★山域:前穂高岳 屏風岩東壁(北アルプス)
★日付:2018.07.21(土)~22(日)
★天気:7/21 晴れ、7/22 晴れ
★山行形態:個人山行、アルパインクライミング
★参加者:山宮(CL)、岩出
★コース:上高地BT→横尾(テント幕営)→(T4尾根取付まで偵察へ)→横尾(テント泊)→岩小屋跡→(横尾谷渡渉)→(1ルンゼ)→T4尾根取付→(T4尾根)→T4→(雲稜ルート登攀)→雲稜ルート6P目終了点→(懸垂下降5回)→T4→(懸垂下降5回)→T4尾根取付→(1ルンゼ)→(横尾谷渡渉)→岩小屋跡→横尾(テント撤収)→上高地BT
★コース状況:上高地~横尾は小屋が豊富で食料・水・トイレには困りません。岩小屋~1ルンゼ~T4尾根~雲稜ルートについては下記参照。
◆岩小屋跡~横尾谷渡渉地点~1ルンゼ~T4尾根取付
・岩小屋跡の案内板から一般登山道を外れ沢の方へ行くとすぐに横尾谷渡渉地点があります。( 増水時の渡渉には注意が必要だと思います。)
・1ルンゼはT4尾根取付付近には雪渓が残ってましたが、雪渓脇を歩けるのでアイゼンやピッケルは不要でした。(偵察時は携行、アタック時はテントへ置いていきました。)
・1ルンゼの岩はけっこう動くので足をくじかないよう注意しながら歩きました。 また落石に注意して間隔をあけて歩きました。
◆T4尾根
・T4へのアプローチですがロープを出して登ります。
1P Ⅳ(岩出リード)
・スタンスに細かい浮石があり落石が多かった。( ビレイヤーは要注意。)
2P Ⅳ+(山宮リード)
・特に問題なく登れました。
3P 土のルンゼ(コンテで登る)
・特に問題なく登れました。
4P Ⅲ(岩出リード)
・特に問題なく登れました。
◆屏風岩東壁 雲稜ルート(4級、5.9、A1(5.11c))
・全体的に残置支点はしっかりしていました。 (人工Pで1~2個所リングが欠落したリングボルトがあり、そこの2~3mm残置スリングを使うのは先日の黒部丸東緑ルート同様気持ちのいいものではありませんでした。)
・おおよそ残置支点に導かれる感じで登れるのでルーファイはそれほど難しくなかったですが、2P目スタートしてからすぐのところと4P目の終了点へのところが少しわかりづらかったです。
1P コーナー~小ハング(50m、5.7)(岩出リード)
・T4~ピナクルテラスまで T4は広くて快適(ビバーク適地)
・奇数Pを希望の岩出リードで登攀開始。
・コーナーも小ハングも快適に登れた。
2P 小垂壁を右上~フェース~バンド左上(40m、5.9)(山宮リード)
・ピナクルテラス~扇岩テラスまで 扇岩テラスは快適(のんびり休憩できる)
・ピナクルテラスの右上と右に残置支点がありどちらへ行くか迷った。 いろいろ動いみて考えた結果、右へのトラバースは足場の土が崩れていてフォールしそうだったので簡単に登れそうもない右上ルートを選択。アブミを使って上がってみると目線の右に残置ハーケンを見つける。ガバホールドを使ってのトラバースだったが念のためA0で移動し、その後フェースを1段上がってしまえばあとは簡単なフェース~バンド左上で扇岩テラスへ。
3P 垂壁を人工(40m、Ⅳ+、A1(5.11c))(岩出リード)
・扇岩テラス~ハング下まで・人工~フリーのピッチだったが全てアブミを使って人工で登りました。
・残置支点間隔は短くて人工登攀は容易でした。
4P ハング下まで直上しハング下バンドを右へトラバース~ルンゼ直上し右へ~垂壁(40m、Ⅳ、A1)(山宮リード)
・ハング下~垂壁上のテラスまで
・ハング下までの直上はアブミを使って人工で登攀。
・ハング下バンドのトラバース区間は上の岩が邪魔で立てない&持ち手が微妙でいやらしい感じでした。
・トラバース後は『簡単なルンゼを登り、最後は垂壁を登ってテラスへ』と頭の中にありルンゼ左上に終了点が見えたので(見えていたのは懸垂下降点でした。。)、そこを登ろう触ってみましたが難しい(あとでトポをよく見るとフリーのルートでした。。)残置支点もないのでフォールできないし、とりあえず右に見えたテラスに終了点があったのでそこでピッチを切りました。ハンギングビレイ体勢で上を見ると終了点が見えました(トポにある終了点)があとの祭り・・・
5P スラブのクラック~小ハングを左に出る~スラブ(40m、5.7)(岩出リード)
・垂壁上のテラス~スラブ途中の終了点まで
・山宮が垂壁下のテラスでピッチを切ったので岩出が余計ものの垂壁をリード。。
・小ハングの乗越はアブミを使って登りました。(リードが残置、フォローが回収)
・スラブの5.7・・・厳しかったです。(個人的にはこのピッチが一番難しく核心でした。)
6P ルンゼ状スラブ(30m、Ⅳ)(山宮リード)
・スラブ途中の終了点~濡れたガリー手前まで
・特に問題なく登れました。
・懸垂下降で下りるなら特に登らなくてもいいかな・・・
◆下山
・各終了点には残置のカラビナ、ラッペルリングがありました。
・雲稜ルートの懸垂下降は間違いなく懸垂下降点へ下りるよう事前にネットの記録等を調べ慎重に確実に下りました。
・雲稜ルート6P終了点からT4までは60mダブルロープ2本使いで懸垂下降5回で下りました。
①6PT終了点→5P終了点
②5P終了点→4P登攀中にルンゼ左上に見えた懸垂下降点
③4P登攀中にルンゼ左上に見えた懸垂下降点→3P終了点
④3P終了点→扇岩テラス~大テラス
⑤大テラス→T4
・T4からT4尾根までは60mダブルロープ1本使いで懸垂下降3回、その後60mダブルロープ2本使いで懸垂下降2回で下りました。
①T4下→T4尾根3P終了点
②T4尾根3P終了点→土のルンゼ途中の支点
③土のルンゼ途中の支点→土のルンゼ途中の支点
④土のルンゼ途中の支点→T4尾根2P終了点
⑤T4尾根2P終了点→T4尾根取付
★感想(山宮):屏風岩・・・なんとなく漠然と行ってみたかったので行けて良かったです。核心の3P目の人工登攀ですが、先日登った黒部丸東緑ルートよりは簡単でした。岩出くんが奇数Pを希望したので私は偶数Pをリードしました。 2P、4Pとトラバース絡みの変なPばかりで快適ではなかったです。。 個人的には5P目が一番難しかったです。 (そこはフォローで良かったーw)今回は日程の関係上、雲稜ルート6P終了点で登攀終了し懸垂下降で下りましたが、次の機会があれば屏風の頭まで抜けてみたいです。
※山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1534410.html












