★山域:大同心北西稜(八ヶ岳)
★日付:2022.11.19(土)
★天気:晴れ
★山行形態:個人山行・アルパインクライミング
★参加者:山宮(L)、進藤み、進藤ま
★ルート状況(2022年11/19現在のものです。)
◆アプローチ
・赤岳山荘から赤岳鉱泉の道にはまだ雪は無く普通の登山道です。
・大同心稜には薄っすらと雪が残っているところもありましたがまだ夏道でした。
◆大同心北西稜(?級 Ⅴ+)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)
【全体を通して】
・ガバが多いですが1点に集中して荷重すると岩がもげるので荷重が分散するように登ったほうが良いです。(1つもげてもフォールしない登り方がいいと思います。)
・1P目終了点から左にトラバースしてルンゼ内に入るのですが、ルンゼ内は複雑な地形なので初見の場合は事前に情報収集しておくことをお勧めします。(北西稜のラインは右に見えるスカイライン沿いです。)
・トポには残置支点が少ないと書いてありますが、それなりに残置支点はあるほうだと思います。
・登攀に影響するほどの雪はまだありませんでした。(逆に氷化してないので岩が脆かったと思います。草付もガッチリ凍ってはいませんでした。)
【1P 草付~ピナクル右の凹角上まで 25m Ⅳ-】(進藤みリード)
・顕著なピナクルを目指して草付斜面をトラバース~ピナクル右の凹角を登る。
・スタンスやホールドが豊富にあり快適に登れます。凍ってない草付でもアックスがそれなりに決まるので快適です。
・特に問題なく登れました。
・登攀開始地点の支点は灌木で構築。
・残置中間支点はそこそこあり、出だしは灌木で取りました。
・終了点は凹角を登りきったところにあるハンガーと残置ハーケンで構築。
【2P バンドを左にトラバース~ルンゼ内の岩まじりの草付を右上 80m Ⅱ】(コンテ)
・1P目終了点からバンドを左にトラバースしてルンゼ内に入り右に見えるスカイライン沿いの北西稜へと右上する。
・コンテで特に問題なく登れました。
・残置中間支点はありません。(見つけてないだけかな?)
・終了点は青い残置スリングのある残置ハーケン2つで構築。
【3P 岩まじりの草付 30m Ⅲ+】(進藤みリード)
・岩と草付のミックスを登る。
・正面の凹角気味のラインを2段上ぐらいまで登って右のスカイライン沿いのライン1段上のテラスまで登るラインが登りやすいというか自然なラインだと思います。
・特に問題なく登れました。
・残置中間支点は2~3ぐらいだったかな?(リードしてないし忘れた。)
・終了点はハンガー2つで構築。
【4P 傾斜のある凹角~垂壁の草付 30m Ⅴ】(山宮リード)
・凹角~垂壁を登る。
・凹角も垂壁もガバが多いしスタンスも豊富でステミングすると安定して全然疲れないのでクライミングの難しさはありませんが、岩がもろいので登り方は要注意です!!
