明星山P6南壁フリースピリッツ(新潟県)

★山域:明星山P6南壁フリースピリッツ(新潟県)

★日付:2020.10.31(土)

★天気:晴れ

★山行形態:個人山行、アルパインクライミング

★参加者:山宮、他1名

★ルート状況

 ◆駐車場~フリースピリッツ取付
  ・売店脇から踏み跡をたどって小滝川まで下ります。
  ・小滝川沿いを下流へ下り途中で渡渉します。
  ・小滝川左岸にフリースピリッツ取付があります。(壁にリングボルトが1つあるのが目印になります。)

 ◆フリースピリッツ(4級上 5.9)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは個人的な感想です。)

  【全体を通して】
  ・掴んだホールドはもげないかどうか確認しながら登りました。
  ・ボルダームーブで登ると岩がもげたときに対応できないので、きわどい箇所はA0多用して登りました。
  ・後続がいるので浮石・落石には細心の注意を払いました。
  ・最終ピッチ以外は残置支点は少ない印象。(カムや灌木等を多用して対応。)

  【1P 草付の岩場を左上 Ⅲ(フォロー)】
  ・前日の雨で岩は濡れていました。フラットソールは滑るので慎重に登りました。 
  ・1~2Pのロープスケルは60mで今回60mダブルロープを持ったきてたので1~2Pを繋げることもできましたが、先行パーティーが1Pでピッチを切っていたのでそれに従い1P終了点でピッチを切りました。

  【2P 出だしの小垂壁を越えバンドを左へ Ⅲ(リード)】
  ・核心は出だしのみ。
  ・1Pに続き岩が濡れていて滑るので慎重にいきました。

  【3P 真上のフレーク沿いに右上 5.7(フォロー)】
  ・ここも引き続き岩が濡れていて滑るので慎重に登りました。

  【4P クラックからスラブを下りトラバース~ランぺを右上凹状 5.7(リード)】
  ・核心はルーファイ。
  ・トラバース途中で上に残置リングボルトの連打が見えますがそこは無視してスルー(間違って登る人が多いみたいです。)して右へ行くと右上に終了点が見える。
  ・引き続き滑らないよう気を使いながらトラバースしました。

  【5P 垂壁下のクラックを左上しウメボシ岩まで 5.9(フォロー)】
  ・ロープの流れを考えてウメボシ岩の下でピッチを切りました。
  ・ここから岩が乾いていて足元は快適になりました。

  【6P ウメボシ岩を越えて右下へトラバース 5.9(リード)】
  ・凹角にあるウメボシ岩を左から越えてバンドへいくとバンドには支点が取れる灌木が1箇所だけあり(もう1個所の奥の灌木は抜けそうな状態でした。そこにも残置スリングあり。)長めの残置スリングがありました。その残置のスリングを使いながら(片手はバンドを持ちスリングに全荷重かからないよう注意しました。)1段下のスラブへ下りてトラバースしました。

  【7P 垂壁からカンテを右に越えフェイス 5.8(フォロー)】
  ・核心はカンテを越えるまで。
  ・快適に登りました。

  【8P ハング切れ目の凹角から緩傾斜の階段状フェイス 5.8(リード)】
  ・核心は凹角を抜けるまでの出だしとその後のルーファイ。
  ・凹角を抜けると景色が開けます。右に見えるスラブにはたくさん残置支点が見えますがそちらへは迷い込まず階段状フェイスを灌木で支点を取りながら上へ登るとハング帯下に終了点が見えてきます。

  【9P ハング帯を左へ行きカンテ裏のクラックを越える 5.8(フォロー)】
  ・クラックはワイド部分が嫌な感じでした。ワイドは嫌いなのでここはリードしたくないと思いました。

  【10P ガレ場から一段上のテラスへ Ⅱ(リード)】
  ・中央バンドのガレ場を左上して適当なところから一段上のテラスへ登りました。
  ・残置終了点は見当たらず灌木で取りました。
  ・陽があたり暑くなってきたのでテラスで上着1枚を脱ぎ行動食&水分補給。

  【11P ランぺを右上 Ⅳ(フォロー)】
  ・核心はルーファイ?・・・・12P目がカンテ右の垂壁を登るとなっていたのでカンテを越えたところが終了点という思い込みから終了点を見誤りました。終了点はJADEのルートと一緒のものになりペツルのハンガーボルトが2つある(Tさんの事前調べ)ということでしたが見当たらなかったようでバンドから少し上に見えるリングボルト2つまで登りピッチを切りました。その次のピッチは登れないことはなさそうでしたが残置が全く見当たらなかったので灌木とカムで確実に支点を取っていこうということになりました。リードのヤマパンが2~3m登ったところでビレイしていたTさんが右下にペツルのハンガーボルト2つを見つけたのでヤマパンがクライムダウンして本来の12Pへの終了点へ。
  ・ランぺにはカンテに見えるものが3つあり1つ目のカンテを越えたところの少し上にあるリングボルト2つは間違い、2つ目のカンテを越えたところにあるペツルのハンガーボルト2つが正解の終了点、3つ目のカンテを越えて右上するのはJADEのルートだと思います。

