★山域:一ノ倉沢一ノ沢右壁左方ルンゼ(谷川岳)
★日付:2020.02.21(金)
★天気:快晴
★山行形態:個人山行・アルパインクライミング
★参加者:山宮、他3名
★コース:谷川岳ベースプラザ→一ノ倉沢出合→(一ノ倉沢~一ノ沢を登っていく)→一ノ沢右壁左方ルンゼ取付→(一ノ沢右壁左方ルンゼを登攀) →一・二ノ沢中間稜合流地点→(一・二ノ沢中間稜を登っていく)→東尾根合流地点→(東尾根を登っていく)→谷川岳オキの耳→(西黒尾根を下る)→谷川岳ベースプラザ
★ルート状況(2020.02.21現在のコンディション)
◆全体的に
・積雪量は少なかった。
・左方ルンゼの氷は割れやすい氷だった。また、スカスカのクズ氷も多数あり。
◆谷川岳ベースプラザ~一ノ倉沢出合
・特に問題なく歩けた。
・一ノ倉沢出合で登攀装備に換装。
◆一ノ倉沢~一ノ沢~左方ルンゼ基部
・特に問題なく歩けた。
・一ノ倉沢はデブリがまだほとんど無いのに山の斜面には雪がほとんど無かった。
・一ノ沢は途中からトレースが無かった。
・左方ルンゼ基部でロープを出しアンザイレンする。(60mダブルロープを使用)
◆左方ルンゼ
【1P目】(Wリード、山宮リード)
・山宮以外は初見なのでWさん組から登攀開始。
・出だしの氷がスカスカで脆い。その後はだらだらと雪の緩斜面を氷部分まで登りスクリュー2本で終了点構築。
【2P目】(Wリード、Oリード)
・特に問題なく登れた。
・終了点はスクリュー2本で構築。
【3P目】(Wリード、山宮リード)
・Wさんが右ラインから登っていったので空いている左のラインを登る。途中でWさんに追いつく。滝の抜け口は狭く1人づつ登ったほうがよさそうだったので先行させてもらう。
・終了点は滝の抜け口から少し上の左側にある灌木にスリングを巻き構築。(Wさんは右側の壁にある残置を使用)
【4P目】(Oリード、Wリード)
・リードのOさんがF5基部まで雪田を登っていくがロープいっぱいになりそう。F5基部から少し下がった左側の灌木がしっかりしていたのでそこにランナーを取ったあとコンテで登りF5基部まで辿り着く。F5基部の薄氷で終了点を構築していたがプアプロで核心に突っ込むのは微妙な感じだったようでランナーを取った灌木を終了点にしようとコールがあった。
・コンテのまま山宮がランナーを取った灌木まで登っていき終了点を構築。その後Oさんがリードできるようロープをたぐり準備した。(WさんはOさんが薄氷にスクリュー2本で構築した終了点を使用)
【5P目】(Oリード、Wリード)
・F5は完全ドライではなく氷はあった。F5の氷にリードのOさんが13cmのスクリューを打ったが最後まで入りきらずスリングをタイオフで使用。フォローの山宮はそのスクリューは回収せずに後続のWさんたちも使用して回収してもらった。(山宮が回収したらWさんが同位置にスクリューで同じように支点を取れるかどうか分からなかったので。)
・終了点はF5を抜けて少し上にいった左側の壁にある残置を使用。
【6P目】(山宮リード、Wリード)
・残置支点から直上~右上する。登っていくとピッチを切るのに良さそうな灌木が目の前に見えたが60mロープで2~3m足らず、Oさんにコンテで少し登ってもらえるよう指示を出してコンテで登る。
・細い灌木を根本まで掘り終了点構築。
・このピッチはほぼ雪壁で、雪の状態は踏み抜くところもあり気持ち悪い感じだった。(踏み抜いたところは雪と岩の間に空間があり・・・)
【7P目】(Oリード、Wリード)
・一・二ノ沢中間稜まで登り灌木で終了点構築。
・このピッチも雪の状態が悪かった。
◆一・二ノ沢中間稜
【ナイフリッジまでの1P目】(山宮リード、Wリード)
・雪のルンゼを登る。
