★山域:槍ヶ岳北鎌尾根(北アルプス)
★日付:2023.09.16(土)~18(月)
★天気:9/16 雲もあるが概ね晴れ。夕方にわか雨あり。9/17 雲もあるが概ね晴れ。陽射しが暑い。9/18 晴れ→槍の穂先から下山後稜線上はガス→お昼ぐらいから雨9/10 晴れ(雲はあっても太陽が雲に隠れることはほとんどなく陽射しが暑かった)
★山行形態:個人山行・アルパインクライミング
★参加者:山宮、高橋、米山
★コース:高瀬ダム→湯俣から水俣川へ入渓→千天出合から天上沢へ→北鎌尾根P2への取付→P2→P4(宿泊)→北鎌のコル→独標下の巻道開始地点→北鎌平(宿泊)→槍ヶ岳山頂→槍ヶ岳山荘→槍沢ロッヂ→横尾→徳澤園→明神館→上高地バスターミナル
★ルート状況(2023年9/18現在のものです。)
【高瀬ダム~水俣川入渓地点】
・ほぼ平坦な一般登山道です。
【水俣川入渓地点~天上沢~北鎌尾根P2取付】
・沢靴が有効というかベスト。軽量化のために沢靴を利用しないで下手な小細工をすると沢をさくさく歩けないで時間がかかると思います。
・水俣川は河原の水流を右に左と何回も横断しながら先に進みますが、今回は水量は少なかったのか腰まで浸かることはありませんでした。また、水流は場所によっては流されそうになるほど勢いのある場所もありましたが基本問題なかったです。
・水俣川は高巻くような滝はありませんでした。
・天上沢に入ると水量は多くなり水流も強くなる印象です。小滝も出てきて右岸を高巻く箇所が数か所あります。
・北鎌尾根P2取付にはケルン、ピンクテープあり。見落とし注意!!
・稜線上には水場が無いので北鎌尾根P2取付で必要な水分を沢水で補充して歩荷していきます。
【北鎌尾根P2取付~北鎌のコル】
・取付からP2までの尾根は薄い踏み跡のある急登。所々で岩混じりの登攀の箇所もありますがしっかりした灌木等があるのでそれらを使って問題なく登っていけます。
・尾根上は薄いですが踏み跡があります。ただしほぼ藪漕ぎです。灌木を使ってガシガシ登る箇所もあります。ここも数か所で岩混じりの登攀の箇所もありますがしっかりした灌木等があるのでそれらを使って問題なく登っていけます。
・P4がビバーク適地(今回宿泊)で、その前後にも小さいスペースですがビバーク適地はあります。(P2付近にもビバーク適地ありますが翌日以降の日程を考えるとP4付近まで進んだ方が良いと思います。)
・P5出だしの傾斜の立った草付岩部分は岩が脆く草付は滑るし良い灌木も無いしザックは重いし万が一でも落ちたアウトなのでフォローの2人にはロープを出しました。(山宮がフリーで登ってみてロープを出す判断をしました。)
・P6にあるザレている箇所は問題なく登れました。
【北鎌のコル~北鎌平】
・北鎌のコルからは人が多く入っているせいか踏み跡もより明瞭になり藪漕ぎもありません。
・独標は右からの巻道を選択しました。(直上ル-ト予定でしたが諸事情により変更。)
・それ以外の峰は基本尾根上を歩きました。(北鎌平一つ手前の峰は右からの巻き道が明瞭すぎてそこを辿って歩いていたら気が付いた時には峰に復帰せずに北鎌平の下部まで来てました。)
・北鎌のコル~北鎌平の間には何箇所かビバーク適地があります。(今回は北鎌平でビビバーク。)
【北鎌平~槍の穂先】
・北鎌平からは槍の穂先下部の左端に見えるカニのハサミを目指してガレた岩場を登っていきます。
・カニのハサミから一段上がると正面に壁が立ちはだかるのでその壁は階段状になっている右上ラインを登ります。登り終えるとまた正面に壁が立ちはだかるのでその壁は左から回り込み正面クラックの右のガバの多いフェースを登ります。左にトラバースできるところまでフェース登ったら(ここまで登ってくると山頂に人がいた場合は人が見えます。)左にトラバースして直上すると山頂の祠右に出ます。
【槍の穂先~上高地バスターミナル】
・良く整備された一般登山道でルート上に小屋もたくさんあります。
★感想:
