幽ノ沢右俣V字状岩壁右ルート(谷川岳)

★山域:幽ノ右俣V字状岩壁右ルート(谷川岳)

★日付:2022.09.11(日)

★天気:晴れ→曇り→晴れ

★山行形態:山岳会山行、アルパインクライミング

★参加者:山宮(CL)、石附(SL)、吉川、高橋、岸畑、羽田、銅谷、神蔵、工藤

★ルート:谷川岳ベースプラザ→一ノ倉沢出合→幽ノ沢出合→二俣→カールボーデン→V字状岩壁右ルート取付→(V字状岩壁右ルートを登攀)→V字状岩壁右ルート登攀終了点→石楠花尾根→堅炭尾根→(中芝新道を登る)→一ノ倉岳→谷川岳→(西黒尾根を下山) →谷川岳ベースプラザ

★班編成

 1班 石附、高橋、工藤(リード:5Pを工藤、6Pを高橋、その他を石附、かな?)
 2班 吉川、羽田(リード:奇数ピッチを羽田、偶数ピッチを吉川)
 3班 銅谷、岸畑(リード:1P・3P・5~6P・8Pを銅谷、2P・4P・7P・9Pを岸畑)
 4班 山宮、神蔵(リード:3Pと9Pを神蔵、その他を山宮)

★ルート状況(2022年9/11現在のものです。ルートグレードは参考にしたトポ図からで、あとは個人的な感想です。)

◆アプローチ(幽ノ沢出合~カールボーデンの平らなところ)
・幽ノ沢出合~カールボーデンまでは沢登りになるので靴はアプローチや下山でも履けるラバーの沢靴が良いと思います。(今回アプローチシューズは9人中2人)
・二俣下の滝の手前のナメ最後のところは細かいスタンスを拾って登りましたが滑るとドボンなので沢靴でない人は慎重に!(今回は残置フィックスもありそれも使えましたが、昨年秋には残置はなかったです。)
・二俣下の大滝は滝左側をフリーで登りました。滝上には終了点があります。後続メンバーには念のためロープを出してフィックスして必要な人はタイブロック等を使い登ってました。
・二俣からは右俣へ。右俣は何本か直登するには苔むした滝があるのでサイドの岩や草付から越えていきました。
・カールボーデンは平らなところまでは問題なく登れます。

◆アプローチ(カールボーデンの平らなところ~取付テラス)
・カールボーデンの平らなところから暫く登ると傾斜が強くなっていきます。1・2班は傾斜の強くなりはじめるところからロープを出してアンザイレン開始して3Pで取付まで登ってました。(終了点は1P目と2P目は複数残置の終了点を使用し3P目は取付の支点を使用。)3・4班はフリーで登りました。(体感グレード Ⅲ)
・取付テラスは広くないので先行パーティーがいる場合は安定した場所で先行パーティーが空くのを待った方がいいです。(3~4人で満員かな)

◆幽ノ沢右俣V字状岩壁右ルート(3級、Ⅳ)

【ルート全般】
・リスはそれなりにあるのでハーケンは使えます。(易しいピッチは残置中間支点がほとんどありませんが、核心ピッチにはそれなりにあります。)
・前日までの数日の雨のせいか岩が濡れているところもありました。
・参考にしたトポは大雑把であまりあてになりませんでした。(特にロープスケルと終了点が。)

【1P ルンゼを渡ってスラブをトラバースし、T2へ Ⅲ 60m】
・トポ1P目60mの前半。取付テラスからトラバースして右俣リンネの流水溝を横切りリッジ上のテラスへ上がりピッチを切った。
・特に問題なく登る。
・取付はRCCボルト2つ。(ここは草に隠れていて見つけにくいので注意!!また上に中央壁右フェースルートの残置スリングの付いた取付支点があるので間違って登りすぎないように注意!!)
・残置中間支点は2つ。
・ロープスケルは25~30mぐらい?
・終了点については忘れたが、複数のリングボルトとハーケンの残置があったことは確か。
 
【2P ルンゼを渡ってスラブをトラバースし、T2へ Ⅲ 60m】
・トポ1P目60mの後半。リッジ上のテラスからクライムダウンして要テラスまでトラバース~右上。(クライムダウンする個所に残置ロープあり。)
・相変わらずクライムダウンが悪いがそれ以外は問題なし。
・残置中間支点は1つ。
・ロープスケルは30mぐらい?
・終了点は複数の残置ハーケンとリングボルト。

