幽ノ沢V字状岩壁左ルート(谷川岳)

★山域:幽ノ沢右俣V字状岩壁左ルート(谷川岳)

★日付:2018.05.26(土)

★天気:曇り時々晴れ    

★山行形態:山岳会山行、アルパインクライミング

★参加者:石附(CL)、山宮(SL)、岩出、渡辺み

     パーティー編成:石附・渡辺み組と山宮・岩出組

★コース:谷川ベースプラザ→一ノ倉沢出合→幽ノ沢出合→(幽ノ沢を二俣まで詰めた後に右俣を詰める)→(カールボーデンを登る)→取付テラス→要テラス→(左ルート登攀)→左ルート登攀終了地点→(右ルートと合流、石楠花尾根を堅炭尾根へ)→(堅炭尾根を下山)→(芝倉沢の雪渓を下山)→芝倉沢出合→幽ノ沢出合→一ノ倉沢出合→谷川ベースプラザ

★コース状況:幽ノ沢出合から二俣まではほぼ雪渓通しで歩けました。二俣を右俣へ詰めていくと雪渓が崩れていたので雪渓通しに歩かずに左から巻きました。幽ノ沢出合から雪渓が無くなるところまではアイゼンとピッケルを使いました。カールボーデンから取付テラスまではノーロープで登りました。全体的に残置中間支点はほとんど無かった(見つけられなかった?)ですが核心ピッチだけは豊富にありました。中央カンテや変形チムニーに比べたら岩はしっかりしてました。

 ◆幽ノ沢出合~カールボーデン~取付テラス

  ・幽ノ沢出合から二俣まではほぼ雪渓通しで歩けました。(幽ノ沢出合からすぐの1ヶ所で雪が溶けてたので右岸から登ってまた雪渓通しに歩きました。)

  ・二俣を右俣へ詰めていくと雪渓が崩れていたので雪渓通しに歩かずに左から巻きました。(後続のパーティーは右から巻いてました。)

  ・幽ノ沢出合から雪渓が無くなるところまではアイゼンとピッケルを使いました。(カールボーデンの雪渓が無くなったところでアイゼンとピッケルを仕舞い登山靴からクライミングシューズへ履き替えました。)

  ・カールボーデンから取付テラスまではノーロープで登りました。(下部の傾斜の緩いところから右俣リンネのラインの左にある傾斜のあるリッジ状を登っていきます。クライミングシューズに履き替えるタイミングに注意しましょう。)

 ◆V字状岩壁左ルート(4級下、Ⅴ- A1)

  ・基本的に残置中間支点は少ないです。 (核心ピッチのみ残置中間支点は豊富にありました。)

  ・基本的に岩はしっかりしてましたが、所々脆い部分もあるので注意は怠らないようにしてください。

  1P 右へトラバースしてからリッジへ上がる(20m、Ⅲ)(石附リード)(山宮リード)

  ・取付テラスからトラバースし、右俣リンネの流水溝を横切りV字の左端を形づくるリッジ上のテラスへ上がるピッチ。

  ・残置中間支点は2箇所あった。

  ・特に問題なく登れました。

  2P リッジから下りて右へトラバース(20m、Ⅲ)(渡辺みリード)(岩出リード)

  ・リッジ上のテラスからクライムダウンし要テラスまでトラバースするピッチ。

  ・クライムダウンする個所に残置ロープあり。

  ・中間支点は1箇所あった。

  ・特に問題なく登れました。

  3P フェイスを直上(45m、Ⅲ+程度)(渡辺みリード)(山宮リード)

  ・要テラスから直上気味に登り少し右の終了点へ。

  ・残置はほとんど見当たらず・・・

  ・特に問題なく登れました。

  ・先行した石附さんパーティーに追従する形を取りましたが、左ルートは3P基部から左へ行くのでは??このピッチ後の4P目は核心ピッチ基部へやさしいスラブを左上しましたが、左ルートのトポにある『小さな垂壁を越すⅣのピッチ』が無かったし、核心ピッチ基部へは左上ではなく右上のはずなので・・・(下山後ネットでも知らべてみましたが核心ピッチ基部へはやはり右上するので今回は要テラス~核心ピッチ基部までは左ルート本来のルートを通ってないと思います。)

  4P 階段状のスラブを左上(25m、Ⅲ)(渡辺みリード)(岩出リード)

  ・核心ピッチ基部の黒光りした壁までやさしいスラブを左上しました。

  ・中間支点は1箇所あった。

  ・特に問題なく登れました。

  5P バンドを左上し垂壁を越えスラブを右へ(40m、Ⅴ-(A1))(石附リード)(山宮リード)

