明星山P6南壁左岩稜(新潟県)

★山域:明星山P6南壁左岩稜(新潟県)

★日付:2020.10.18(日)

★天気:晴れ→高曇り

★山行形態:山岳会山行、アルパインクライミング

★目的:アルパインクライミングの実践

★参加者:石附(CL)、山宮(SL)、松本、進藤ま、河村、吉川、進藤み(撮影班)

★班編成

 1班 山宮、吉川(つるべ登攀、吉川が奇数Pリード)

 2班 石附、河村(石附オールリード)

 3班 松本、進藤ま(1P、2Pを松本がリード、その後はつるべで登攀)

 撮影班 進藤み(東屋からビデオ&写真撮影)

★ルート状況

 ◆駐車場~左岩稜取付
 ・売店脇から踏み跡をたどって小滝川まで下ります。
 ・小滝川を渡渉します。(今回は水量が少なく飛石で通過。)
 ・小滝川左岸に左岩稜取付があります。

 ◆左岩稜(3級 Ⅴ、A1)(ルートグレードは参考にした最新のトポ図からで、あとは山宮の個人的な感想です。)

 【全体を通して】
  ・ホールドがもげないかどうか確認しながら登った。
  ・後続がいるので浮石・落石には細心の注意を払った。
  ・3P目アブミ区間は支点が充実している。
  ・簡単な区間は支点がほぼ無い。(トポ5P目の失神テラス~松の木テラス左の終了点までの凹角やトポ6P目のリッジ上。)

 【1P 薄かぶりの短い逆層フェース~バンドを右へ V(山宮フォロー)】
  ・リード吉川さんがアルパイン用のクイックドローを使わずに登ってしまいダブルロープの片方のロープの流れが悪くなった。バンドの安定したところで流れが悪い方のロープだけ両手で引っ張り終了点までなんとか行けたがセカンドビレイで流れの悪い方のロープを引き上げられなかったのでそっち側のロープは束ねて肩に掛けもう片方のロープのみで途中まで登った。クイックドローを回収しロープの流れよくなったところでロープアップしてもらい終了点まで登った。 

 【2P 凹角を登りランぺから再び凹角を登ってY字状の壁にある終了点を通過して左へ Ⅳ(山宮リード)】
  ・特に問題なく登れた。

 【3P 短い垂壁~ランぺを左上~前傾壁とその上の傾斜の強い凹状フェースを人工登攀 Ⅳ、A1(山宮フォロー)】
  ・特に問題なく登れた。
  ・前傾壁の支点はほぼハンガーボルトだが2箇所ほど悪い。(1個所はハンガー部分が無くなっていてボルトのみになっているので使えずその右脇にあるリングが縦長に伸びたリングボルトを使用。もう1個所はハンガーを固定するボルトが回るので手で締め直したがボルトのネジ山がバカになっているらしく締まらない。)

 【4P 凹状~ハング下を左へ回り再び凹状壁~失神テラス Ⅴ、 凹角を登り松の木テラス左の終了点へ Ⅲ(山宮リード)】
  ・トポの4P目と5P目を繋げて登った。テラスに錆びれたリングボルトの終了点らしきものがあったが微妙な感じだったのでそこでピッチを切る感じにはならなかった。(後でそこが4P目終了点がある失神テラスだと分かった。)そのまま登ると松の木テラス左の終了点に着いた。
  ・失神テラスから右上の壁に支点が見えるが登ると悪いらしい。(3班の進藤ま、松本談)・・・松の木テラス左の終了点から下を見ると下から見えていた支点の上には支点が無くて壁はつるつるでたしかに悪そうに見えた。失神テラスから左上に見える正解ルートの凹角にはほとんど支点が見当たらないが登ってみると難しくなく容易に登れる。

 【5P バンドを左へ行きリッジ上を終了点の取れる松の木まで Ⅲ(フォロー)】
  ・1P目のロープ屈曲の反省を踏まえリードの吉川さんにバンド上のクイックドローは全てアルパイン用のものを使用するように指示、結果ロープはスムーズに流れ特に問題なく登れました。

 【6P 草付き交じりのフェースを大岩まで Ⅲ】
  ・5P目終了点でロープを片付けフリーで登りました。
  ・ホールドがもげないか確認しながら慎重に登るよう吉川さんに指示しました。

 【7P 大岩を左から裏へ回り込み上の赤い凹角の左のフェイスを登る Ⅲ】
  ・大岩で後続の2パーティーが登ってくるまで3時間の大休止。
  ・このピッチは石附さんがリードしてロープをフィックスして4人がプルージックコードや器具を使ってフリクションノットで登攀、最後に吉川さんがフォローで登りました。

 ◆7P目終了点~小滝川~駐車場
  ・終了点に使用した大きな岩からは西(山頂に向かって左側)に見える松の木まで移動し、そこから踏み跡やピンクテープなどを頼りに小滝川まで下りした。小滝川を渡って車道へ出てから車道を歩き駐車場まで行きました。

★感想:

(石附)登攀スピードが遅かった。

(山宮)登攀準備中に吉川さんに順番どうする?と聞くと1P目と3P目をリードしたいと言ってきたので希望通りになるよう吉川さんのリードでスタート。吉川さんは3P目人工登攀のリードも問題なくこなしてました。今回は偶数Pをリードしましたが、個人的な感想は全部リードで登ったとしても特に厳しいルートだなと感じることはなかったです。(前回登った時から他にいろいろ登ってきて成長しているからなのか?アプローチが容易だからそう感じるのか?)前回は雨上がりで序盤のピッチは濡れていて快適ではありませんでしたが、今回は最初からフリクションが効いてて快適でした!アルパインも晴れの日の登攀がいいね!!(笑)1P目と2P目終了点では支点構築のハンガーボルトが1パーティー分しかないため先行パーティーのフォローが登り始めるまでフォローのビレイができずそこで待機となり渋滞しました。3P目終了点以降は間隔があいて渋滞は無くなりました。反省点としては吉川さんに対してロープの屈曲についてや、なぜアルパイン用クイックドローが必要なのかをもっとしっかり教えてあげておくべきだったと思いました。今後、講習会等でカバーしていきたいと思います。(5P目は登る前に吉川さんに指示を出しておいたので1P目の二の舞にならなくて良かったです。)参加メンバー全員が何事も無く無事下山することができて良かったです。