  【12P カンテ右の垂壁~バンドを右上 5.7(リード)】
  ・11P終了点の真上の凹角状を右よりから登っていき途中から左へ登っていきました。

  【13P バンドへ上がってバンドをトラバース Ⅳ(フォロー)】
  ・パノラマトラバースは落石を落とさないよう気を使いながら歩きました。
  ・下を見れば確かに高度感はありますが、スタンスはあるので問題ありません。

  【14P 凹状の垂壁から凹角を越える 5.8(リード)】
  ・ルートの中で一番多くの残置支点がありました。フリーのテクニック的には一番難しいと思ったピッチでした。
  ・1箇所掴みたくなるいいホールドが大きく動くので注意してください。
  ・残置終了点は見当たらず灌木で取りました。(凹角を抜けてすぐのところでピッチを切りました。)

  【15P 緩傾斜帯を左上に見えるスカイラインまで Ⅲ(フォロー)】
  ・ロープを片付ける選択肢もありましたが念のためアンザイレンを解かずにスタカットで登りました。
  ・スカイラインまで登り灌木で終了点を取りました。(ロープスケル55m~60m。)

 ◆15P目終了点~西面下降路~小滝川~駐車場
 ・15P目終了点から西面下降路への道があるバンドまで踏み跡っぽいところをクライムダウンで下りてそこでアンザイレン解除。登攀装備を片付け、アプローチシューズに履き替えて西面下降路から下山しました。

★感想:(山宮)朝起きると駐車場の舗装が濡れていて嫌な気分に・・・とりあえず取付まで行ってみて様子を見ようと予定通りに出発して取付には2番手で着きました。状態が悪ければ今日は登らず日曜日に登攀することも考えましたが何とかなりそうなので予定通り登ることにしました。取付で3人組の先行パーティーから先にどうぞと言われたのですが準備も終わってなかったので先行は遠慮させてもらいました。2P目終了点で再び先にどうぞと言われたので先を譲ってもらいました。ありがとうございました。思いがけずこの日の先頭に立つことになったのでルートを間違わないよう注意しながら登りました。(1箇所だけ終了点を間違って次のピッチを違うところを登ることになりそうでしたが、すぐに気づいて修正できてよかったです。)序盤は濡れた石灰岩にフラットソールが滑るので不快なクライミングが続きました。5P目からは岩が乾いていて滑ることを気にせずに快適に登れました。西面下降路への道があるバンドへは迷わずクライムダウンで下りれて良かったです。先々週に左岩稜を登っていて見覚えのある景色が見えたので不安なく下りれました。全体的に岩がもげないかどうか気を使いながらのクライミングになりましたが、久しぶりの緊張感が心地良かったです。最近アルパインは敗退続きでしたが久しぶりに完登できて良かったです。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2699286.html

小滝川沿いを下流へ
フィックスロープがある渡渉地点を先行パーティーが渡っている
取付に到着し濡れた岩壁を見上げる
Tさんリードでスタート
1P目終了点のTさん
後続パーティーを見下ろす
3P目終了点でビレイするTさん
3P目を登る山宮
4P目終了点
5P目終了点にいるTさん(ウメボシ岩の下でピッチを切りました)
終了点と一緒に
4P目終了点で登る準備中の山宮
6P目終了点で支点構築中の山宮
6P目終了点から見た5P目終了点にいるTさん
7P目をリードするTさんがカンテを右に越えていく
8P目の出だしをリード中の山宮
ハング帯下の8P目終了点
9P目のスタートは左へトラバースから
カンテ裏のクラックを登る
8P目終了点からハング帯を越えるのはクイーンズウェイ
8P目終了点からハング帯下を右へ行くのはマニュフェスト
8P目終了点から右横を見る
8P目終了点から右下を見る
10P目、中央バンドのガレ場
中央バンドから1段上のテラスへ
テラスで壁を見上げる山宮
11P目をリードするTさん
12P目終了点
13P目はバンドへ上がって
パノラマトラバース
下を見ると駐車場が見えます
13P目終了点から見える景色
13P目終了点から見える景色とフォローの山宮
14P目の終了点に使った灌木帯
14P目の終了点に使った灌木帯の正面にある岩
西面下降路への道があるバンドまでクライムダウンしてきたTさん
バンドにある目印の松から奥に1本立って見える松まで移動し西面下降路を下った
車道からフリースピリッツの全景が見えました

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投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。「角田山からヒマラヤまで!!」を合言葉にアルパインクライミングを中心に活動しています。

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