  ・核心ピッチ。残置中間支点は多くありました。

  ・常に濡れていると言われるピッチですが、この日はほとんど乾いてました。

  ・先行した石附さんパーティーがアブミ(A1)で越えたところはフリーでいけそうだったのでフリーでチャレンジしました。『核心を越えて右手でガバ掴んで終了。』のはずでしたが最後に右手で掴んだガバの岩がもげてフォールしました。 (フォールしたところは残置中間支点のすぐ上だったので落下する距離が少なく支点が持ちこたえくれて助かりました。) その後、落下した地点まで登り返してアブミ(A1)で核心を突破し後は問題なく登れました。

  ・基部から右へ回り込みバンドを左上、A1突破後は上に登り、乗越っす手前でリングボルトが2個あってピッチが切れそうな支点のある右へ行き、そこから上へ行き、左から回り込むように草付スラブを右へ登っていく。・・・これだけ書けばわかると思いますが、ロープが屈曲して草付スラブへ抜けるところあたりでは摩擦でロープが重くなりました。注意してください!

  ・終了点は①乗越っす手前の右にあるリングボルト2個あるところか、②草付スラブへ抜けたところすぐにある見えにくい古い残置スリングがついてたリングボルト1個のところ(探せばその近くにもう1個ぐらい残置支点があったのかな?)だと思いますが、先行パーティーリードの石附さんは①は普通にスルーして登攀継続、その後②を見過ごしてしまい更に右上したところでハーケン2枚打って終了点を作ってました。ちょうどよさげなリスを探すのに苦労したようです。(ハーケンは回収しました。)

  6P 草付スラブを直上(30m、Ⅲ程度)(渡辺みリード)(岩出リード)

  ・残置中間支点は無い。(1箇所ぐらいあったかな?) 灌木などで適宜中間支点を取った。

  ・特に問題なく登れました。

  7P 草付スラブを直上(30m、Ⅲ程度)(石附リード)(山宮リード)

  ・残置中間支点は無いので灌木などで適宜中間支点を取りました。

  ・特に問題なく登れました。

  8P 草付スラブを直上(30m、Ⅲ程度)(渡辺みリード)(岩出リード)

  ・残置中間支点は無いので灌木などで適宜中間支点を取りました。

  ・終了点は灌木で取りました。

  ・特に問題なく登れました。

  9P 草付を尾根まで直上(30m、Ⅱ程度)(石附リード)(山宮リード)

  ・熊笹を掴みながら滑る草付を登り尾根まで登って登攀終了。

  ・尾根上で肩絡みビレイでフォローをビレイ。

  ・特に問題なく登れました。

 ◆下山

  ・尾根に出て少し右へ歩いていくとV字状岩壁右ルートと合流。そこから石楠花尾根の薄い踏み跡を軽く藪漕ぎしていくと堅炭尾根へ出る。堅炭尾根を芝倉沢まで下っていき、芝倉沢からは芝倉沢の雪渓を下って芝倉沢出合まで下る。

★感想(山宮):幽ノ沢は雪渓通しに歩けて快適でした。また芝倉沢からの雪渓の下りも快適でした。一ノ倉沢にも言えることですがアプローチが雪渓通しで歩ける時期がこの山域のクライミング適期だと改めて感じました。カールボーデン直下のズタズタになった雪渓は大迫力でした!(こんなのが落ちてくるブロック雪崩にあったらひとたまりもないと感じました。)下山後にネットなどで調べてみたのですが今回は要テラス~核心ピッチ基部までは左ルート本来のルートを通ってないんじゃないかと思います。( 次回機会があれば本来のルートをトレースしたいと思います。・・・いや、もう登る機会はないかな?w)常に濡れていると言われる核心ピッチですが、この日はほとんど乾いていて条件は良かったです。 好条件&リードというせっかくのチャンスだったので、A1をフリーでチャレンジしましたが、『 核心を越えて右手でガバ掴んで終了。』のはずでしたが最後に右手で掴んだガバの岩がもげてフォールしました・・・(フォールしたところは残置中間支点のすぐ上だったので落下する距離が少なく支点が持ちこたえくれて助かりました。) 少し慎重さが足りなかったのかな。。アルパインクライミングは、特に谷川の岩は、そっと握って登らないと!!・・・ですね。今回の反省点です。

※山行の詳細はヤマレコにアップしてあります。

https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1480097.html

幽ノ沢を登っていく
二俣を右へ
立ちはだかる雪渓
雪渓の左から抜ける
雪渓を抜け登攀装備に換装
カールボーデンを登る
取付テラスからアンザイレン
1P目リードする石附
要テラスの石附・渡辺みパーティー
4P目を登っていく石附
5P目をリードする石附
5P目をリードする石附
4P目を登る山宮
5P目のA0を越えたところ(山宮撮影)
5P目のA0を越えたところから見えるビレイする岩出
6P目をリードする岩出
堅炭尾根で記念撮影
堅炭尾根で記念撮影
芝倉沢を下る
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投稿者: 新潟クライミングクラブ

新潟クライミングクラブは新潟市にある山岳会です。「角田山からヒマラヤまで!!」を合言葉にアルパインクライミングを中心に活動しています。

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