(松本)失神テラスからは支点が見えない上の凹角ではなくてペツルのハンガー支点が見えている右へルートを取ることに間違いはないと思ってました。もし上の凹角を登って支点が無かったら本当に困るので!ただその場合にカムやハーケンがあれば安心なのかなと思いました。今後ナチプロも勉強したいと思います。連絡手段として先頭の山宮と最後尾の松本でトランシーバーを持ちましたが繋がらない区間もありました。トランシーバーはもう1セット合ってもいいかなと思いました。

(進藤ま)3Pアブミピッチをリードの時にアブミの3段目に乗って背伸びしてヌンチャクをハンガーに掛けようとしましたが掛け損なってフォールしました。その後の復帰が大変で体力激しく消耗しました。ボルト間隔が遠くても慌てないよう杉滝でハンガー1個飛ばしで登る練習をしたいと思いました。失神テラスからは支点が見えない上の凹角ではなくてペツルのハンガー支点が見えている右へルートを取りました。つるつるで難しかったです。ルーファイがまだまだだと思いました。

(吉川)1P目の小ハング下にセットしたカムにアルパイン用クイックドローを追加しなかったのでロープが屈曲して重くなり大変でした。(中断バンドで両手で引き上げることができたので事なきを得ましたが・・・)今後はロープの流れに気をつけたいと思います。アブミ区間の3P目のリード中は「ヌンチャク、ロープ、アブミ、ヌンチャク、ロープ、アブミ」と手順を呪文のように繰り返しながら登ってました。フィフィを使わずに登れて良かったです。杉滝での練習の成果が出たと思います。明星山左岩稜は楽しかったです!

(河村)3P目は薄かぶりでパワー不足を痛感しました。明星山左岩稜に登れて良かったです。

(進藤み)今回は見学ということで対岸の展望台から見ていましたが勉強になりました。登攀に参加しなくても見に行くだけの価値はあると思いました。NCCの後続パーティーのことですが遅い時間なのに登っていってて危ないと思いました。大きな落石も起こしていました。タイムリミットを決めておくなど、敗退の見極めは重要だと思いました。

★山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2659731.html

駐車場で石附CLから一言もらって登山開始
まずは小滝川まで下ります
明星山P6南壁
小滝川まで下ると1番手のリードはもう1P目終了点にいました
小滝川を飛び石で渡る
1番手パーティーは3人組で、フォローの2人が登って行きます
山宮・吉川組、吉川リードでスタート
【東屋にいる進藤み撮影】
人が点にしか見えない(笑)
【東屋にいる進藤み撮影】
アップしてみると1P目終了点にいる山宮と吉川がわかる。1番手パーティーのリードが3P目アブミ区間を登攀中
2P目を山宮がリードしていった後(姿は見えず)
1P目終了点を見下ろすと渋滞中
2P目を登ってくる吉川
3P目をリードする吉川
1P目終了点から見える3P目をリードする吉川
【東屋にいる進藤み撮影】
3P目をリードする吉川
【東屋にいる進藤み撮影】
3P目をリードする吉川をさらにアップで
【東屋にいる進藤み撮影】
山宮と吉川は3P目終了点、石附と河村は2P目終了点にいます。松本は2P目リード中で進藤まが1P目終了点でビレイ中
3P目をリードする石附
4P目を登ってくる吉川
松の木テラス左の4P目終了点から東屋にいる赤いジャケットを着た進藤みに手を振ります
5P目の出だしは山頂に向かって左へトラバース
【東屋にいる進藤み撮影】
5P目リッジ上をリード中の吉川と松の木テラス左の4P目終了点でビレイ中の山宮
【東屋にいる進藤み撮影】
3P目アブミ区間をフォローで登攀中の河村
5P目の左へのトラバース後のリッジを登る山宮
5P目終了点の松の木にいる吉川。ここでロープを片付け大岩までフリーで登る。
山宮・吉川組は大岩に到着して後続の2パーティーを待ちます
【東屋にいる進藤み撮影】
3P目アブミ区間をリードする進藤ま
【東屋にいる進藤み撮影】
3P目アブミ区間をフォローで登る松本
【東屋にいる進藤み撮影】
進藤まが松の木テラス左の終了点でビレイしてて松本が失神テラスから離陸するところかな
山宮・吉川組が大岩に着いてから約3時間後に3班の松本・進藤まが大岩に到着して最終の7P目は皆で登る
最終P(7P目)の終了点に使った岩。ここでアプローチシューズに履き替え、引っかかりそうなものや不要なものはザックに仕舞う。
写真中央の奥に見える目印の松の木を目指して下山開始
松の木までトラバース
松の木まで移動
松の木から先の急斜面を残置ロープ伝いに下る。ピンクテープも多くあり。
小滝川まで下山完了
駐車場に着いて登山完了
駐車場で記念撮影
東屋で撮影係をしてくれた進藤みと明星山左岩稜初登攀の吉川
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投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。「角田山からヒマラヤまで!!」を合言葉にアルパインクライミングを中心に活動しています。

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