明星山P6南壁フリースピリッツ(新潟県)

★山域:明星山P6南壁フリースピリッツ(新潟県)

★日付:2021.10.09(土)

★天気:曇り(湿度が高く暑かったです。)

★山行形態:山岳会山行、アルパインクライミング

★目的:アルパインクライミングの実践

★参加者:山宮(L)、吉川

★ルート状況

 ◆駐車場~フリースピリッツ取付
 ・売店脇から踏み跡をたどって小滝川まで下ります。
 ・小滝川沿いを下流へ下り途中で渡渉します。
 ・小滝川左岸にフリースピリッツ取付があります。(壁にリングボルトが1つあるのが目印になります。)

 ◆フリースピリッツ(4級上 5.9)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)

 全体を通して
 ・掴んだホールドがもげないかどうか確認しながら登りました。
 ・浮石・落石には細心の注意を払いました。
 ・最終ピッチ以外は残置支点は少ないです。(カムや灌木等を多用して対応。)

 1P 草付の岩場を左上 40m Ⅲ(山宮リード)
 ・トポの1P目60mを2Pに分けて登りました。
 ・岩は濡れていました。落ちないよう濡れた灌木を掴みながらの草クライミング。

 2P 出だしの小垂壁を越えバンドを左へ 20m Ⅲ(吉川リード)
 ・トポの1P目60mを2Pに分けて登りました。
 ・出だしの短い垂直部分が核心です。
 ・1P同様岩が濡れていました。

 3P 真上のフレーク沿いに右上 30m 5.7(山宮リード)
 ・トポの2P目。
 ・基本的に岩は濡れていましたがところどころ乾いているところやフレークを使って登りました。

 4P クラックからスラブを下りトラバース~ランぺを右上凹状 30m 5.7(吉川リード)
 ・トポの3P目。
 ・核心はルーファイになるので初見のYさんに詳しく説明して登攀中もアドバイスしました。
 ・トラバース途中に上に残置リングボルトの連打が見えたと吉川さんが言ってきましたが無視していいですと返答しました。

 5P 垂壁下のクラックを左上しウメボシ岩まで 20m 5.9(山宮リード)
 ・トポの4P目30mを2Pに分けて登りました。
 ・ロープの流れを考えてウメボシ岩の下でピッチを切りました。
 ・昨年同様ここから岩が乾いていてました。

 6P ウメボシ岩を越えて右下へトラバース 10m 5.9(吉川リード)
 ・トポの4P目30mを2Pに分けて登りました。
 ・凹角にあるウメボシ岩を左から越えてバンドへいき、すぐに1段下へとクライムダウンしてトラバースしました。
 ・岩が乾いていたので残置スリング等は使わずに問題なくクライムダウン、トラバースできました。

 7P 垂壁からカンテを右に越えフェイス 20m 5.8(山宮リード)
 ・トポの5P目。
 ・核心はカンテを越えるまでですが、その辺だけがまだピンポイントに濡れていて足を置いたら滑って思わずヌンチャク掴みました。A0したのはここだけでした。

 8P ハング切れ目の凹角から緩傾斜の階段状フェイス 30m 5.8(吉川リード)
 ・トポの6P目。
 ・核心は凹角を抜けるまでの出だしとその後のルーファイ。(ここのルーファイもわかりずらいので初見の吉川さんに詳しく説明しました。)
 ・凹角を抜けると景色が開けます。右に見えるスラブにはたくさん残置支点が見えますがそちらへは迷い込まず階段状フェイスを灌木で支点を取りながら上へ登るとハング帯下に終了点が見えてきます。

 9P ハング帯を左へ行きカンテ裏のクラックを越える 40m 5.8(山宮リード)
 ・トポの7P目。
 ・クラックの処理はジャムよりレイバックを多用して登る感じです。(カムがあれば使えます。)

 10P ガレ場から一段上のテラスへ 40m Ⅱ(吉川リード)
 ・トポの8P目。
 ・中央バンドのガレ場を横断して適当なところから一段上のテラスへ登りました。
 ・残置終了点は見当たらないので灌木を利用。

 11P ランぺを右上 40m Ⅳ(山宮リード)
 ・トポの9P目。
 ・ペツルのハンガーボルト2つの終了点になります。(ロープスケルは45~50mぐらいとトポより若干長いので不安になりますがハンガーボルトが有るまで右上してください。)
 ・昨年個人山行で登った時はルートミスしましたが今回は問題なく登れました。

 12P カンテ右の垂壁~バンドを右上 30m 5.7(吉川リード)
 ・トポの10P目。
 ・11P終了点の真上の凹角状を登っていけば終了点があります。
 ・特に問題なく登れました。

 13P バンドへ上がってバンドをトラバース 20m Ⅳ(山宮リード)
 ・トポの11P目。
 ・パノラマトラバースは落石を落とさないよう気を使いながら歩きました。
 ・下を見れば確かに高度感はありますが、スタンスはあるので問題ありません。

