・上部の詰めもハイマツが見えてるくらいツボ足でサクッと登れました。
・標高差1200mを上り詰めてからの、黒戸尾根下山は本当に大変でした。天気が悪ければ体力を持って行かれたと思います。時間が許せば、もう一泊して下山に一日取った方が良いです。
・来年は、左俣にチャレンジしたいです。黒戸尾根は暫く歩きたくないですが…。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6305681.html

12/23、竹宇駒ヶ岳神社で安全祈願
刃渡りで顔見知りと遭遇(笹の平分岐でも顔見知りに遭遇)
小屋泊最高
12/24、六丈沢を下降
坊主の滝をフォローで登る山宮
二俣を右俣へ
右俣を詰める
奥千丈ノ滝200mの出だしの滝をリードする木村
奥千丈ノ滝200mをコンテで登る
インゼルから右へ
奥ノ滝3段60mの手前の25m滝
奥ノ滝3段60m
1段目は右から巻いて2段目からロープを出して木村リード
3段目も木村リード
氷のセクションは終わりあとは雪山を登るだけ
最後はハイマツ帯を登って登山道へ
登山道に合流
甲斐駒ヶ岳の山頂の木村

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。フリークライミング、クラッククライミング、アルパインクライミング、アイスクライミング、沢登り、山スキーなど幅広く活動しています。

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