【3P 草付スラブ~やや急なフェース Ⅳ 40m】
・トポ2P目。草付スラブを右上してフェースを登る。
・残置中間支点はフェースに3つ。
・フェースのスタンスは細かいがしっかり乗れるので問題なく登れる。
・ロープスケルは30~35mぐらい?
・終了点はハンガー2つ

【4P 草付スラブを左上~右上 Ⅲ 40m】
・トポ3P目。草付スラブを左上すると右に残置中間支点が見えて気になるがそちらへ戻ると難しくなるので飛ばして良いと思います。ピッチ中間にある昔の終了点あたりからスラブを右上していきます。終了点手前のスラブは傾斜が増しほぼ垂直になるのでそこを直上せずに傾斜の緩い左を登り右へトラバースして終了点へ。
・終了点手前のスラブの傾斜の緩い左の登りは岩が濡れて外傾していたのでランナウトして登っていた私はフォールしないよう緊張しながら登りました。
・残置中間支点はほとんどありません。(草付で残置中間はよく見えなかっただけかもしれません。私はピッチ中間の昔の終了点で1つ取って登りました。)
・右上しないで直上すると残置中間支点が豊富にあるみたいですが、そこで多めにとっていくと4P終了点まで50mロープが届きません。(3班リードの岸畑さんは微妙なところで終了点を構築してビレイするはめになってました。)
・ピッチ中間に昔の終了点あります。(ここを3P目の終了点としてピッチを切れば次に4~5P目を繋げて登れて5P目終了点までロープを伸ばせるかも。)
・ロープスケルは45~47mぐらい?
・終了点はリングボルト2つ。

【5P フェースを右から巻いて垂壁下へ Ⅲ 20m】
・トポ4P目。フェースを少し登って左のバンドへ。
・特に問題なく登れます。
・残置中間支点は1つ。
・ロープスケルは8~10m。
・終了点は残置ハーケンが複数あるところ。
・3班と4班は5~6Pを繋げて登りました。

【6P 垂壁下を左に出て、ルンゼ Ⅳ 40m】
・トポ5P目。ルンゼを登り左のリッジに上がり最後にルンゼ抜け口のある右のフェイスを登る。ルンゼ抜け口のフェースはスタンス外傾していて濡れていたのでスリッブしないよう力が入りました!
・ルンゼは岩が濡れているところが多かったです。細かいですがスタンスが豊富にあるので問題なく登れます。
・残置中間支点は豊富にあります。(核心のルンゼ抜け口手前にはハンガーも1つあります。)
・ロープスケルは40~45mぐらい?
・終了点は残置ハーケン1つとリングボルト1つ。それと角岩にスリングでバックアップを取りました。(3班はここからもう少し上の残置ハーケン1つにハーケン2つを追加して終了点を構築してました。)

【7P フェース~ルンゼ状チムニー Ⅳ 30m】
・トポ6P目。階段状のフェースからルンゼ状のチムニーを登る。出だしのチムニーはステミングで登り後半のチムニーは両脇の階段状を登る。(私は左側を登りました。)
・この日は後半のチムニーの岩が濡れていて1箇所チムニー状の抜け口で滑りそうでランナウトしていて怖かったのでちゃんと手前で中間支点を取りました。
・残置中間支点は豊富にあります。(3班とピッチを切った場所が違ってたので3班フォローがビレイ中に私はランナウトしながらリードで登りましたが、上記のチムニー状の抜け口で滑りそうでリスキーだったのでちゃんと中間支点を取りました。)
・ピッチ中間に終了点あります。(3班はここで7P目のピッチを切ってました。)
・ロープスケルは25~30mぐらい?
・終了点はルンゼ状のチムニーが終わったところの右に残置ハーケン2つ。(草で良く見えないので注意!!)