 14P 凹状の垂壁から凹角を越える 40m 5.8(吉川リード)
 ・トポの12P目。
 ・ルートの中で一番多くの残置支点がありました。フリーのテクニック的には一番難しいと思ったピッチでした。
 ・終了点は上部の灌木で取りました。(ロープスケル45~50mぐらい。)

 15P 緩傾斜帯を左上に見えるスカイラインまで 25~30m Ⅱ~Ⅲ(山宮リード)
 ・ロープを片付ける選択肢もありましたが念のためアンザイレンを解かずにスタカットで登りました。
 ・スカイラインまで登り灌木で終了点を取りました。
 ・今回はここでアンザイレン解除しました。

 ◆15P目終了点~西面下降路~小滝川~駐車場
 ・15P目終了点から左岩稜登攀終了地点(西面下降路への道があるバンド)まで踏み跡っぽいところをクライムダウンで下りました。そこでアプローチシューズに履き替えて西面下降路から下山しました。

★感想:

(山宮)今年も会山行で明星山P6南壁へアルパインクライミングに行く計画を立てました。フリースピリッツと左岩稜の2ルートを登ることになりフリースピリッツは吉川さんと松本さんの2人が希望したので私がリーダーになり計画書を作成しました。私と左岩稜組の石附さん、竹内さんの3人は金曜の夜に駐車場に着いて前夜泊をしましたが、悪い予報をしていた天気予報通り朝2時か2時30分頃に一雨きました。30分ぐらいで止んだと思いますが、がっつり降ったので『今日は大丈夫かな?』と心配しましたがまたすぐ寝ました。起床して外に出ると駐車場の舗装が濡れていて敗退の予感・・・とりあえず明るくなってから対岸から岩の様子を見て判断しようと出発時間を遅らせました。明るくなり岩を見ると濡れているところもありましたが、だいぶ乾いてきていたので登攀中に上部は乾くとだろうし下部は若干濡れてても仕方ないと予定より1時間30分遅れて駐車場を出発しました。(松本さんは濡れて岩は嫌だと言って待機&撮影班となりました。)取付で吉川さんに『順番どうしますか?』と相談すると先に行ってくださいとのことだったので私のリードで登攀開始しました。(昨年個人山行で登った時は偶数Pをリードしたので今回奇数Pをリードしたことで全Pリードできて良かったです。)序盤は濡れた石灰岩でフラットソールが滑りました。1~2Pは全濡れ状態。3~4Pは濡れてないところも若干有り。昨年同様5P目からは岩が乾いていました。(ただし7Pのカンテ側に回り込むところはピンポイントに濡れていて足を置いたら滑って思わずヌンチャク掴みました。A0したのはここだけでした・・・。)ルーファイですが昨年個人山行で登っていたのでミス無く登れました。この日のフリースピリッツは私たちだけで静かなクライミングを楽しめました。

(吉川)夜の雨の影響で貸切でしたが下部は濡れていて滑りました。3ピッチ目くらいからはそこそこ乾いていてフリクションも効きました。複数のルートが交差するので非常にわかりにくかったですが、山宮さんにトポを見ながら教えてもらって安全に登ることができました。残地ハーケンは厳しい箇所以外は少なく、細い灌木などを利用しました。今にも落ちそうな石、岩が多数あり細心の注意を要しました。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3624398.html

地面の濡れた駐車場で出発の挨拶
小滝川へ下ります
左岩稜組とここでお別れ
フリースピリッツ取付へ向かいます
対岸へ渡ります
取付に着いて登攀準備
1P目を登ってくる吉川さん
2P目をリードする吉川さん
3P目を登ってくる吉川さん
4P目をリードする吉川さん
5P目を登ってくる吉川さん
6P目をリードする吉川さん
【対岸より撮影】
7P目終了点でビレイする山宮と7P目登攀中の吉川さん
【対岸より撮影】
7P目終了点でビレイする山宮と7P目登攀中の吉川さん(アップで)
7P目を登ってくる吉川さん
【対岸より撮影】
8P目終了点に吉川さん、7P目終了点に山宮(アップで)
8P目登攀中の景色。凹角を抜けてから開けるが終了点が見えない。
9P目を登ってくる吉川さん
10P目をリードする吉川さん
【対岸より撮影】
11P目登攀中の山宮(アップで)
11P目を登ってくる吉川さん
12P目をリードする吉川さん
【対岸より撮影】
12P目をリードする吉川さん
13P目を登ってくる吉川さん
14P目をリードする吉川さん
14P目終了点でビレイする吉川さん
左岩稜スカイライン(15P終了点)に到着
左岩稜スカイライン(15P終了点)から下を見下ろす
アンザイレンを解除して左岩稜登攀終了地点へクライムダウン中
左岩稜登攀終了地点
駐車場で左岩稜組の進藤夫妻と撮影班の松本さんと本日見学の高橋さんに迎えられる
左岩稜組も一緒に記念写真

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投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。「角田山からヒマラヤまで!!」を合言葉にアルパインクライミングを中心に活動しています。

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