(山宮)年始総会の計画ではこの3連休は北岳バットレスでしたが長いアプローチのアルパイン人気が無く参加メンバーがなかなか集まらず、テント予約問題もあり、今回はグレードをかなり下げて北鎌尾根に変更しました。北鎌尾根は2度目ですが高瀬ダムからのアプローチは初めてなのでドキドキ。下山も普通に新穂高温泉や上高地に下山するのではつまらないので燕山荘まで縦走して合戦尾根を下って中房温泉へ下山する計画を立てました。心配していた湯俣~北鎌P2取付までの沢区間ですが問題なく歩けました。北鎌P2取付から尾根に出るまでは薄いですが踏み跡もあり藪漕ぎと言う感じではなく急登ですが快適。尾根上も引き続き薄い踏み跡がありますが藪漕ぎが大変でうんざりしました。北鎌のコルからは快適な登山道でした。高橋さんの体調が万全ではなくかなりバテバテでペースも上がらずだったので、北鎌のコルで敗退するかどうか考えましたが高橋さんが『大丈夫です。行けます!』と言ったので先に進みました。(北鎌のコルから高橋さんの荷物のバーナー&コッヘル類は私がストックと共装のテントフライは米山さんが持って登りました。)北鎌のコルでは藪漕ぎ中に水筒を落とした高橋さんに横浜山の会さんから貴重なお水を分けて頂きありがとうございました。(分けて頂いた水は私が歩荷して北鎌平で高橋さんへ全部渡しました。)そのおかげでバテバテの高橋さんもなんとか最後まで頑張れて結果メンバー全員無事に北鎌を完登することができました!本当にありがとうございました。また何処かでお会いした時はよろしくお願いします。バリエーションルート初チャレンジの米山さんにいろいろ勉強してもらおうと何箇所かで先頭でルーファイしながら歩いてもらいました。一本道みたいなところは問題なく行けてましたが直登?右巻き?左巻き?みたいなところではたまに判断ミスとまでは言えませんがより簡単に通れるラインを見逃したりしてたので今後たくさん経験を積んでより良い条件のルートを選べるようになって欲しいです。(本人も、『あーそっちでしたかー』と後で分かっていたし、ルーファイのコツもしっかり教えたのですぐにルーファイも上手くなるでしょう。)前回右往左往した槍の穂先の登攀ですが今回は問題なくすんなり登れました。(下部はカニのハサミを目印にして登っていき、最後は右から左へトラバースして最後は直上ぐらいしか覚えてませんでしたがルーファイ上手くいきました。前回もカニのハサミから登りましたが中間部で迷って凹角を無理やり直上して最後の直上に繋げてました。今回のルート取りの方が簡単でした。)体調が万全ではない高橋さんを考慮して皆で協議して予定していた独標直登は止めて巻道を使用。最終日の燕山荘までの縦走も取り止めて上高地へ下りました。上高地までの長い道のちは退屈でした。夜は寒くなくダウン上下とも必要なかったです。(3シーズン用シュラフも暑くて夜が更けて気温が下がるまでシュラフに入らず布団代わりにしてました。)最終日の明神館以降で雨に降られましたがレイン下も未使用でした。もう少し荷物を減らせることができるかなーと思いました。反省点というか改善できる点としては今回朝食と夕食はお湯を沸かして作るものを持っていきましたが稜線上に水場は無く歩荷する量も限度があるので飲み水は加減しながら飲みました。最初からお湯を使わないものでの朝食と夕食を持ってきていれば水の量を気にせずに水を飲めたのになー。と反省しました。次に水問題のある尾根を歩く時はあまり好きではない菓子パンも食事の選択肢に入れようと思いました。
(高橋)昨年から狙っていた北鎌尾根に行くことが出来ました。下山途中に雨が降りましたが、山頂へは最高のタイミングで立てました。山宮さん、米山さんありがとうございます。今回の反省①P2取付きから北鎌のコルまでの藪漕ぎで、体力を使い切ってしまい登攀のペース配分に課題。②疲れからルーファイが曖昧となり、近道を選んだ結果危ない目に合うこともあった。③藪漕ぎのなか水筒を外付けにしていたため、水筒を落としてしまった。幽ノ沢でも指摘を受けていた事が活かされていない。反省点を活かしながら今後に繋げていきます。
(米山)初のバリエーションルートでしたが、山宮さん、高橋さんにアドバイスを頂きながら無事、槍の穂先を踏むことができました。初級ルートとのことですが私には緊張の続く3日間でした。無事下山できて良かったです。ありがとうございました。以下、所感です。①地形図見ても現在地の推測が難しい。基本は小まめに地図見ながら進むべきだが、藪漕ぎや登攀に必死になるといつの間にか位置を見失う。②ルーファイは慎重に。巻き道があれば利用するが、足元のガレ具合や岩の脆さ、手前のピークから先の行程のチェックなど、良く観察して適切なルートを選ぶ。③登攀中に掴む岩は信用しない。掴んだ岩がヌルッと動いたときは冷や汗がでた。④荷物は軽量化して挑みましたが、それでも皆さんについていくは大変でした。余裕持った行動をするためにも、まだまだ体力が必要と感じた次第です。
★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5956585.html
































