★山域:一ノ倉沢烏帽子沢奥壁中央カンテ(谷川岳)
★日付:2022.05.20(金)
★天気:薄曇り
★山行形態:個人山行、アルパインクライミング
★参加者:山宮(L)、進藤み
★ルート:谷川ベースプラザ→一ノ倉沢出合→(一ノ倉沢の雪渓を登る)→テールリッジ基部→(テールリッジを登る)→中央稜取付→中央カンテ取付→(中央カンテを登攀)→9P目終了点(中央カンテ終了点:烏帽子岩の肩)→ダイレクトルートのルンゼ→南稜ルート終了点→6ルンゼ右俣→南稜ルート→烏帽子スラブ横断バンド→中央稜取付→(テールリッジを下る)→テールリッジ基部→(一ノ倉沢の雪渓を下る) →一ノ倉沢出合→谷川ベースプラザ
★ルート状況(2022年5/20現在のものです。)
◆アプローチ
【一ノ倉沢出合~テールリッジ基部】
・一ノ倉沢出合からテールリッジ基部まで雪渓通しで歩けます。
・雪渓歩きに慣れてない人はチェーンスパイク等があると安心だと思います。
【テールリッジ基部~中央稜取付~中央カンテ取付】
・岩が乾いている状態なら問題なく歩けますが濡れているときはスリップ注意!!(濡れ防止や軽さをも求めてアプローチシューズ以外の靴を履いてくると濡れている岩では滑って怖いらしいです。靴が濡れることは諦めクライミング時用の替えの靴下を携行してくることをお勧めします。)
◆一ノ倉沢烏帽子沢奥壁中央カンテ(4級下、Ⅴ)
ルート全般
・岩が脆いので岩が剥がれたり落石させたりしないよう注意が必要です。
・乾いた草は滑りやすいので注意が必要です。
・いつも濡れているイメージしかない谷川ですがこの日は岩が乾いていて快適でした。
1P バンド~フェース Ⅲ+ 40m(山宮リード)
・バンドのトラバースは歩き辛いです。
・フェースは草混じりで乾いた草は滑りました。
2P 緩いフェース Ⅲ 50m(進藤みリード)
・特に問題なく登れました。
・残置中間支点はほとんどありません。
3P バンド~カンテ Ⅳ 40m(山宮リード)
・バンドに乗る出だしの岩がつるつるで少し濡れていて滑りました。
・カンテは階段状ですが岩は脆かったです。
4P カンテ Ⅲ 50m(進藤みリード)
・特に問題なく登れました。
・リングボルト3つの終了点をスルーして次の終了点でピッチを切りました。(5P目のチムニーが見えるところにある終了点。)
5P ルンゼ~チムニー Ⅴ 30m(山宮リード)
・ルンゼやチムニー内は浮石が多かったです。
・ルンゼの乾いた草は滑りました。
・チムニー内に身体を入れないで登ると登りやすいです。
6P フェイスを左から回り込みカンテ上を右上 Ⅲ 40m(進藤みリード)
・5P終了点からフェイス左へ回り込みます。(出だしの残置中間支点が見えないので直上?右から?と迷うかもしれません。)
・カンテは階段状ですが岩は脆かったです。
7P 垂壁~コーナークラック Ⅴ 30m(山宮リード)
・出だしの垂壁は外傾したスタンスに立ち込めるかと、もげそうな岩で思い切って登れるかがフリーでの突破の鍵。
・上部のコーナークラックは出だしにハンドジャムできるクラックがあり利用すると楽に離陸できる。クラックのみで登るよりコーナー左のフェイスを利用するとホールドやスタンスが豊富で楽に登れる。
・垂壁は岩が「ん?」な感じで垂壁上部のバンドも動く岩が多いので落石させないよう神経を使いましたが、コーナークラックは岩がしっかりしていたので快適でした。
8P スラブ~凹角 Ⅳ 40m(進藤みリード)
・スラブは残置中間支点がほぼ無いのに対して凹角は残置中間支点が豊富にありました。
・スラブも凹角も岩がボロボロでした。(スラブで掴んだ岩(ソフトボールぐらいの岩)がもげて落石させてしまいました。)
・乾いた草は滑りました。
9P 草付の凹状部~フェイス~烏帽子岩の肩 Ⅲ 40m(山宮リード)
・特に問題なく登れました。
・ロープスケルは45~50mぐらいでした。
◆下降
【9P終了点(烏帽子岩の肩)→ダイレクトルートの凹角→南稜ルート終了点】
・1ピッチ空中懸垂下降でダイレクトルートの凹角へ下りそのまま南稜上部の草付の方へ横断しながら下っていきました。(50mで残置スリングの掛かった残置支点のある所まで行けます。)残置支点の残置スリングでセルフをとり、そこでロープはいったん片付けて、熊笹を掴みながらフリーで南稜終了点まで下りました。
【6ルンゼ右俣~南稜ルート~烏帽子スラブ横断バンド】
・懸垂下降5回(50mロープ2本で6ルンゼ右俣を2回、南稜ルートを3回)で烏帽子スラブ横断バンドまで下りました。
【烏帽子スラブ横断バンド~中央稜取付~テールリッジ基部】
・傾斜の急なところはクライムダウン、その他は普通に下りました。
【テールリッジ基部~一ノ倉沢出合】
・特に問題なく下りました。
★感想:
(山宮)中央カンテは今回で2回目だったので迷うことなくスムーズに登れました。また下降も迷うことなく下れたので予定していた時刻より大幅に早く下山できました。(早く下山できたので日帰り温泉に入って後に高速道路の谷川SAでご飯を食べているときに突然降ってきた雨を避けることができて良かったです。)4年前の前回は7P目の下部垂壁をA1で登った中央カンテですが今回は余力を持ってオールフリーで登れました。この日は南稜に1パーティー、凹状岩壁に1パーティー(下山後にFBを見て知り合いパーティーが登っていたことを知りました。)のみで静かな登攀を楽しめました。いつも岩が濡れているイメージしかない谷川ですが今回は3P目の出だし以外は岩が乾いていて快適でした。(乾いた草は滑りましたが・・・)反省点としては8P目のスラブを登攀中に掴んだソフトボール大ぐらいの岩がもげて落石させてしまいました。凹状岩壁パーティーに当たらなくて良かったです。
(進藤み)浮き石が多く、どれをつかんでも足を乗せても動く様な箇所が非常に多く岩がもげて自分がフォールしない落石を起こさない等に神経を使う登攀でした。核心ピッチはフォローではありますが問題なく登れたと思います。草付きの所が濡れていないのに非常に滑りやすく、しかも支点がほとんどないので谷川らしさを満喫しました。でも一番の核心は登攀終了し空中懸垂後の6ルンゼ懸垂下降地点までの笹藪トラバースが緊張しましたが天気にも恵まれ岩のコンディションは最高でした。
★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4320066.html




























