松木沢ジャンダルム 中央壁中央ルンゼルート(栃木県)

★山域:松木沢ジャンダルム 中央壁中央ルンゼルート(栃木県)

★日付:2022.02.23(水)

★天気:曇り

★山行形態:個人山行・アルパインクライミング

★メンバー:山宮(L)、石附

★ルート状況(2022年2/23現在のものです。)

◆アプローチ
・銅親水公園駐車場から松木川沿いの林道を上流へと歩いていきます。
・松木沢ジャンダルムの正面まで来たら松木川を飛び石で渡れそうなところから渡ります。(飛び石できないときは靴を脱いで渡渉します。石が凍っているときはスリップ注意!)
・松木沢ジャンダルムの基部までノートレースの雪面を膝下~太ももラッセルで登っていきます。(雪が無いときは踏み跡を辿っていけます。)

◆中央壁中央ルンゼルート(Ⅲ+ 140m)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。

全体的に
・雪が付いていて大幅に難易度がアップしていました。
・除雪しながらの登攀だったので大幅に時間がかかりました。
・ホールドを掴んで登るよりはフッキングを使って登ったほうが楽なところもあります。(ホールド掴めないところもありました。)
・残置支点は少ないのでカムやナッツ、灌木等で中間支点を取っていきます。

1P目(山宮リード)
・中央ルンゼ取付からルンゼを登ります。ルンゼが狭くなりチョックストーンが出てきたところで右側の壁へ登ると終了点を終了点があります。
・雪が付いて嫌らしい感じでしたが余裕をもって楽しみながら登れました。
・終了点は錆びたリングボルト2つ。

2P目(石附リード)
・出だし核心。その後、岩壁に突き当たるまで登ってから左へ進路を取りルンゼから出る。ルンゼを抜けると視界が開け正面にクラックのある壁が見えるので、そこで終了点を構築してもいいし手前の灌木で終了点を構築してもよい。
・ピッチ間がロープいっぱいになるわけでもなかったのですが、風の影響なのか地形的な問題なのかお互いのコールが聞こえないところでした。
・終了点は灌木にスリングを巻いて構築。

3P目(山宮リード)
・バンドをラッセルしながら左上します。
・コンテで登っても問題ないですがスタカットで登りました。
・終了点は灌木にスリングを巻いて構築。

4P目(石附リード)
・4P目の大スラブは終了点を構築した灌木すぐ上のクラック(直上ルート)を中央ルンゼルートのクラックだと勘違いして石附さんにそのルートを登るように指示。石附さんが登り始めましたが傾斜が緩く序盤から除雪が大変そうだったので左の雪の付いてないクラック(左ルート)を登ったほうが良いと石附さんにすすめました。
・石附さんは左ルートのクラックを途中まで登りましたがその上は難しいと途中のバンドから直上ルートのクラックへトラバース、更に中央ルンゼルートのクラックへトラバースしてそこを登ろうとしましたが登れそうにないと下りてきて直上ルートのクラックと中央ルンゼルートのクラックの間のバンドに終了点を構築しました。
・左ルートは除雪しないとカムがセットできないので時間がかかってました。
・終了点は角岩に巻かれた残置スリングとハーケン1枚を打ってそこからとったスリングで構築。

5P目(山宮リード)
・4P目終了点から中央ルンゼルートのクラックの様子を見に行きましたがバック&フットで登れば登れそうでしたが石附さんがフォローでも厳しいかもと言ったので左上して左ルートの終了点を目指しました。
・中間支点は灌木とカムで構築しましたがスラブでホールドも乏しく痺れました。
・終了点は直上ルート4P目の終了点を使用。(ハンガー1つとリングボルト3つ)

6P目(山宮リード)
・石附さんに終了点の上の階段状を登ってコブシ岩下のバンドにある終了点でピッチを切るように指示。石附さんがリードで登り始めましたが除雪してばかりでなかなか高度を上げられなかったので時間も遅くなるのでリード交代。
・私も階段状に行ってみましたが想像してたより悪く中間支点が取れなかったので(以前登った記憶では簡単で支点も出だしの灌木ででしか取らなかったと思います。)そのラインからの登攀は断念して左ランぺルートのラインへトラバースしてそこを登りました。左ランぺルートのクラックはA0を交えて突破しました。
・終了点は灌木にスリングを巻いて構築。セカンドビレイの支点はカムを3本使って構築。(何回も屈曲しながら登っていてロープの流れが悪くなっていてロープ引き上げが困難だったため終了点と違う位置にセカンドビレイの支点を構築しました。)

7P目
・今回は時間がないのでコブシ岩は登らず左側から巻いてコブシ岩の頂上に出ました。

◆下降
・右壁のルンゼを歩いて下りていき最後の方でフィックスロープを使って2回懸垂下降して下山。

★感想:

(山宮)当初予定では谷川岳の一ノ倉沢衝立岩中央稜へ行くつもりでしたが当日までの降雪量や当日の天気を見て前日に中止決定。代わりに転進して松木沢ジャンダルムを登りに行ってきました。雪が付いてももともとが簡単なルートなので2本は登れるだろうと思ってましたが想像より手強く除雪もあり1本登って時間切れでした。フッキングを織り交ぜながらの登攀でしたがやはり面白かったです。痺れる感じが癖になります。大スラブから上は登れるところを適当に繋げて登りました。6P目の左ランぺルートのクラックはA0を交えて突破しました。まだまだ力不足です・・・反省点としては6P目は何回も屈曲しながら登ってしまいロープの流れが悪くなってしまいました。(途中、安定しているところでロープを登る分だけ両手で引っ張ってたるみを作ってから登りました。)もう少し工夫が必要だったと思います。

(石附)雪がべっとり付いた中央ルンゼは厳しいものでした。トップは雪を払いホールド・スタンスを探す事に終始し、岩にアックスを引っ掛けて体を上げる事も強いられます。私はドライツーリングの技術がないのでこれには苦労しました。クラックをカムだけで登っていったり、支点のない所を登るプレッシャーは貴重な経験になりました。私には濃密なクライミングでした。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4024635.html

雪の付いた松木沢ジャンダルム
中央壁中央ルンゼルート取付
1P目を登ってくる石附
1P目を登ってくる石附
2P目をリードする石附
3P目終了点から見た2P目終了点でビレイする石附
3P目終了点から大スラブを見上げる
4P目を左ルートのクラックをリードする石附
左ルートのクラックの途中からバンドを右へ横断
直上ルートのクラックも横切り壁沿いの中央ルンゼルートのクラックを登ろうとするも登れずバンドでピッチを切る
5P目終了点は左ルートの4P目終了点で構築
正規ルートとは異なるラインを登ってきたので難しかったです
5P目を登ってくる石附
今回は時間がないのでコブシ岩は登らず左側から巻いてコブシ岩の頂上に出ました(6P目終了点より)
コブシ岩の頂上
広告

投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。「角田山からヒマラヤまで!!」を合言葉にアルパインクライミングを中心に活動しています。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。