【8P 草付リッジを石楠花尾根へ Ⅱ 80m】
・トポ7P目の前半。終了点からフェースを登りレッジを左上して草付ルンゼへ移る。草付ルンゼを登ると尾根へ出る。
・草付ルンゼの足元は段々になっているが泥なので滑る。また手がかりになる灌木がなく抜けそうな草を頼りに登るので微妙な登りになる。
・残置中間支点はフェースに2つ。
・ロープスケルは25~30mぐらい?
・終了点は尾根上の岩肌にあった残置ハーケンが4つ。(尾根上は灌木も豊富にあるので灌木にスリングでも構築できる。)
・ここでロープを片付けても良いと思いましたが、念のためロープ出して次のピッチも登りました。

【9P 草付リッジを石楠花尾根へ Ⅱ 80m】
・トポ7P目の後半。灌木と岩の尾根を登る。
・残置中間支点は無し。灌木でいくらでも取れる。
・ロープスケルは30~40mぐらい?
・終了点はハンガー1つ。(ハンガーでセルフビレイを取り肩絡みビレイでフォローを上げる。)

◆V字状岩壁右ルート終了点~堅炭尾根
・V字状岩壁右ルート終了点でアンザイレン解除。ロープや要らないギアはザックに片付けクライミングシューズからアプローチシューズ又はラバーの沢靴に履き替えました。
・終了点から正面に見える岩峰は左から巻き、そこから薄い踏み跡の草付を登っていき岩に突き当たったら左から回り込み直上する。しばらく藪漕ぎすると堅炭尾根へと出る。

◆堅炭尾根~一ノ倉岳~谷川岳~西黒尾根
・堅炭尾根から一ノ倉岳へは廃道扱いの中芝新道を登ります。熊笹が繁茂していて歩き辛く想定より1.5倍の時間がかかりました。踏み跡も微妙でルートどりも適当に登れそうなところを登りました。(夜間や霧などで視界不良の時は道迷いに注意!!)
・一ノ倉岳~谷川岳~西黒尾根~谷川ベースプラザは一般登山道なので快適でした。

※谷川岳登山指導センターの掲示板に中芝新道は廃道扱いとなっている書いてあります。笹が繫茂していて踏み跡がわかりづらいので夜間や霧などで視界不良の時に下山で使用する場合には道迷いに注意してください。

★感想:

(山宮)9/11(日)は山岳会山行で幽ノ沢右俣V字状岩壁右ルートへアルパインクライミングに行ってきました。当初は1・2班が右ルート、3・4班が左ルートに分かれて登る予定でしたが岩のコンディションや参加メンバーの希望で全班が右ルートを登りました。前日の滝沢大滝と合わせて2日間とも長時間行動だったので体重も大幅に減ったんじゃないかと期待しましたが、家で測ったら1キロも減ってなくて愕然としました。。2P目出だしのクライムダウンでA0を1度した以外は岩が濡れていてもフリーで登れて良かったです。幽ノ沢は静かで良い場所ですが、堅炭尾根の芝倉新道(廃道扱い)の荒れ具合が酷く、それが山行のネックになるのかなーと思いました。取付までロープを出して登ったこと、経験不足からくるルーファイ能力の低さ(残置支点を見つけることができる視野の広さや弱点を突くルートどり)、また登攀スピードの遅さ(残置支点が無くても登っていける登攀力)から時間が押してしまい堅炭尾根の中芝新道に合流したのは予定より2時間遅れの16時でした。一ノ倉岳までの道も想定より藪化していて予定よりも45分遅くれの17時45分着。一般登山道になる一ノ倉岳からは私を含めた他メンバー6人はペースが上がり4時間予定のところを3時間30分で下山完了。(銅谷さんと羽田と最後尾を任せたSLの石附さんは24時下山でした。)今回の会山行はある意味アルパインクライミングの要素が詰まった有意義な山行だったと思いますが、登山計画書作成の段階で時間管理の読みが甘く夜遅くまでの残業になってしまいました。心配をかけ大変申し訳ありませんでした。個人の力量の把握しておくのも大事だと感じる山行になりました。

(石附)幽ノ沢参加者の皆さん、お疲れ様でした。今回はアルパインの厳しさを実感することになったかと思います。私はハーケン、捨て縄の数が足りなかったり、飲み水が足りなかったり、体力不足だったり、色々反省が残る山行でした。各々の反省点を今後に生かしていきましょう!