・リード、フォロー2人の全員が掴んだ岩がもげてましたが、フォールすることはなく登れました。
・残置中間支点は豊富にあります。
・終了点はリングボルト2つで構築。(終了点にしたリングボルト2つの左側にもハンガーとリングボルトがあり、そこからバックアップを取りました。)
【5P 正面側に回り込んでフェース~凹状 50m Ⅳ+】(山宮リード)
・正面側に回り込んで(4P目終了点から右へ回り込んで)フェースを登り凹状を灌木帯の斜面まで登る。
・フェースはガバが多いしスタンスも豊富でステミングすると安定して全然疲れないのでクライミングの難しさはありませんが、岩がもろいので登り方は要注意です!!凹状に入ると傾斜が緩くなります。
・ここも掴んだ岩がもげないかと冷や冷やしながらリードしましたが岩がもげることはなく登れました。
・残置中間支点はそれなりにありますが、フェースにある2つ目だったか3つ目の残置ハーケンはぐらぐらしていました。(この残置ハーケンはリードのフォールに耐えれないと思います・・・。)
・終了点は凹状を抜けて灌木帯の斜面になる適当なところの灌木で構築。
【6P 灌木多めの稜線 60m】(コンテ)
・灌木がそこそこうるさい稜線を歩く。
・コンテで特に問題なく登れました。
・終了点は灌木で構築。
【7P 短いワイドクラック~傾斜の緩い草付フェース 30m Ⅴ+】(山宮リード)
・出だしが薄被りした短いワイドクラックを登って傾斜の緩くなった草付フェースを大同心の頭まで登る。
・短いワイドクラックは出だしが薄被りしていてこれを乗っ越すまでが核心で、前回は雪でホールドが見えない状態で雪の下にフッキングしたアックスを信用できず思いっきって行けずに躊躇していて力尽きテンションしたのですが、今回は普通に登れました。(ハンドジャムでスタンスを上げて身体を上げていくとクラック内のチョックストーンが見えてそこにアックスがフッキングできるので安心して乗っ越せます。)
・残置支点は豊富にありました。
・終了点は大きな岩にメインロープを巻いて構築。
◆下降
・大同心の頭から大同心の基部までは稜線上への道を下降し途中から小同心側のルンゼの方へ(道を右側へ)下降しました。ルンゼには懸垂下降の支点が何箇所かありましたが今回はクライムダウンで下りました。
・大同心基部からは踏み跡のある大同心稜を下って大同心沢への分岐まで下りました。
★感想:
(山宮)昨年と違い雪が無い時期で岩が氷化していないからなのか岩がもろかったように感じました。(実際、3人共岩をもいでます・・・。)初見だった昨年よりは迷わずスムーズに登れました。また1年で少しは成長したのか難しくは感じませんでした。終日天気は良かったのですが大同心北西稜は頭に抜けるまで日陰なので太陽の恩恵は受けられませんでした。乾燥した空気の風が冷たくバラクラバをしてない顔面が寒かったです。(途中から鼻水が出っぱなしで、くしゃみばかりしてました・・・)時間と体力に余裕があれば大同心南稜を継続登攀する予定でしたが協議の結果、止めました。冬期アルパインクライミングに向けて良いアイゼントレができました!!
(進藤み)ここ数年天候による途中敗退や山行中止等でいい思い出が少ない八ヶ岳へアイゼントレに行って来ました。ダブルアックスを駆使し岩は凍っている時以上にとても脆く荷重して確認してから登ってももげたり…ピックを草・泥つきに差し、決めながら泥臭く登ったりで痺れました!!そして体が空中に出ていく様な高度感、露出感のなか登り、それと最後に待っている絶景のなか最高の達成感を迎えられ久しぶりにアルパインの楽しさを満喫できた北西稜でした。これで冬のアイスやアルパインに向けての足慣らしは準備OKです。日帰りは私にはハードでした(笑)
(進藤ま)急遽決まって時間の無いなか北西稜の情報をトポやネットで得ようとしましたが1ピッチ目しか頭に入らず…更に高度障害で体調不良もあり登攀は全て安心のフォローだったので快適に登れましたがこのルートの核心である5ピッチ目をアンダーで岩を掴んでいたグローブが段々とずれ、もう無理だ〰️っとA0しようとして掴んだ瞬間グローブが弾け飛びその反動でヌンチャクからも手が外れてしまい痛恨のフォール〰️今回グローブはテムレスで挑みましたが、やはり手首にマジックテープ等があるグローブでないとずれてしまってダメだと思いました。北西稜はずっと日陰なので天気が良いといえど寒かったですが風がそれほど無かったので助かりました。最終ピッチを登り終え大同心の頭に出たときは暖かい陽射したっぷりの終了点で最高の気持ちと達成感で満ち溢れました♪アプローチでは赤岳鉱泉までは高度障害の症状は出ずまずまずでしたがその先からが辛かったです。2人より大部遅れをとってしまいました。やはりアプローチ核心でした〰️八ヶ岳のアルパインは泊まりでないと厳しいです・・・
★山行の詳細はヤマップ&ヤマレコにアップしてあります。
https://yamap.com/activities/21070937
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4939418.html

































