一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜(谷川岳)

★山域:一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜(谷川岳)

★日付:2023.06.21(水)

★天気:稜線上ガスガス→晴れ

★山行形態:個人山行、アルパインクライミング

★参加者:山宮(L)、神蔵

★ルート:谷川岳インフォメーションセンター駐車場→一ノ倉沢出合→(夏巻き道)→(一ノ倉沢の雪渓)→テールリッジ基部→(テールリッジを登る)→中央稜取付→南稜テラス→(南稜を登攀)→南稜終了点→(6ルンゼ右俣~南稜を懸垂下降)→烏帽子スラブ横断バンド→中央稜取付→(テールリッジを下る)→テールリッジ基部→(一ノ倉沢の雪渓を下る)→一ノ倉沢出合 →谷川岳インフォメーションセンター駐車場

★ルート状況(2023年6/21現在のものです。)

◆アプローチ
【一ノ倉沢出合~テールリッジ基部】
・一ノ倉沢出合からテールリッジ基部まで雪渓通しで歩けません。右岸の夏の高巻き道を使いしばらく登ってから沢へ下りて雪渓の無い沢を雪渓末端まで少し歩いて雪渓に乗ってからは雪渓の通しでテールリッジ基部まで歩きました。
・雪渓歩きに慣れてない人はチェーンスパイク等があると安心だと思います。

【テールリッジ基部~中央稜取付~南稜テラス】
・岩が乾いている状態なら問題なく歩けますが濡れているときはスリップ注意!!(濡れ防止や軽さをも求めてアプローチシューズ以外の靴を履いてくると濡れている岩では滑って怖いらしいです。靴が濡れることは諦め靴下はクライミング時用の替えのものを携行してくることをお勧めします。)
・残置フィックスを使用する場合は大丈夫そうか確認しましょう!!

◆一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜(3級上、Ⅴ)

1P フェイスを左のカンテ側から登り、バンドを右へ移動してチムニーを直上 Ⅳ(山宮リード)
・チムニー内が乾いてて快適でした。
・フォローの人がフェイス左のカンテ側から登るときにロープが右側(チムニー側)に伸びているので、それが角岩に引っ掛からないよう注意したほうがいいです。
・残置中間支点は豊富。

2P フェイスを右上から直上 Ⅳ(神蔵リード)
・フェイスのバンド?ぽいところを右上すると残置支点を見つけることができ、その後は直上。
・残置中間支点はそこそこあります。

3P 草付~短い垂壁 Ⅲ(山宮リード)
・トポには草付40m、短い垂壁20mと2ピッチで書いてありましたが、いつも懸垂下降で50mロープで短い垂壁上の終了点から2P目終了点までギリ届いてた距離なので普通に問題なくいけるだろうと思い登ってみましたが、結果は届きませんでした。(今回、私は足りなかった5mほどをビレイ解除してもらってフリーで登りましたが、落ちたらアウトなので注意してください!!)短い垂壁下で『ロープ残りあと少しです』とコールされたら普通はピッチきるか(笑)(ピッチの切り方は後続パーティーで知り合いの谷川に精通しているKnzさんから聞いたのが正解と言うかしっくりくると思いました。それは草付をコンテで登って短い垂壁下からスタカットで登ってビレイ点を今回のビレイ点のもう1段上のビレイ点を使用する。そして次の馬の背リッジへの登りはその終了点からすぐ右に回って登るのが一番簡単に登れると教えてもらいました。)
・残置中間支点はそこそこあります。(草付には無い。)

4P 6ルンゼ右俣の右の岩場から右の馬の背リッジへ上がり凹角手前まで登る Ⅲ(神蔵リード→山宮リード)
・ルーファイ注意!!(ルートどりについては感想に書いておきました。)神蔵さんが馬の背リッジに上がるタイミングを見失い6ルンゼ右俣と馬の背リッジの間を直進して最後に傾斜のある草付ぽいところを登るルートを選択(最後はたぶん悪いはず)していたので、後ろからルート修正を指示するも傾斜が出だす手前でピッチ切れる終了点がありリードを変わって欲しいと言われたのでそこでピッチを切ってもらう。その後そこまでフォローで登って交代、リードで少し戻ったところから馬の背リッジに上り4P目の凹角手前の終了点を越えて垂壁下の終了点まで登りました。
・馬の背リッジは岩が脆いので注意!!
・残置中間支点は豊富。

