稲子岳南壁左カンテ（八ヶ岳）

★山域：稲子岳南壁左カンテ（八ヶ岳）

★日付：2023.10.28（土）

★天気：晴れ→ガス（一時霰）

★山行形態：個人山行、アルパインクライミング

★参加者：山宮、神蔵

★ルート状況（2023.10.28現在のものです。）：

◆ミドリ池入口の駐車場～稲子岳南壁左カンテ取付
・駐車場から整備された一般登山道を歩いていきます。中山峠・本沢温泉分岐を過ぎてからしばらくして一般登山道を右に外れ、ピンクテープや薄い踏み跡を頼りに取付を目指して登っていきます。（GPSログの軌跡があると楽々迷わず取付まで辿り着けると思うのでGPSログの軌跡はダウンロードしておくことをお勧めします。）
・アプローチ途中にしらびそ小屋があります。

◆稲子岳南壁左カンテ（ルートグレードは参考にしたトポ図とあとは山宮の個人的な感想です。）

全体を通して
・浮石や落石には注意を払って登りましたが、気になるほどの岩は脆さはなかったです。
・終了点は全てハンガー2つでした。残置中間支点もそれなりにありました。
・クラックがそれなりにありカム等も使えます。（クラックにアックスでトルキングしたら大きな岩でしたが動く岩もありました。そういった箇所では岩が剥がれると悪いので他のホールドを使って登りました。）

1P　フェイス～階段状の凹角　15m（山宮リード）
・参考にしたトポにはグレードの記載はありませんでしたが体感Ⅱ～Ⅲ-ぐらい？（出だしがⅢ-かな？）
・特に問題なく登れました。
・残置中間支点はそれなりにありました。
・終了点はハンガー2つ。

2P　階段状～凹角　20m（神蔵リード）
・参考にしたトポにはグレードの記載はありませんでしたが体感Ⅱ～Ⅲ-ぐらい？
（凹角がⅢ-ぐらい？）
・特に問題なく登れました。
・残置中間支点はそれなりにありました。
・終了点はハンガー2つ。（階段状を登り切ったところにもハンガー2つの終了点がありましたが、神蔵さんはそこから凹角をもう少し上ったところの終了点を使用。）

3P　凹角～階段状　30m（山宮リード）
・参考にしたトポにはグレードの記載はありませんでしたが体感Ⅱ～Ⅲ-ぐらい？（凹角がⅢ-ぐらい？）
・特に問題なく登れました。
・残置中間支点はそれなりにありました。
・終了点はハンガー2つ。

4P　チムニー　15m　Ⅲ+（神蔵リード）
・左のクラックも登れるみたいでしたがリードの神蔵さんは右のチムニーを選択。バック＆フットで登りました。
・特に問題なく登れました。
・残置中間支点はそれなりにありました。
・終了点はハンガー2つ。

5P　歩き　40m（山宮リード）
・参考にしたトポにはグレードの記載はありませんでしたが体感Ⅰぐらい？
・右に見えるリッジ状の左下の踏み跡を辿って特に問題なく歩きました。ロープ無しでも歩けますが最終ピッチもあるのでアンザイレンしたままスタカットで歩きましたが、コンテでも問題なく歩けると思います。
・このピッチは歩きではなく右の脆いリッジ状を登ることも出来るみたいです。（下山後に確認。）少しでも多く登攀を楽しみたい方はどうぞ！！
・残置中間支点は無し。
・終了点はハンガー2つ。

6P　凹角～フェイス　25m　Ⅲ（神蔵リード）
・凹角を簡単な右寄りのラインを登ればⅡ～Ⅲぐらい？凹角を被った左寄りのラインから登るとⅢぐらいかな？フォローなので左寄りのラインを登りました。
・凹角を登ると左に短いフェイスが現れるのでそこも登りました。（フェイスの右に歩いて登れる踏み跡もありました。）
・特に問題なく登れました。
・残置中間支点はそれなりにありました。
・終了点は短いフェースを登り終えたところにハンガー2つ。

◆下降
・6P終了点でアンザイレン解除して登攀装備を片付け一般登山道を歩いて稲子岳へ。
・稲子岳からは北上するショートカットを利用。（踏み跡やピンクテープがあるので問題なく歩けました。）
・再び一般登山道に合流してからはにゅうを経由してしゃくなげ尾根を下ってミドリ池入口の駐車場まで下山しました。

★感想：

（山宮）神蔵さんのリクエストで八ヶ岳の稲子岳南壁左カンテを登ってきました。きたる登攀の前に1ステップしたいという神蔵さん。ヤマレコの記録等でよく目にする簡単なルートなので私にとってはアイゼントレにちょうどいいかな？と思いアックス＆アイゼンでチャレンジしてきました！・・・がしかし簡単なルートでアイゼントレの練習になりませんでした。（地元ゲレンデのカッタン岩や杉滝岩の方がまだ練習になるかなー）登攀中はガスらず景色は良かったです。アルパイン3回目の神蔵さんは良いトレーニングになったと言ってたのが唯一の収穫かな。

（神蔵）クライミングを始めた頃に行ってみたいなぁと思っていた初級者向けのルート。それから月日は流れ今回山宮さんがドラツーの練習を兼ねて行ってくれる事になりチャンス到来。アルパインクライミングはようやく去年デビューし今回で3回目。登攀力はジムでも磨けるけどアルパインはそれ以外の要素が肝だったりもするので場数を踏んで必要な能力を養うトレーニングとしては十分でした。クライミング自体もつるべで登れたしロープワークの実践練習にもなったので収穫は多かったです。そして今回初めてドラツースタイルなるものを目の当たりにしましたが山宮さんはアイゼンとアックスで器用に登っていて次元違いすぎでした。展望のクライミングと美しい苔の森のハイキング、北八ヶ岳を満喫した山行でした。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6124090.html