・特に問題なく登れた。
・ロープ半分のコールから適当なところで灌木で終了点を構築。
【ナイフリッジまでの2P目】(Oリード、Wリード)
・引き続き雪のルンゼを登る。
・特に問題なく登れた。
・ロープ残り15のコールから適当なところで灌木で終了点を構築。
【ナイフリッジまでの3P目】(山宮リード、Wリード)
・雪のルンゼをコルまで登りコルからは藪を登る。
・ロープの屈曲を考えナイフリッジが始まるところで灌木で終了点を構築しピッチを切った。
【ナイフリッジ1P目】(Oリード、Wリード)
・ナイフリッジはほとんど藪で雪も乗ってる程度。
・出だしはナイフリッジの真上を歩いて先へはいけない感じだったので右側面の雪のあるところから先へ進んだ。
・登りは問題ないがトラバースや下りは緊張した。
・ランナーは途中にある灌木で多めに取った。
・ロープ半分のコールから適当なところでロープ屈曲やビレイしやすい場所かどうか等を考えて灌木で終了点を構築しピッチを切った。
【ナイフリッジ2P目】(山宮リード、Wリード)
・この区間もほとんど藪で雪も乗ってる程度。
・やはり登りは問題ないがトラバースや下りは緊張した。
・ランナーは途中にある灌木で多めに取った。
・ロープ半分のコールから適当なところでロープ屈曲やビレイしやすい場所かどうか等を考えて灌木で終了点を構築しピッチを切った。
【ナイフリッジから雪壁途中までの3P目】(Oリード、Wリード)
・出だしだけ悪かった。
・ナイフリッジから雪壁に入ると安心感でホッとした。
・ロープ残り15のコールから適当なところで灌木で終了点を構築。
・時間を考え、この終了点でロープを片付けアンザイレンを解除した。
【雪壁途中~東尾根合流部】
・雪壁は草付きが凍っていてアックスがしっかり決まった。
・雪壁上部に出てくる岩のあるミックスは慎重に突破。その後の雪のリッジも雪が悪く悪かった。(フリーで抜けましたが、この付近だけはロープを出した方が安心安全だと思います。)
・リッジから雪壁へ移り東尾根合流部まで疲れた足でラッセルしながら登った。
◆東尾根
・東尾根に合流するとトレースがあった。(東尾根を先行したソロの方、ありがとうございます。)
・第一岩峰は右から巻いたが雪の状態は悪く悪かった。
・先行者のトレースを辿り先行者が工事した雪庇の切れ間から山頂へ抜けた。(ギリギリ日没前に抜けることができた。)
◆西黒尾根
・ヘッデン下山。
・特に問題なく下山できた。
感想:(山宮)一番の感想は、ただただ長かった!!下山時に足は攣りそうだし連休中は筋肉痛でした。今シーズンは雪が少なく高い気温や降雨の影響でどんなものかと多少心配しましたが登れない状況ではなく谷川山頂まで抜けることができました。今回のルートはアイスを初めたシーズンの2018年以来2年ぶりのルートでした。そのときはアイス初級者で氷登攀に時間がかかり、F5から上を直上から右上せずに悪い草付きの尾根を岩壁直下まで直上し続けるルーファイミスで時間もなくなり左方ルンゼのみ登攀で同ルート懸垂下降で下りてました。今回は良いとは言えないコンディションの中で上まで抜けるぞというWさん、Oさんの意欲に乗っかって時間はかかりましたが無事にトップアウトできて良かったです。今年1月の松木沢ジャンダルム以来のOさんとザイルを組みつるべで登りましたが、細かい点などいろいろ教えてもらったりいろいろな面で引っ張ってもらいました。そして何よりOさんはメンタルが強い!!また何処か行きましょう!!
※山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2227718.html
