5P 凹角~垂壁 Ⅴ(山宮リード)
・凹角はほとんど凹角左側の岩の右のほうを使って登りました。(凹角内は草付ガレでスタンスになる岩もあるがほとんど使わない。凹角右側の岩の左のほうはプッシュウやスタンスで上手く使えれば楽に登れる。)
・垂壁はホールドは豊富ですが上部にいくほど外傾ホールド率が高くなる。濡れていると外傾ホールドにスタンスを置くのがスリップしそうで嫌らしい。
・残置中間支点は豊富。

◆下降

【6ルンゼ右俣~南稜ルート~烏帽子スラブ横断バンド】
・懸垂下降5回(50mロープ2本で6ルンゼ右俣を2回、南稜ルートを3回)で南稜テラスまで下りました。その後、南稜テラスからクライムダウンして南稜フランケ取付支点から50mロープ1本で傾斜の緩むところまで最後に1回懸垂下降してからロープを片付けました。

【烏帽子スラブ横断バンド~中央稜取付~テールリッジ基部】
・傾斜の急なところはクライムダウン、その他は普通に下りました。
・残置フィックスを使用する場合は大丈夫そうか確認しましょう!!

【テールリッジ基部~一ノ倉沢出合】
・特に問題なく下りました。

★感想:

(山宮)しばらく雨が降らなかったようで岩が乾いていて快適でした!!1P目のチムニー内も4P目出だしのつるつるスラブも最終ピッチのビレイ点のつるつるしたスラブ岩も外傾ボールドが豊富な垂壁も全然濡れていなくてフリクションばっちり!!楽しく登れました。(南稜は4回目ですがこんなに岩が乾いていたのは初めてでした!)平日なので貸切だろうと思ってましたが南稜テラスで準備していると後ろからのパーティーが・・・そしてまさかの南稜へ向かって来る。神蔵さんから『山宮さんの知り合いなんじゃないですかー?(笑)』と言われ『そんなわけないでしょー』と軽返事を返しましたが、まさかのO山岳会のKnzさんでした(笑)

(神蔵)山宮さんにわがままを言って平日の南稜へ。オールフォローのつもりで行ったのが場の流れで2ピッチリードすることに。結果ピンが見えるフェイスは良かったけどそうでないピッチでは正規ルートを見失いルート修正してもらう始末(お助けビレイポイントに救われた)。入門コースといえども初見でのルーファイはアルパイン初心者のわたしには難しく感じました。復路の懸垂下降では繰り出し式の下降がいかに有効か実際に見ることが出来たので今後もロープワークの練習メニューに入れていこうと思います。初めての一ノ倉沢でしたが眺望素晴らしくクライミング自体も岩が乾いていたので快適で楽しかったです。また機会があれば挑戦したいです。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5636255.html

マチガ沢を通過する
一ノ倉沢の雪渓を登る
テールリッジを登る
テールリッジを登ってくる神蔵
南稜1P目を登ってくる神蔵
2P目をリードする神蔵
3P目リード中。ここでロープいっぱいになったのでビレイ解除してもらい目の前の終了点までフリーで登る
4P目をリードする神蔵。この後行き詰まってリード交代
4P目馬の背リッジを登ってくる神蔵。景色を楽しむ余裕あり!
5P目を登ってくる神蔵
6ルンゼ右俣からの懸垂下降
2回目の懸垂下降の神蔵
テールリッジを下降する

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。フリークライミング、クラッククライミング、アルパインクライミング、アイスクライミング、沢登り、山スキーなど幅広く活動しています。

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