(吉川)人生初の谷川岳登頂が人生初のヘッデン下山でした。行動時間も人生最長記録と、大変思い出に残る山行になりました。クライミング自体は濡れ場が多くすべりました。また、フリーで稜線に上がる際ルーファイをミスって進退極まったところを岸畑さんに先導してもらって事なきを得ました。

(高橋)今回はいろいろ反省する山行でした。濡れた岩場でフォール。その際にしまっていた飲み物等を落としてしまいました。後続の皆さんすみませんでした。登攀の効率、装備、スタミナ等課題を克服していきます。

(岸畑)登攀自体は特に難しくは感じなかったですが、ロープの長さが足りなくなったりとピッチを切る場所が難しかったです。

(羽田)一ノ倉とは対象的な開けた明るいカールボーデンを楽しみにしていました。前半の沢登りから始まり、手足の置く岩を確認しながら登り、ルーファイを楽しみながらのクライミングができました。ほとんどが昔の支点とスリングでこれを使用するのは慎重にならなければいけないと思います。後半の破漕ぎから下山までは体力勝負。ここで日頃のトレーニング不足を実感し、アルパインクライミングの楽しさと厳しさを、心 しました。リーダーをはじめ長い一日をサポートして下さった皆様、本当にありがとうございました。

(銅谷)カールボーデンで左ルートから右ルートに変更になりトポ図のみの情報でルーファイが不安の中でのスタートでしたが核心Pもリードで行ったり、終了点までロープが足りず始めて自分でハーケンを打って終了点を作ったり。灌木や草を束ねて終了点を作るPもあり良い勉強と経験になりました。堅炭尾根〜一ノ倉岳への頭まで隠れる笹の藪漕ぎに体力を奪われてしまい水も無くなり辛かったです。西黒尾根の下山も遅くなり皆さんを遅い時間まで待たせてしまい大変迷惑をかけてしまいました。事務局の皆さんにもご心配おかけしました。1日ありがとうございました。

(神蔵)カールボーデンへ向かう道中で左ルートから右ルートへ変更になり少し気持ちがラクに!!不安だったロープワークはこれまでに較べると落ち着いて出来たと思います。今回の山行に備え何度も練習に付き合い送り出してくれたみつるさん&まり子さんに改めて感謝です。アルパインクライミングは初参戦でしたが山での総合力が試されるのだなぁという印象。初体験にしてアルパインの醍醐味を大いにあじわいました。遅い下山になったものの各自が自分のペースで確実に前進し全員無事に計画を全う出来たのは素晴らしい事だと思います。天候に恵まれ展望も堪能できたし完全燃焼の充実した1日でした。

(工藤)山宮会長の過去の記録とトポを読み込んで行ったつもりでしたが、いざ現地へ行ってみるとどちらへ向かっていっていいものか、ピッチを切っていいものか悩み間違え時間をロスしてしまいました。1番手のパーティーでしたが時短にこだわる意識が全く足りませんでした。トポと実際の地形の照らし合わせが速やかに出来るよう経験を積みたいです。私も行動時間人生最長記録。次回に活かせる収穫も多く記憶に残る山行でした。皆様ありがとうございました。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4674979.html

幽ノ沢出合から幽ノ沢へ
二俣下の大滝を登る
念のため後続にロープを出し、ロープを使う人は使う
二俣を右俣へ
苔たところは登れないので右から登る
ここは左から登る
ここは右の草付を登る
最後は左から登る
カールボーデンを登る
カールボーデンの平らなところで靴を履き替えロープ以外の装備を換装
1班と2班が取付を目指して登っていきます
1班と2班は傾斜の強くなるところから取付までをロープを出して3Pで登ってました
班と4班は傾斜の強くなるところから取付までをフリーで登る
1P目をリードする銅谷
2P目をリードする山宮
3P目をリードする羽田
3P目をリードする銅谷
3P目をリードする神蔵
3P目終了点でビレイする神蔵
4P目を登ってくる神蔵
5~6P目の核心のルンゼ抜け口
5~6P目を登ってくる神蔵
7P目をリードする山宮
7P目を登ってくる神蔵
8P目をリードする山宮
1班は登攀を終えて石楠花尾根から堅炭尾根を目指して歩きはじめる
堅炭尾根を目指す1班
2~4班も石楠花尾根から堅炭尾根を目指して歩きはじめる
堅炭尾根を目指す2~4班のメンバー
堅炭尾根を目指して藪漕ぎ
廃道扱いの中芝新道から一ノ倉岳を目指して歩く
熊笹帯の藪漕ぎ
熊笹帯の藪漕ぎ
熊笹帯の藪漕ぎ
熊笹帯の藪漕ぎ
熊笹にかくれんぼ?(笑)
ようやく一ノ倉岳避難小屋が見えました
日没前に一ノ倉岳に到着
一ノ倉岳から見えた夕日
谷川岳へ向けて歩きはじめる
谷川岳(オキの耳)初登頂の吉川

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。「角田山からヒマラヤまで!!」を合言葉にアルパインクライミングを中心に活動しています。

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